ルアーフィッシングのトピックをこまめにお届けする釣りの総合ニュースサイト

LureNews.TV YouTube Channel

【辻本ナツ雄に直撃!】グルーパーバグに求めたコンセプトとその理由

  • X
  • Facebook
  • Line
  • はてなブックマーク

4月にスミスから発売となった、辻本ナツ雄さんプロデュースのハタ専用ワーム〝グルーパーバグ〟

出典:スミス公式

待ちに待った…

実は、2022年のカタログに掲載されていた製品だが生産予定が大きく遅れ、当初の発売予定から実に1年以上も遅延しての発売となった。

そのため「発売はまだなのか?」と心待ちにしていたアングラーも多かったハズ。

辻本ナツ雄さんに聞く

やはり西日本のグルーパーゲームを黎明期から支えてきたポッキンこと辻本ナツ雄さんの完全新作となれば、それだけで期待値は上がるというもの。

まさに「待望」という言葉がピッタリなグルーパーバグ。今シーズンのグルーパーゲームは思う存分にフィールドで投入し攻略できちゃいます!

ここでは辻本ナツ雄さんにグルーパーバグの開発コンセプトや使用上のアドバイスなど気になる点を聞いてみた。

辻本 ナツ雄(Natsuo Tsujimoto) プロフィール

ポッキンの愛称で知られる、メバル・ハタ類を始めとしたソルトウォーターゲームの大ベテラン。ハタ釣りは黎明期よりその普及に努め、グルーパーゲームという名称を提唱・普及させた。

グルーパーバグのターゲットとは?

一口にグルーパーゲームといってもハタの種類も複数あり、そのスタイルが多岐に渡っているのが現状だ。グルーパーバグはどのようなターゲットやシチュエーションを想定しているのだろうか?

グルーパーバグが想定しているのは主に岸からのキジハタゲームです。あくまで岸からの釣りを中心としているというだけであって、生息域によっては、もちろんアカハタやオオモンハタもイケますよ!

△記者も各展示会で拝見して驚いたのが超浮力。上記の画像、オフセットフックをセットした状態で直立。ノーテンションなら完全に浮く。5m程度までなら水圧に負けず機能するという

ボクは広島在住なので瀬戸内と山陰は日本海側。そして四国は太平洋側のフィールドでテストをしてきました。グルーパーバグは3箇所の空気室があるのですが、水深5mまでは水圧に負けずに機能してくれることがわかっています。さすがにボート釣りでディープまで沈めると支障が出るかもしれませんが、岸釣りであれば問題なくグルーパーバグの機能を発揮できるはずです。

グルーパーバグのコンセプトとは?

グルーパーバグを一目見ただけで、物凄く複雑な形状や構造をしていることがわかる。辻本さんがグルーパーバグに組み入れた機能というのはどこにあるのだろうか?

凄いカタチをしているでしょう(笑)? ボクが提出したイラストを見てスミスの開発担当者がドン引きしていました。というのも、普通の金型ではとても実現できないカタチなんだそうです。それにプラスして空気室が3箇所もありますから構造もだいぶ複雑です。「これは多分生産工場から断られてしまいますよ」と念を押されてしまいました。

コンセプトは大きく2つありまして、「浮くこと」と「泳いで誘うこと」なんです。

浮くことが重要なわけ

では浮くことのメリットは?

ボトムで浮いて立ち上がるということには2つの大きな意味があるんです。

1つは、甲殻類の威嚇ポーズを再現してターゲットにアピールできる
2つ目は、フックポイントを底から離すことで根掛かりを大幅に減らせる

この2点です。

空気室を設けて浮力を持たせるというコンセプトのワームはこれまでにもありました。でも、グルーパーバグは左右のアームとボディ内の計3箇所も空気室があります。なので浮力自体はこれまでになく高いものなんです。

具体的に言うと、遊動式のリグで使った場合はボトムから完全にフワーッと浮き上がります。自分は「キャロライナフリードロップショット」と言う遊動式のリグを使うこともあるんですけど、それなんかはラインを緩めると浮き上がり、引くと沈む、というアップダウンの誘いもできるんです。浮くワームだからこそできる誘いというのがあるんです。

もちろん、テキサスリグやジグヘッドリグではボトムを起点にしっかり立ち上がってアピールします。

空気室の下部には空気孔があって、ハタがくわえた時には空気が抜けて空気室が潰れます。だからフッキング率もとてもいいんです。もちろん、操作時に空気が抜け切ってしまうようなことはありません。そのためにわざと、空気孔は下側に開けてあるんです。

ボディ内に空気室を設けたことでいわゆる中空構造になっているわけですが、フックを刺し通す場所はちゃんとソリッドになっています。フックが簡単にズレてしまうようでは困ってしまいますから、この辺りは試作を繰り返す中で少しずつ改善させていきました。

フックを差す前方はソリッド。ワームのズレも少ない

泳いで誘うこと

最後に「泳いで誘う」という部分。どんな泳ぎやアピールを意識したのだろうか?

ハタを釣る際には泳ぎでアピールさせることが重要です。ただ、泳ぎによるアピールは強過ぎず、”若干”のアピール程度がいいと思ってます。これは触手部分をカーリーテールにすることで対応しました。

それと、グルーパーバグの腹部のリブはちょっと独特で、リブの1つ1つは薄いんですけれど、とても深く設計しているんです。これは泳いだ際にエビの水掻き波動を再現することを狙ってデザインしたものなんですよ。

次回はリグ編を配信予定!

ということで、辻本ナツ雄さんにグルーパーバグのコンセプトを語ってもらった。何より、超高浮力で止めていても自発的なゆらめき、ちょっとしたアクションでもレスポンスよく誘うワームで、かつ泳がせてもバッチリと隙がない!

そして、その自在度は高く、非常に多彩なリグにもマッチします。ということで次回は辻本ナツ雄さんに聞く、オススメリグなどについてお届け予定です。お楽しみに!

LENGTH WEIGHT PACK 適合フックサイズ PRICE
3.5inch 約4.8g 6本入 オフセット#1/0~3/0
※フック形状により異なるので目安として
¥600(税別)

スミス公式グルーパーバグ3.5インチ詳細ページはこちら

出典:YouTube「スミス公式チャンネル」

SMITH(スミス) プロフィール

1970年創業。日本のルアーフィッシング創成期からそのノウハウや楽しみ方を提案し続けている。バス、ナマズ、ライギョ、トラウト、ソルトと展開するジャンルも多岐に渡る。展開するタックルはスミスオリジナルのロッドやルアーに加え、プラドコやゲーリーヤマモトといった海外製品の輸入販売も行っている。