シーズン中、野池などへ釣りに出かけるとよく目にするのが、アブが車に群がる光景。停車した瞬間、どこからともなくアブが現れ、車にガンガンと体当たり。「刺されるかも…」、「車内に入るかも…」とビビッてしまいなかなか車から降りることができない…なんてことも。
実際、アブは刺してきますし、知らず侵入し、運転中の車内で飛び始めたら結構パニックですよね。ではなぜアブはわざわざ寄ってくるのでしょうか?
それにはアブの習性が関係しています。実はアブはアブでも車に寄ってくるのは「ウシアブ」という種類。ウシアブは名前の通り牛などの動物の血を吸う虫で、獲物となる動物を見つけるために、「熱」と「二酸化炭素」を目印にしています。
要するに、夏の日差しとエンジンの熱でチンチンに熱くなった車体と、そこから発せられる排気ガス(二酸化炭素)が、ウシアブからはターゲットとなる動物に見える(錯覚する)というワケ。
おもしろい現象ですよね。ルアーのシルエットや波動で魚をだますルアーフィッシングと同じような原理でアブは寄ってきているわけです。
捕食者がエサを「どう判断しているか」。それを理解すれば騙すのは比較的簡単。みなさんも捕食者(フィッシュイーター)の気持ちになって釣りをすると何か新しい発見があるかもしれませんね。