ルアーフィッシングのトピックをこまめにお届けする釣りの総合ニュースサイト

LureNews.TV YouTube Channel

今江克隆のルアーニュースクラブR「フリーリグの真実!真の威力を発揮するためのキモ、セッティングを紹介」の巻 第1146回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
  • X
  • Facebook
  • Line
  • はてなブックマーク

バスフィッシングに数あるリグの中で、今さらながら改めてその効果と適性を見直しているリグがある。

それが「フリーリグ」だ。

簡単にいってしまえば、大昔、バス釣りを自分が始めた頃はテキサスリグのシンカーは、フリーでリグるのが当たり前だのクラッカーだったのだが、いつしかテキサスリグはペグ止め→ゴム式ストッパーでロックして使うことが常識的になった。

これはカバーにリグを撃ち込んだ時、シンカーが分離することで、ルアーから離れた部分のラインが枝やゴミをまたぐと、ワームをうまくカバーの中に滑り込ませることが難しいことからである。

だが、今さらながらフリーリグとして数年前に注目を浴びたこのリグは、シンカーとワームがフォール時に分離しやすいようテキサスシンカーではなく、ナス型状でリングが装着されたシンカーを使い、分離したワームが着底後に時間差でフリーフォールすることで「ノーシンカー状態の間」を作りだしてバスに喰わせることを目的としたものである。

今江式本気の時のフリーリグ。ダブルストッパーでシンカーが結び目に引っ掛からないようにするとともに、ショートフリーキャロ対応にする

今江式本気セッティングでは、Fujiの「リグスベル(カシメ式)」を使う。さらに滑りがよく、シンカーから少し距離が空くためダウンショット的な動きにもなる

シンカーとワームの分離の現実

投げやすく、かつノーシンカー状態を生みだすフリーリグは、確かに理にかなっており一時期かなりの人気になった。

しかし、大昔からバス釣りをしているアングラーにしてみれば、テキサスリグの基本であり、さほど「衝撃の新リグ」とは感じることはあまりなかったのではないだろうか。

自分自身もフリーリグはフリーテキサス同様のデメリットの方が多く感じられ、同じスポットなら「キャロ(ライナリグ)」や「ダウンショット(リグ)」で十分ではないかと思っていた。

さらに時期を同じくして登場したライブスコープが、フリーリグのメリットである「シンカーとワームの分離」に大きな疑問を生じさせることになった。

すなわち、ライブスコープでフリーフォールしているフリーリグ見る限り、「シンカーとワームはほとんど一定以上は離れていない」という事実が明確に画面に映し出されていたからである。

画面で見る限り水深に関わらず、フリーフォール時にシンカーとワームの分離は開いてせいぜい50cm程度で、実は深い水深でもロッド側のラインに掛かる水の抵抗で分離は逆に狭まり、着底時には一瞬しかフリー状態になっていないという事実である。

このライブスコープで見たフリーリグの「意外にシンカーとワームは分離していない」という思い込みが、自分にフリーリグの可能性を否定させる最大の原因にもなっていたのだ。

昨年、スモールマウスでもフラットゴビー系のフリーキャロは強烈に効いた。フリーキャロはフォール時にいかにシンカーとワームが広く離れてくれるかがポイントだ

フリーキャロあるある。結び目にシンカーのリングがハマって分離しないケースがよくある。これを防ぐにはアイの大きなシンカーを使うか、結び目の前にシンカーストッパーを設置する

効果的なフリーリグ

だが、実は正確にいえば「使うワームによっては」、「使うシンカーの重さによっては」、「使うラインによっては」と接頭語を付けた時にフリーリグは、フリーリグとして抜群の効果がでるということを知ったのも、ライブスコープの映像だった。

すなわち、使うワームとライン、セッティングを的確にすればするほど、フリーリグは明確にその威力を発揮するリグだということである。

それだけ実はフリーリグはワーム、シンカー、ラインのバランスで大きく効果が変わるリグだということである。

フリーリグにはやや懐疑的だったが、フリーリグに適したワーム、シンカー、ラインを突き詰めることでフリーリグの真の威力をまざまざと体感することができた

フリーリグに適したワーム

まず、効果的なフリーリグには守らなけらばならない原則があることを知っておこう。

最も重要なのはフリー状態を作りやすいワームと、そうではないワームがあること。

単純にシンカーが先に早く落ちてほしいフリーリグでは、フォール中にブレーキがかかりやすいワームほどシンカーとの距離が開きやすい。これが基本なのだが、「ブレーキがかかりやすく、間が開きやすいワームが実際には意外と少ない」というのが、実は最初にライブスコープで誤解をうんだ原因でもあった。

フリーリグでは、もう一つ、シンカーが着底後フリーになった時のワームの姿勢もキモで、フリーフォールになった時に「水平姿勢に戻りやすいワーム」ほど喰わせ効果が高い。

これはファーストフォールでももちろんだが、ファーストフォールに比べ絶対的に高さがなくなるリフト&フォールでは、さらにものをいう要素だ。

多くのワームではファーストフォールでは辛うじて分離しても、ここからのリフト後のセカンドフォール以降はほぼシンカーからワームが離れてくれない。

フリーリグでファーストフォール後にもその効果を発揮させるには、セカンド以降でも効果を維持できるワームを選ぶことが重要である。

そういった理由で選ぶワームによって大きな差が出るのがフリーリグなのである。

フラット(ヘッド)ゴビー」、「フラット(ヘッド)カーリー」は、フリーリグと最高に相性がよいワーム。カーリーはハーフカットテールで使うとグライドが素晴らしく、落として良し、ズル引いて良し

今年の春、「フラット(ヘッド)カーリー」のフリーリグにハマってしまった友蔵くん。釣れることが分かってからの溺愛ぶりは、釣れる前との差が凄すぎ……

ノーシンカー状態での水平フォールにこだわっている「ゲンタホッグ」。「ゲンタホッグ」もフリーリグとは極めて相性がよい

特殊なフリーリグ効果を発揮するワームとは?

1 / 2
次へ