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今江克隆のルアーニュースクラブR「ありそうでなかった新発想フラットサイドシャッド『ゲキアサフラット』を紹介」の巻 第1135回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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盛り上がった!フィッシングショーOSAKA

3年ぶりのリアル開催となったフィッシングショーOSAKA、フタを開けてみればコロナ禍どこ吹く風の、いつもと変わらぬ熱気あふれる満員御礼。

ただ、ザッと見た感じではバスフィッシング関連メーカーの出展が激減……バスフィッシングショーといった雰囲気は一変し、正直、全盛期を知るバス一筋アングラーとしては寂しい印象を拭うことはできなかった。

それでもいつもと何ら変わらぬエバーグリーン・ブースでのトークショーのバスファンの熱気には、これからのバスフィッシングを未来永劫存続させていくためにもバスメーカーの踏ん張りは、今からが本当の正念場なんだとの思いも強く感じたフィッシングショーOSAKA2023リアル開催だった。

さすがに今年は少ないだろうという予想は、よい意味で外れた。コロナ禍どこ吹く風、真のバスファンの熱気はまだまだ冷めやらずだ

ゲキアサフラット!

さて、先週は満を持して新機構搭載の「IxI FURIOUS」をここで公式発表したが、「IxI FURIOUS」の先駆であり、双璧の存在でもある「ゲキアサシャッド」の今江的第2弾「ゲキアサフラット」を今週は紹介しよう。

四国の河川で河野正彦プロが行った「ゲキアサフラット」の初実戦テストは、12月にもかかわらず見事な50cmUPが即答えてくれた

実釣テストは最近、23歳の河野プロに任せることが多い。テスト慣れした自分だけでなく、ルアーキャリアの短い若者でも、新開発ルアーの威力を即体感できるか否かが、判断基準になるからだ

この「ゲキアサフラット」は、同じ激浅なフィーディングフラット攻略のために作られた「FURIOUS」とは、同じ激浅攻略でも全く異なるコンセプトで、自分が必要に駆られて霞ヶ浦のオカッパリアングラーとともに、昨年から「FURIOUS」と並行して密かに企画制作したモノである。

「ゲキアサフラット」とは、その名の通り「ゲキアサシャッド」、「IxI FURIOUS」と同じく水深50cmを中心とした激浅いフラットの「水面を壁として使うためのシャッドプラグ」である。

この水面をバスがベイトを追い詰めるための壁として利用するフィーディング習性を刺激するのが、ゲキアサ・ファミリーの最大にして最強のオリジナル共通コンセプトである。

「ボトムノック」ではなく、真逆の「水面天井ノック」、すなわち激浅のフラットでもバスの目線より上、水面の壁との間という絶妙のレンジを通せるシャッド、という点を意識することが、この3兄弟を使いこなす最大のキモだと覚えておいてほしい。

“ゲキアサ”のコンセプトは、ゆずカップで知られる岩佐君の発案。最新作「ゲキアサフラット」は、彼の霞ヶ浦オカッパリでのリクエストを100%反映したモノだ

必要に迫られて……

ではナゼ、「ゲキアサシャット」と「IxI FURIOUS」で完結しないのか……それが近年の激浅フィールド特有の傾向から必要に迫られて生まれてきたのが「ゲキアサフラット」である。

ゲキアサシリーズの最新作「ゲキアサフラット」。「ゲキアサシャッド」や「IxI FURIOUS」とは同じ激浅コンセプトだが、真の狙いは明確に違う

昨年、霞ヶ浦水系での試合が過去最高レベルに多かったが、オカッパリ、ボートを問わず霞ヶ浦水系のバスの個体数の少なさは、もはや深刻過ぎるレベルに達している。

昨年10月のオールスター戦では、利根川全域を含む霞ケ浦水系全域にわずか20数名の地元選手を多く含む超一流選手が、ガチのガチで何日も練習してなお、2日間の試合で約半数がノーフィッシュ、2日で3尾のリミット達成で限りなく優勝という厳しさだった……。

