今江克隆のルアーニュースクラブR「奇作!怪作!傑作!イマカツ関連2024年新製品とトレンド情報を紹介」の巻 第1183回
フィッシングショーのトレンド情報が一段落した今週からは、いよいよ「イマカツ」関連の24年度新製品&トレンドを数回にわたって紹介していこう。

いよいよ今週からは、イマカツ関連新製品の詳細解説がスタート!未公開モノ、キワモノ含め、盛りだくさんです
「ZELOS」本格投入
まず今週の最大トピックスとして、5年前に「チューニングサードパーティー」から「総合釣り具メーカー」へと転身を図ったZPI(オフィスZPI)が、SNS等で「チューニングサードパーティー」への回帰発表があった。
もともとZPIのチューンパーツは、5年前まで個人的に気に入って使っていた経緯があり、昨年末に「グラビアスAURORA」用に試験装着してみた「ZELOS」のハンドルは、個人的にとても気に入っていた。
ただ、当時はZPIがベイトリール「アルカンセ」のメーカーでもあり、G-niusとは競合メーカーのため「グラビアスAURORA」への採用は見送っていた。
しかし、幸か不幸か?この発表を受けて「グラビアスAURORA」への「ZELOS」本格投入することを決めた。
ZPIとスポンサー契約したわけではなく、様々なチューニングハンドルを試した中で明確に「ZELOS」が機能的によいと思ったゆえの投入である。
独特の設置構造上のメリットは確かに論理立っており、特にカーボンではなく金属(超々ジュラルミン)ならではの撓(たわ)みのないカチッとした剛性とフィーリングにより、「巻き感度」が明らかに向上したように感じる。

「ZELOS」は、まるでレーシングカー特有のセンターロックホイールを彷彿させる特殊ロックナット。さらに超々ジュラルミン製でカーボンハンドルを凌ぐ強度と剛性、さらに巻き感度を実現している
さらにデフォルトの「AURORAパワーハンドル」より1g軽量化になり、左のフィネスノブの場合は大幅な軽量化ができた。
だがホンネを話すと、そういった微小なスペック的メリット以上に「見た目」がストイックでカッコいいってことが、最大の理由。
見た目のカッコよさは間違いなく道具に対するテンションを上げてくれる。
「AURORA」もしかり、時として独創的デザイン性は微細なスペック差を凌ぐ「気持ちの充実」になる…気がするって単純な話ですけどね。
まさに「Gravius(グラビアス) Aurora」は、コレぞ「カスタムチューンの塊」って感じのリールです。

今季から「グラビアスAURORA」に個人的趣味で「ZELOS」のマシンカットハンドルを投入。メタルビューティが極まった、まさにチューニングの塊ともいえる個性的リールに仕上がった
量産モデルを正式発表
ということで、ここからはイマカツ関連の24年新製品紹介です。
まず、河野(正彦)プロ渾身のデビュー作、「ダンベルクラブ」の完成型量産モデルを正式発表だ。
ずっと隠してきた最後の機能をついに公開しよう。

コレが「ダンベルクラブ」の最終製品形態。特殊な角度で生えるラバー、その先端部、角の生えたダンベルのカタチにも河野プロのコダワリが詰まりまくっている
それは、なぜ、ダンベル型になったか?に由来するが、マス針セット時のバレルロールと投げやすさが第一の目的だったが、裏の真の目的は「オフセットフックで使える」ことだ。
この際にオフセットフックのシャンクが形状的にズレにくく、さらにボトムで吸い込まれやすい姿勢で着底するような工夫がされている。
今江的にサイコロ系ワームでのライブソナー系以外での最大の難点は「キャストが超うまい人専用」ってところ。
ガード付きマス針でもややこしいカバーでは回避限界があるが、このオフセット仕様なら、雑なキャストも、カバー内吊るしも、荒っぽい回収も、切り株などでのボトムジャークも、根掛かりストレスは最大限に軽減できる。
面白いのはスイミング時で、ヘッドの角面がリップの役目をするためバイブレーションしながら泳ぐというオマケもついてきたこと。
ラバーのハサミのような先端部分と関節は、見た目以上にフォール時に脚のバイブレーションを向上させる工夫になっている。
好みで半分にカットすれば、フィネスな蟹(カニ)にダウンサイズもできる。
この「ダンベルクラブ」は、すでにテスト段階で飽きるほど釣っているので、その釣獲性能には間違いはないと思う。

オフセットフックもしっかり角とイボでセッティングでき、着底姿勢も整える。さらにはスイミングでのバイブレーションも発生させるダンベルの独自セッティング。これも河野プロ発案
「ダンベル」のオバケ??
次に、ある意味、コレも「ダンベル」のオバケともいえるのが、リリースが近い「風神スパイダー・クジャラ」だ。
袋に入れて雑に保管しても、ほぼクセの付かない特殊なエラストマー製で、手に持った(鼻に挟んだ?)瞬間に、ワサワサと超気持ち悪くうごめく脚は、水面水中でも激ヤバの動きを醸し出す。

これまたダンベル形状のオバケスパイダー「クジャラ」の最終製品形態。脚のワサワサ感は髭ダンスができるほど。隠し芸大会には超オススメだ

袋にバサッと放り込んで、そのままボックスに入れておいても、ほとんど脚のクセがつかない特殊なソフトエラストマー採用。エラストマーのクセ付のストレスから解放されたのは大きい
この多毛柔軟脚は、水面への着水音が自然で、バスに着水を警戒させない特徴があることから、バスの真上に落としてもリアクションで喰ってくるという不思議なサイトフィッシング力を持つのが、特徴の一つだ。
特に大型昆虫の多い密林系フィールドで効果が高い。
元々、イマカツ若手フィールドスタッフの発案で「風神スパイダートレーラー」を巨大化、増毛したのがキッカケで、テストも若手が積極的に担当してきたイマカツの新世代発案ワームでもある。
昨年は夏の陸王戦榛名湖で三原(直之)プロが表層サイトで使いブッチギリ勝利を飾った動画が公開されているが、ライブスコープでも極めて画面に捉えやすい形状のため、マス針超ショートヘビダンなどで、すでに1月の池原(ダム)チャプターで表彰台獲得の実績もある。
クリア系のカラーでは脚がフライなどのベイトの群れに見える効果もあるようだ。
驚くほどの高浮力、高柔軟性をもつ多毛多脚系ワームのため様々な使い方で応用が可能で、現在、面白い新テクを実戦テスト中なので、明確な結果が出次第公開したいと思っている。

「クジャラ」はイマカツの若手発信のキワモノワーム。だがその実績はすでに超十分。今季のさらなる若手スタッフたちの釣果報告が、今から楽しみだ
実釣実績無双!今年最強の確釣ワームもいよいよ登場