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“釣り人の貴重な釣り時間を奪わないようにしたい”原点回帰を謳ったゴーセンのトラブルレスPEライン

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“PEラインを使用しない釣りはない”、そんなことが言われるほど、今の釣りにおいて欠かせないPEライン。

現在では数多くのメーカーから様々なモデルが登場しており、4本撚りや8本撚りなど様々な種類がラインナップされています。

今回紹介するのは、そんな数ある中でも最もベーシックな性能のPEライン、ゴーセンの「ROOTS(ルーツ)」シリーズ。


出典:ゴーセン公式「ROOTS」詳細ページ

ゴーセンといえば、70年以上の歴史を持つ老舗のラインメーカー。国内に自社工場を持つため、品質にもこだわったハイクオリティなラインを多数手がけています。

そんなゴーセンが、“原点回帰”を目指したのが、「ROOT(ルーツ)」シリーズ。

なぜ原点回帰を目指したのか? 冒頭でも触れた通り、PEラインは様々な釣りで活用され、非常にメリットが多いラインです。しかしその反面、デメリットもあるためライントラブルで釣り人の貴重な釣り時間を奪わないようにしたい…そんなゴーセンの思いが込められているのだそう。

ROOT=根源という意味があるように、釣り糸の原点に立ち返り、釣り人のだれもが快適に使用できることを目指して開発されました。

目指したのはトラブルレス

「ROOT(ルーツ)」シリーズのコンセプトは、“目指したのはトラブルレス”。

PEラインで起こる代表的なトラブルといえば、「高切れ」・「摩擦切れ」・「色落ち」が挙げられます。そうしたトラブルを設計段階で軽減できるようにしたのが、「ROOT(ルーツ)」シリーズとなります。

設計する際に、8つの項目の設計指標を設定。それぞれの指標に対する「5つの要素技術」によるアプローチによりパラメーターを調整、釣行で生じる様々なトラブルの軽減を追求されています。

その結果、「高切れ」・「摩擦切れ」・「色落ち」のトラブルを軽減する設計となります。国内に自社工場があるため、こうした細かな調整ができるのもゴーセンならではといえるでしょう。

PEライン設計の3つのポイント

原糸の選定と素材の実力を最大限に引き出す加工技術

PEラインは基本、原糸という細い糸を組み上げることで構成されます。

ゴーセンでは、組み上げる技術だけではなく、PEラインを構成する素材そのものをより強固に鍛えることにも注目。その象徴と言えるのが、独自の「GT加工」という技術。

「GT加工」は、素材の実力を最大限発揮するための、PEラインの強度と耐摩耗性を向上させた加工技術。これを施す摩擦切れなどのトラブルも軽減することができるのだそう。

また、「ROOT(ルーツ)」シリーズでは各号数によって、ベストなバランスが調整されています。

細いサイズには摩擦や衝撃に強い太いフィラメントの原糸を、しなやかさが必要な太いサイズには細いフィラメントを使用するなど、号数ごとに適正な原糸を選定。

その太さに最適なバランスを追求することで、強度・感度・耐摩耗・耐久性といった各項目が向上しています。

MPX製法×HDX製法によるによるライントラブルの軽減

「ROOT(ルーツ)」シリーズはじめ、「ANSWER(アンサー)」シリーズでも採用されているMPX製法×HDX製法。

前述したとおり、PEラインは原糸という細い糸を組み上げることで構成されています。一言で組むと言っても、糸を細かく組むか、粗く組むかでPEラインの性質・性能は大きく変化します。

組目が粗いと構造上、一本ずつの糸がより真っ直ぐになるため、強力や感度も上がりますが、その反面で糸が引きつりやすくなるため、高切れが起こりやすくなり、摩擦や衝撃に弱くなるデメリットも発生してしまいます。

一方で組目を高密度にしてしまうと、その逆のことが発生してしまいます。つまり粗すぎても、密すぎてもダメであり適度なバランスが重要となります。

そこでゴーセンでは、組みのバランスを「組ピッチ」という数値で管理。

組む密度が少し変わるだけでラインの性質も大きく変わため、それを数値化し管理することで最もベストなバランスに調整しているとのこと。

ちなみに、MPX製法はPEラインの基となる原糸を高密度で組み上げる製法で、摩擦や瞬間的な負荷によって、ラインが切れることを軽減するもの。対して、HDX製法は密に組まれた原糸を”正確に組む”製法となります。

膨大な自社データベースに基づき、サイズ毎に高切れの発生事例率がもっとも少ないピッチ数を目指し、MPX製法を用いることで、従来のPEラインよりも最大30%高いピッチ数にすることに成功。さらにHDX製法を用いることで、PE原糸をたわみなく正確に組み上げ、編み込まれている構造を安定化に成功。

原糸間の密着性を高め、糸本来の強力を発揮。組み伸びや強力低下を軽減しているのだそう。

X樹脂+特殊シリコーン+表面改質で初期性能が長続き!

そして最後は、色落ちの軽減。

ラインの色落ちは、見た目が美しくないだけでなく、ハリやコシが低下している証拠。

というのも、PEラインの原糸は染料で染まらない素材です。

色をつけるためには顔料を混ぜた樹脂でのコーティングが必要となりますが、非常に接着しにくい性質であり、一般的な接着剤では摩擦で容易に剥離してしまいます。ガイドなどにラインの塗料がベッタリついたのを見たことがあるかと思います。

染色のコーティングが剥がれてしまうと、PEラインのハリやコシも失われ、劣化も早くなります。

「ルーツPE」に使用されている「X樹脂」は、PE素材と密着性の高い特殊な樹脂であり、色落ちの度合いの評価となる摩擦堅牢度テストでは、湿式・乾式ともにトップクラスの実力。さらに、仕上げ材として「特殊シリコーン」を塗布する事で色落ちを軽減し、糸切れの要因となる摩擦熱の低減にも効果を発揮します。

また、「ルーツPE」はコーティング前の原糸に特殊な表面処理を行うことでコーティングと糸の密着性の向上を図るなど、より色が落ちにくく初期性能が長続きするラインとなります。

ハリやコシを失わず、色落ちもしにくいので、巻替えの頻度も下がる嬉しい性能です!

以上、「ルーツPE」シリーズのご紹介でした。

ラインは魚と釣り人をつなぐ、いわば生命線。だからこそ信頼できるラインを選びたいですよね。

ライントラブルの原因も設計段階で排除してくれるので、より快適に使用することができます!ぜひ店頭で見かけた際は、チェックしてみてください!

ゴーセン(GOSEN)

1953年設立、大阪府大阪市中央区に本社を置く繊維ブランド。フィッシングラインの開発から始まり、その後テニスやバドミントンのガットなどを手掛け、現在は世界的に注目されているブランド。 すべての製造工程を自社内でトータルに手掛け、「細くて強い糸」の実現に向け、日々研究開発を重ねている。