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今江克隆のルアーニュースクラブR「発表!今江的タックル・オブ・ザ・イヤーTOP3」の巻 第1176回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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「ルアーニュースクラブR」を読んでくれているみなさま、明けましておめでとうございます。

辰年、2024年一発目のルアニュークラブRは、ちょっと遅れましたが、これを書いているのが大晦日除夜の鐘を聞きながらなので「2023年今江的タックル・オブ・ザ・イヤーTOP3発表」です。

文句ナシに「ライブスコープ」?

「今江的タックル・オブ・ザ・イヤー(T.O.Y)2023」は、文句ナシに「ライブスコープ」に決定!…といいたいところだが、実はライブスコープは、今江的TOP3には入っていない。

本来なら2023年のTOP50を席巻したライブスコープはタックルオブザイヤーに入って当然の最強タックルなのだが、今回自分は、それをまだTOP3に入れないのには、大きな理由がある。

それは、昨年、自分がライブスコープによって受けた「恩恵」以上に、その「悪影響」も極めて大きかったからである。

トーナメント界での2023年T.O.Yは間違いなく「ガーミン・ライブスコープ」で決まりだろう。だが「ライブスコープ」は、そのメリット以上に時に大きなデメリットになることがある

ライブスコープ(LS)は、装備さえすれば装備してない人より圧倒的に釣れるようなイメージをしがちだが、実はそれは大きな間違いだ。

理由は「ライブスコープ(LS)症候群」と呼んでいるが、ライブスコープを導入し、モニターを見れば見るほど、一時的に今までの自分の釣りを大きく見失ってしまうからだ。

最悪は、アナログな釣りもデジタルな釣りもどちらもつかずの中途半端な迷走状態に入ってしまい、本来釣れていた魚も釣れなくなる症候群だ。

この現象は、ライブスコープ導入時には誰もが体験する難しさで、ライブスコープは「得意技レベル」に修得できていない場合、すなわち「物真似レベル」では、逆に釣果やトーナメントの成績が下がるという、皮肉な結末になることも多々あるのだ。

自分にとっては、2023年はまさにその過渡期で、TOP50シリーズ後半戦の桧原湖戦まで、まさにどっちもつかずの物真似レベルで迷走状況だった。

結果的に過去最低ランキングに低迷し、ドン底に落ちたからこそ、開き直って桧原湖でライブスコープ一本勝負に腹を括れた結果、ようやくライブスコープが、上級戦力として身に付いたのだと思う。

ちなみに見えバスに翻弄されやすいアングラー、もしくはビッグベイトで「チェイスはあるが喰わない」とぼやくアングラーは、特にライブスコープを使うと、この傾向が強くあてはまる。

それほどライブスコープは、諸刃の刃だということを、ココに記しておきたい。

TOP50年間ランキング史上最低のドン底44位から急浮上のキッカケとなった桧原湖ライブスコープ戦。腹を括ってやり切ったからこそ、自信を持てなかったライブスコープの壁を突破することができたと思う

今江的TOY 第1位

だが、逆にライブスコープを修得しはじめた結果、アナログの釣りに徹するか、デジタルの釣りに徹するかの見極めができるようになり、中途半端さを脱することができた。

昨年の後半戦の好調は、ライブスコープがある一定レベルに達したことでデジタル幻想を脱し、結局はライブスコープも「一つの戦略選択肢」と思えるようになったからだ。

こうした経緯を踏まえて今江的2023TOYは、最先端のライブスコープに適応するキッカケにもなり、同時にアナログで対抗しえたという点からイマカツ最古のルアー、「ジャバロンスーパーリアル110」、「ジャバロン140」を含む「ジャバロン」を、今江的23年TOYランキング第1位としたい。

ジャバロンスーパーリアル110

その理由は、ドン底で迎えたTOP50桧原湖戦、ライブスコープの一つの大きな武器でもあるリアルベイトフィッシュの動き、シルエット、サイズに合わせて極大射程のスイミングで大型スモールマウスを仕留めるメソッドを開眼させてくれたのが、「ジャバロンスーパーリアル110」だったから。

この時、スモールが吐いたワカサギのサイズ、動き、色、シルエットに全てがマッチしたこのルアーがなければ、自分はライブスコープに覚醒することもなく、TOP50を今年で引退することを決意していただろう。

