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平村尚也コラム【琵琶湖リサーチ】瀬田川堰の放流量が毎秒15㌧に低下①

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6月16日に洪水期水位であるマイナス20㌢に調整。18日には放流量が15㌧にまで絞られ、南湖の水位が一気に悪化…

国土交通省近畿地方整備局は6月16日の洪水期水位であるマイナス20㌢にピタリと調整してきた。6月前半は毎秒300の放流量だったが、6月16日に調整が終了すると放流量は毎秒50㌧にまで低下した。そして、週が明けた6月18日には毎秒15㌧にまで絞ってきた。
瀬田川堰の放流量が減少すると、南湖は一気に水質が悪化する。特に瀬田川堰の放流量が急激に減少した時にヒドくなり、今回でいえば6月16日に300㌧から60㌧へと操作した瞬間に発生した反転流が、一気に水質を悪化させた。

水質が悪化した南湖。瀬田川堰の放流量が減少すると濁りが発生したり、ターンオーバーすることが多い

これは放水による強烈なカレントが北から南へと発生している時に突然、水門を閉めることにより、南から北への反転流が発生する。これによってボトムの水が巻きあげられて水質が悪化する。
特に北山田や下物のインサイド、六本柱付近などの南エリアで発生しやすく、梅雨時期から夏にかけての瀬田川堰の放流量ダウンでよく見かける光景だ。
また、この時期から瀬田川堰の放流量がダウンすると南湖内のカレントが弱くなる。これまで毎秒300㌧という強いカレントが発生したので、流れに乗って流入してきたアユが南湖内の水面をにぎわせていたのが、カレントが弱くなり、水温が上昇するに従い、南湖内からアユが消えてしまう。
アユは冷水系魚類であり、強いカレントともに水温は25度以下を好むため、南湖内にこの条件が消えてしまうと、瀬田川や流れのある流入河川、北湖の沖合いへと移動してしまう。

湖面に浮かぶアユ。アユはカレントのあるエリアを好むので、カレントがなくなれば消えてしまう

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