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今までの定説、そして変化しつつある「梅雨エギング」/川上 英佑

寄稿:川上 英佑
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間もなく梅雨明けとなりますが、まだまだ通用する梅雨時期のメソッド。

今回は近年の梅雨の傾向とその対策をお伝えします。

川上 英佑(KAWAKAMI EISUKE) プロフィール

ショアをメインにオフショアからのエギングにも精通するYAMASHITAエギングマイスター。 エギング歴は20年に及ぶ。エギングが認知されてまだ間もない頃からYAMASHITAのプロスタッフとして活動、その活動範囲は国内外問わず幅広く、東南アジアからオセアニア、ヨーロッパ、南アメリカと世界中に及ぶ。また世界各国でエギングを行い、またエギングセミナーを開催。ロジカルなセミナーは海外でも人気が高い。

近年の梅雨の傾向

梅雨時期の“シトシトと降る小雨”というのはひと昔前の話。近年はまるで熱帯気候のようにまとまった雨がザーっと降り、ピタっと止んでまた降るような傾向があります。“ゲリラ豪雨”ともいわれる急激で大量に降る雨。そのためポイント選びも重要になってきます。

梅雨時期に避けたいポイント

今までのような小雨なら、河口の絡むエリアでも上げ潮のタイミングなら十分にチャンスがありますが、近年のような大雨になると雨の影響により大量の真水の流入、また水深の浅い場所は水温が急激に下がりやすくなり、雨量にもよりますが、河口が絡むエリアやシャロー帯での釣果が厳しくなります。小雨なら可能性はありますが、纏まった雨の場合は避けるべきポイントです。

梅雨時期の現在でも、陽が差す日中は気温が30度を超える日も珍しくありません。豪雨の後に晴天となったタイミングは海水温が急激に上昇し、赤潮などが発生し、海中の酸素量の低下を招くため、著しくアオリイカの活性が下がる要因にもなります。

湾の形状はアオリイカの好スポットですが、小規模で入り江が狭くなっているポイントも真水が抜けにくく期待薄になります。水深があれば期待は出来ますが湾内の潮が抜けにくく河川の流れ込みが絡む湾内も要注意です。

近年の梅雨時期の有望なポイントとタイミング

激しい雨による真水と河川から流れ込む泥水塊、水温低下、それらをかわす為にキーとなるのは水深潮通し。水深が深ければ底層付近は潮色が濁らず透明度が確保されている確率も高く、潮通しが良ければ干満による潮色の回復が見込めます。

ですが、真水が効いている状態はアオリイカの活性も万全とはいえず、エギをあまり積極的に追うケースも少ないため、あまりエギを高く跳ね上げ過ぎず、底層付近を意識したスローなアクションが有効です。また水深が深くても我慢してシャロータイプを使い、より短距離でじっくり見せることも効果的です。

極度の濁りは難しいですが、多少の濁りでも夜はイカが回遊するチャンスで、かなり期待薄な荒れと濁りの状況でも、夜にエサを求めて回遊しているアオリイカを見かけることがあります。夜は雨の濁りのマイナス要因も緩和ししてくれ、そこに常夜灯があれば月明りの入り難い濁り潮でもベイトが寄り、好スポットとなります。水深のある漁港で常夜灯があれば、濁りの中でも幾分かチャンスが生まれます。

梅雨時期におすすめのカラー

かなり厳しい条件下を想定してのカラーセレクトで、おすすめのボディカラーは濁りに強い「夜光」と「490グロー」。光量が多少あれば同じく濁りの中で効果的な緑の紫外線発光のネオンブライトの「ネオブラグリーン」。

「夜光」「490グロー」

「ネオブラグリーン」

下地は周囲の環境や光に合わせることで、その発光が遠くまで届き、発光自体が濁りのフィルターを通して大きく見えるため、濁りでエギが見えにくい条件下でも遠くのイカにエギの存在を届ける事が可能です。

釣行可能な日が少なくなりがちな昨今の梅雨シーズンですが、釣行可能なタイミングがあれば、上記の条件をご参考に梅雨イカを狙ってみてください。

ヤマシタ

「ヤマシタ(YAMASHITA)」は、神奈川県横浜市の老舗釣具漁具メーカー「ヤマリア」のエギング、イカ釣り、タイラバ、タコ釣りなど、海釣り用品に特化したブランド。特にエギングへの造形は深く、エギのスタンダートである「エギ王」シリーズや、「ケイムラ」カラー、「490グロー」カラーなどを送り出し、最新のテクノロジーでエギングの世界を変え続けている。