これはバスが喰う喰わないの問題ではなく、バスの個体数が激減し、いる場所がスレまくっている超一級場所と、逆に1kmの湖岸線にわずか数匹が回遊状態という両極端の状況になっているからに他ならない。

前者は、ライトリグに軍配が上がるが、根本的に遭遇率が極端に低い後者を狙うためには、広範囲を高速でカバーできて高確率で反応するルアーが必須になる。

特に延々とした護岸に数kmにわたる無限乱杭(ラングイ)、蛇篭(ジャカゴ)、石積み等が存在する霞ヶ浦水系では、こういった一見変化に乏しいストラクチャーをいかに効率よく攻略するかで結果が変わってくる。

さらに霞ヶ浦水系は、トーナメントの多さやオカッパリアングラーの多さから、バスのスレ方もハンパではないため「遭遇できても喰わない」ケースが多々あるのだ。

ゆえに「遭遇効率が高くて、プレッシャーに強いルアー」+「スレバスに強すぎず、掛かりの良いプラグ」=「シャッド系プラグ」という方程式が必須になる。

この方程式から、特に護岸や石積などの激アサで直線的なエリアの水面の壁を、「線」で攻略するために本物の釣りウマオカッパリアングラーとともに産みだしたのが、喰わせのシャッド「ゲキアサシャッド」だ。

クランクベイトより弱くてリアル、ウェイクベイトより深く、スピナーベイトより速くてフッキング率が高い、それがスレに強いシャッドのメリットだ。

余談だが同じ視点から、昨年ウェイクベイトの過剰な強さを殺して、リアル&タイトに振った高速水面直進系プラグが「(アベンタクローラー)バゼル」であり、コチラも霞ヶ浦水系の護岸や石積みで極めて高い評価を得たことで、その実釣力の高さが証明されている。

2022年ルーキールアー・オブ・ザ・イヤーを獲得した、霞水系で大人気の「バゼル」。水面の壁を利用するのがゲキアサコンセプトなら、「バゼル」は、水面銀幕を利用するフィネスウェイクベイトだ

点で攻略できるシャッド

そして「ゲキアサフラット」は、線のみでなく、「点で攻略できるショートレンジ・ハイピール・ハイリアクション系シャッド」としてのコンセプトで開発している。

それはすなわち、霞ヶ浦水系に無数に点在する杭や矢板、単独アシや鉄杭、水門の角やテトラのエッジ等の線ではなく、点で狙うべきスポットを、ショートレンジでキャスト回転数を限界まで上げて狙うためのシャッドである。

簡単にいえば、杭一本一本に正確に連続ショートキャストし、短距離でもリアクション的に水面の壁へ喰い上げさせるためのハイアピール系シャッドだ。

ほぼ「点」に近い近距離・高精度の絨毯爆撃の手数で、「線」を上回るバスとの遭遇率、出合い頭の事故率を高めるのが「ゲキアサフラット」のコンセプトだ。

頭部に当たる水を受け流し、潜行深度を浅く維持する独特の円錐ヘッド形状。「FURIOUS」から得た頭部水流減圧機能を違った形で「ゲキアサフラット」にもフィーチャーしている

ゆえに「ゲキアサフラット」のアクションは、ナチュラルな「ゲキアサシャッド」とは逆の、ショートレンジで反射的にリアクションバイトさせるフラットサイド特有の明滅の激しいスーパーハイピッチロールになっている。

「ゲキアサシャッド」と比較すると一回り大きな「ゲキアサフラット」。今江的には「ゲキアサシャッド」がメス的性格のシャッド、「ゲキアサフラット」がオス的性格のシャッドだ

両サイドに切り立ったフラット面を持つのが「ゲキアサフラット」の特徴。フラット面が強い攪拌水押しパワーと明確な色調明滅効果を発揮する

その回転が速く、短距離でもタメの効いたアピールができる動きは、一見するとスピナーベイトの大型コロラドブレードのよう見える。

「ゲキアサシャッド」に比べて、イカつく攻撃的な顔が特徴の「ゲキアサフラット」。極めて小さい激浅リップだが、そのロールアクションはまるでコロラドブレードのようだ

フラットサイドの泣きドコロに完全対応!

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