ルアーフィッシングのトピックをこまめにお届けする釣りの総合ニュースサイト

LureNews.TV YouTube Channel

【TENRYU・ジグザム20周年】C・N・Tによる飛躍。そしてジグザムの今後とは

  • X
  • Facebook
  • Line
  • はてなブックマーク

#ジグザム20周年フォトコン 開催中

テンリュウの近海ジギングロッド「JIG-ZAM(ジグザム)」が初代から数え、シリーズ20周年を迎えた。

現在、Instagramを利用したフォトコンテスト「#ジグザム20周年フォトコン」も開催中(2023年9月30日まで開催)。詳細は下記をタップ。

下記画像をタップ

少し前にジグザムの歴史や、スタッフ・舟木雄一さんの思い入れのあるジグザムについて話を伺った。

愛されて20年。テンリュウ「JIG-ZAM(ジグザム)」

【TENRYU・ジグザム20周年】意外に知らない名前の由来や開発秘話など舟木雄一さんに直撃

C・N・Tコンポジットがもたらしたこと

前回までの記事でも触れたが、初代ジグザムやジグザムVⅡ、VⅢは汎用性のあるジギングロッドとして成熟を重ねた。それとは別に、総合力の高いフラッグシップとして登場したのがディープライダー。

2013年・初代ドラッグフォース誕生

そこに地域特化型のトガったフラッグシップとして2013年に追加されたのが、前回のお話で「開発最難関だった」と舟木さんに言わしめたジグザム・ドラッグフォース

基本・発展・特化、ジグザムの中でもカテゴライズが細分化されてきたのだ。

△こちらが初代ドラッグフォース(※現在は製造終了)

そしてジグザムシリーズでは初のC・N・T(カーボンナノチューブ)コンポジットロッドとなったのがドラッグフォースでもある。

C・N・Tについて

C・N・T=カーボンナノチューブは、カーボン素材である。
そして、ナノ(10億分の1m)と非常に小さく、チューブ状となっているのが特徴。だからカーボン・ナノ・チューブという。

このC・N・T粒子は、カーボン繊維をつなぐ樹脂に浸透させることができ、繊維同士の結びつきを強める。だからカーボン繊維+樹脂からなるプリプレグ(カーボン繊維をシート状にしたロッドを構成する材料)の樹脂に入り込ませることで、カーボン繊維が強固に結びつく。

詳しい解説についてはもご参照いただきたい。

■C・N・T解説ページはこちら

カーボン繊維の剥離が起きにくくなり、復元力も非常に高い。また樹脂に入れられるC・N・Tは、ロッドの自重を増やすことなくメリットを与えてくれるのだ。

ごく簡単にいうと、腰が抜けた状態にならない、高い粘り(復元力)を持つブランクスができる。

ジグザムに限った話ではないが、このC・N・T素材の採用はさらにジグザムを飛躍させた。ひとつの転換期になったのではないかと感じる。

ドラッグフォースはもちろんだし、現行のワイルドマークのようなライトなロッドにおいても、その見た目からは想像できないリフト力を発揮する。

舟木雄一がフィールドで感じたC・N・Tの恩恵

さて、そんなC・N・Tについて、前回に引き続きスタッフ・舟木雄一さんに話を聞いてみた。

舟木:初代ドラッグフォースのベイトモデルをテストしていた頃の話でして、グラス素材をベースとしたロッドにC・N・Tをコンポジットさせると、強力なリフトパワーを発揮する事が分かりました。

ドラッグフォースよりも以前に、グラス主体のジギングロッドとして「オーシャニア」というシリーズがありました。

このモデルはブランクがグラスで出来ていたのですが、負荷を吸収してくれるので重たいメタルジグを楽に操作できる特徴がありました。ヒットした魚の引きも吸収するので、カーボンよりも魚が暴れにくい点もあります。

ドラッグフォースはさらにC・N・Tを入れてあるので、曲げ込むほどにパワーを発揮するのですが、グラスの特性でヒットさせたブリ級のサイズでも楽々浮かせることが出来るのですね。

「メジロ(ワラサ)だな」と思ってファイトしていたら、実際にはブリ級だったという経験は、当時テストしていた記憶としても鮮明に思い出します。

23ドラッグフォース・ベイトモデルでメバチ!

先日の釣行では、ドラッグフォースのベイトモデル(JDF591B-G7/8)で20~25kgくらいのメバチマグロをヒットさせました。

この時も、大きい魚だとは予想しましたが、案外楽にファイトしていていました。それを見ていた船長は、最初ネットを用意してくれたのですが、予想以上に大きい事に気づいてネットからギャフに持ち替えていたこともありましたね(笑)。

△ベイトモデルも追加され、ますます隙のない陣容となっているドラッグフォース

ジグザムの今後は?

そうしてアップデートを続けて、20周年を迎えたジグザム。今後の展開はどうなっていくのだろうか?

舟木:オフショアジギングでも、近海ジギングと呼ばれるカテゴリーは極端にいうと地域特化型とライトタックル型に分かれてきているように思えます。

当社シリーズで言えば地域特化型はドラッグフォースですし、ライトタックルはワイルドマークですね。

△地域特化型のフラッグシップ、ジグザム・ドラッグフォース

△ライト寄りなジグザム・ワイルドマークは、実は対応範囲が非常に広く重宝するシリーズ

ヒラマサや、ブリを狙う場合でも地域によって狙い方が違うため、全国でスタンダードと言えるモデルよりも、「このフィールド・この魚に・このロッド!」とユーザーが求める物があるわけです。

また、タックルの進化でリールは軽く、ラインは細く強くなったことで、以前よりもライトタックルで大物にチャレンジ出来るようになってきてもいます。

ただ、これは近海ジギングの枠内で見た場合ですね。

もし遠征したならば、ジグザム・ディープライダーのように1本で幅広く扱えるモデルの存在が大きくなってきます。

まだ今後何を発表するかは言えませんが、「特化型なのか、ライトなのか、総合力なのか」、この辺りがロッド進化の過程で重要なキーワードになるのでは?と感じています。

祝・ジグザム20周年

20周年を迎えたジグザムについて、舟木雄一さんの話中心に、さまざまなことを聞いてみました。

節目を迎えたジグザムは、現在進行中で新たな展開の準備を始めていることでしょう。

20周年を記念した「#ジグザム20周年フォトコン」も開催中。お手持ちの歴代ジグザムロッドで、Instagramにアップすれば豪華賞品が当たるキャンペーン。ぜひこちらもご応募を!

テンリュウ公式「#ジグザム20周年フォトコン」詳細ページはこちら

天龍(TENRYU)

1961年、六角竹竿加工業として下伊那郡鼎町下茶屋に塩澤製作所設立。1990年、株式会社 天龍に社名変更及び改組。創業当時、六角竹竿で一世を風靡し、1970年には日本初となるバスロッドを自社ブランドで発売。以降、カーボン素材を主軸に幅広い時代のニーズを先読みしたアイテムを輩出している。ソルトウォーターでは超軽量&高感度のSWライトゲームロッド「ルナキア」、ライトジギングでは「ホライゾン」が有名なほか、バス、トラウト、エリアフィッシング、さらにはテンカラなど、非常に幅広いジャンルでこだわりの強いロッドを生み出している。