近年、以前よりも身近な魚となった感のある魚のひとつがキジハタ。身近、とは岸からの物理的な距離もある。大阪湾ではショアから狙えるようなポイントがグッと増えた。
そんな折、2023年にラグゼから発売されたロッドが「寧音」。それは従来のロックフィッシュロッドからすると極めて異端。そうでありながら、身近になったキジハタを確実に攻略していく上で、理にかなった設計とあって大きな話題を呼んでいる。その寧音の開発にも携わったのが、ご存じ藤原真一郎さん。
さて、今回はそんな寧音の特長について改めてラグゼにご紹介頂いた。その内容が以下である。
身近になったイコール釣れる、では決してない
近年生息域を拡大しているキジハタ。
それに伴い身近になり、エントリー自体は手軽にできるようになった印象がある。例えば堤防。確かに〝身近で手軽〟ではある。
しかしながら、釣れる場所が身近になったというのは、そこにいるキジハタが簡単に釣れるのとイコールではない。それほどイージーな日ばかりではない。
重要なのはタックルセッティング。例えば荒磯のようなフィールドと、堤防などではタックルセッティングにおいて求める要素が、そもそも変わってくるのである。
異次元。そのロッド「寧音」
そんな、難易度の高い堤防から狙って獲るためのセッティングの基軸となるのが「寧音」だ。
モデルNo. | 標準全長(cm/ft) | 希望本体価格(円) | 標準自重(g) | 仕舞寸法(cm) | パワー | 使用材料(%) | 継数(本) | ルアーウエイト(g) | 適正ライン(PE/号) | 先径(mm) | グリップ長(mm) |
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B64ML-solid | 193(6’4″) | 53,000 | 47 | 101.0 | ML | C99.9 G0.1 | 2 | 1~9 | 0.5~0.8 | 0.8 | 250 |
B74M-solid | 224(7’4″) | 53,500 | 57 | 116.0 | M | C99.9 G0.1 | 2 | 1.5~14 | 0.5~1.0 | 0.85 | 310 |
B79MH-solid | 236(7’9″) | 54,500 | 62 | 122.5 | MH | C99.9 G0.1 | 2 | 2.5~21 | 0.6~1.0 | 0.95 | 330 |
B70H-solid | 213.5(7’0″) | 54,500 | 58 | 111.0 | H | C99.9 G0.1 | 2 | 3.5~28 | 0.6~1.2 | 1 | 315 |
従来のロックフィッシュゲームといえばヘビーなタックルセッティングをイメージされると思う。確かに荒磯で狙うなら理にかなっているセッティングだ。
しかし、場所を変えて堤防となるとどうだろうか。
少ないストラクチャーを探し、テトラポットの穴を1つ1つ狙っていく。ボトムのちょっとした変化など海中情報を得られ、これまで感じることのなかったわずかなバイトを感じられるのなら、大きなアドバンテージになる。逆に、掛けた後は荒磯ほど無理をする必要はない。
となれば、よりライトにさらに高感度なロッドがあれば、当然優位になる場面が多くなるのだ。
ライト・高感度〟と聞くと、やや聞き飽きたフレーズかもしれない。しかしながら、ラグゼ寧音のライトさと感度は、一線を画す。
ライトウェイトロックフィッシュゲーム
寧音の場合、通常のロックフィッシュ狙いのベイトロッドの半分程の重量のシンカーを用いて釣りが展開できる。
当然ラインも細くできるので、さらに感度が上がる。アプローチの幅も広がり、今まで取れなかったアタリも取れるようになった。
従来ならできなかった繊細なアプローチを可能にし、これまで得られなかった感度をもたらす、それが寧音が可能にするライトウェイトロックフィッシュゲーム。
ライトウェイトになったからといって、ライトな魚を狙うのではなく、ちゃんと大きなサイズを狙える。実際に50cmオーバーのキジハタもあげている。
また、根魚釣りは根がかかりとの闘いになりやすいが、シンカーが軽いので比較的回避しやすいのも利点だ。
オリジナルリールシート
この竿のシルエットだけを見ると一見スピニングロッドに見えるかもしれない。実はそこに大きな拘りが込められている。
「トリガーレス」寧音にはベイトロッドなら通常付いているはずのトリガーが存在しない。トリガーがないことのメリットとして、以下の三つが挙げられる。
1. 自由にロッドを保持できる。
2. よりダイレクトな感度が得られる。
3. ロッドの軽量化
トリガーがないことを心配される方は多くいると思う。しかし、安心して欲しい。トリガーの必要性を忘れるほどのメリットを秘めているからだ。
最近はトリガーがついていない事があたり前になり過ぎて「トリガーレス」の説明を忘れてしまう。たまに普通のベイトロッドを触ると違和感を感じるほどだ。
スパイラルガイドセッティング
ベイトモデルでリールが真上の状態で使用すると、竿がギュッと曲がったときに竿にラインが当たってしまう。
糸が当たらないようにするには、ガイドの間隔を詰めて、ガイドの数も増やす必要がある。すると余分に重くなっていく。この問題を解決するため、スパイラルガイドを取り入れることにした。
スパイラルガイドを取り入と入れることで、穂先のソリッドティップが小さい負荷でもしっかりと力が伝わって曲がるようになる。それが感度の良さにつながっている。
スパイラルガイドセッティングにすることで軽量化と感度向上を実現しているのだ。
釣りを楽しんでもらいたいので余計なものは付けないように“シンプル”を徹底的に突き詰めて開発されている。故の感度と軽さなのだ。
ラグゼ公式「寧音」詳細ページはこちら
GAMAKATSU(がまかつ)