それほど「ジャバロンスーパーリアル110」は、自分の選手生命を、そして新たな進歩を支えてくれたTOYに相応しいルアーだったと思う。

桧原湖で絶体絶命を救ってくれた「ジャバロンスーパーリアル110」。このワームを桧原湖戦に持って行っていなかったら、自分は今年で引退していたと思う。2024年3DR化されて再販が決まった

「ジャバロンスーパーリアル110」も様々なリグ&テクニックをテスト中。今江的には桧原湖以来、どこでも「ライブスコープ」との相性が抜群なワームになっている

ジャバロン140

ただ、この「ジャバロンスーパーリアル110」によって手にしたわずかな望みを、2024年へと繋ぐも絶つも最終戦遠賀川に委ねられた。

自力残留するには、最終戦15位賞金圏内入賞が最低条件。

この遠賀川では、くしくも5日間の練習で決めたことはライブスコープを完全に捨てる決意だった。

これが完璧にできたことが23年最大の成長であり、それを決意させたのが「ジャバロン140」の最上流ノーシンカー「デッドドリフト」という、自分が大昔から最も得意とするアナログの極み的な釣りだった。

それに徹することができたがゆえに、最終戦を10位でクリアし、結果、ほぼ絶望的と思えた44位から23位まで順位を上げ、自力残留を決めた。

デジタルを身に付けさせた「ジャバロンスーパーリアル110」、デジタルを迷いなく捨てさせた「ジャバロン140」、ともに「ジャバロン」シリーズであり、今江的TOYの第1位にふさわしいルアーだと思う。

桧原湖戦で首の皮一枚残った可能性を遠賀川戦で繋いでくれたのが「ジャバロン140」だった。現在、140と同マテリアルのNew「ジャバロン110」の最終テストが終了、2024年春に再デビューする

桧原湖で使った「ライナースピン」のアップロックグリップをグリッピングで悩んでいた「カレイド・ガルネリウス67M」にコンバートすることで、ジャバロン系パワースピニングとして最強の組合せが誕生した

今江的TOY 第2位

次に、今江的TOY第2位は、これもやはりデジタルを完璧に捨てさせ、同時に圧倒的な威力をバサーオールスタークラシックで復活させた17年前のオールドルアー「ブシドー」に決まりだ。

この試合は、この2年、常にTOP50シリーズでは鬼門となっていた霞ヶ浦戦を打開するに極めて大きなヒントと自信を与えてくれた。

2023年バサクラ最終日に怒濤のマクりで4位入賞。この時使った「ブシドー」とタックルのお陰で、2024年霞ヶ浦攻略の大きな大きなキモを掴んだ気がする

このヒントは、2024年に3試合(TOP50戦2試合、オールスター)が予定されているため明かせないが、ロッド、リールセッティング、ルアー、メンタルが全てが完璧にマッチしないと結果を出せないもので、そういった意味でオールスター戦での「ブシドー」復活は、新たなタックル、キャストテクニック、メンタルの在り方までを開眼させてくれた、まさに「ジャバロン」と並ぶ、TOY1位級のルアーだと断言できる。

この「ブシドー」は、17年前に販売され今も入手可能だが、オールスター戦で気付いた大きなキモをさらに活かすため、現在、旧金型を改造し、アップデートさせてテストを繰り返している。

見た目にはほとんど変化はないが、2024年の霞ヶ浦水系戦を見据え、使用感、狙いを今の時代に合わせて強化している。

バサクラ以降、「ブシドー」の金型を微修正し、現代のフィールドに完璧にマッチするようアップデートさせた。NEW「ブシドー」は、冬のテストでも抜群の威力を発揮してくれている

同時に、もうこれ以上アップデートさせる部分がないと思っていた「ブラックレイブンエクストリーム66MHX」を610MHXにインチアップし、パワーアップ、さらに10g以上も劇的に軽量化した仮称「スーパーレイブン610MHX-TG/M40X」で、オールスター表彰台を獲得できたことは、さらに大きな霞ヶ浦攻略の自信となった。

こういった経緯からも今江的TOY第2位は、またしてもワームになってしまうが、タックル全てに大きな影響と進歩を与えたことが「ブシドー」を選んだ理由である。

一見しただけでは、恐らく改良された部分は分からないと思うが、New「ブシドー」は、明確にキモの部分を強化している。分かった方は、相当なブシドーオタクだ

オールスター戦以降、様々な使い方、リグで実釣テスト&練習を繰り返しているNew「ブシドー」。「ジャバロン」と並ぶ、2024主力ワームになるだろう

最も印象に残ったデカバスを仕留めたルアーは?

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