ヴァルケインの菊地栄一代表と赤羽根悟さんを迎えてのエリアトラウト取材。
前回、前々回とヴァルケインのスローで強い「クーガディメンション」シリーズについてご紹介してきました。
赤羽根悟に直撃!マイクロスプーン
続いては、赤羽根悟のターン(笑)。赤羽根さんにマイクロスプーンについて色々と聞いてきました。
今回赤羽根さんが使用したスプーンはハイバースト1.0gとサーヴァントスピア0.7g。つまりは1g以下。マイクロスプーンの両者、大まかに共通項を挙げるなら、小さくてもしっかりと水をつかんで「アピールと扱いやすさを両立する」スプーンだといえるのではないでしょうか。
まずは2つのスペック的な部分からご紹介したい。
ハイバースト1.0g
出典:ヴァルケイン公式
製品名 | 重量 | カラー | リング | フック | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
ハイバースト1.0g | 1.0g | 20色 | #00 | ジャイロフック #6 | 本体価格¥500 / ¥550(税込) |
ハイバーストはヴァルケインを代表するスプーンの一つで、非常に人気も高い。
そのハイバーストに1.0gが昨年登場し、ユーザーたちにとってもうれしいNEWウエイトとなった。
ハイバーストには0.5g、0.8g、1.1g、 1.3g、1.4g、 1.6g、 1.8g、2.4g、 3.6gがあり、そこに1gが加わったことでウエイト的には0.8gと1.1gの間を埋める。
いずれも基本的にハイアピールなスプーンですが、1.0gはある程度スローに巻いてもしっかりと魚を引き付ける強さを持つ。
ベースとなったのは1.3gで、シルエット自体は同等ながらその厚みを薄型化。また、単に薄型化した…で終わらないのがヴァルケインらしさ。ヘッドのアール部分(曲げ)を若干強めにすることで、しっかりと水をつかんでよく動く。
赤羽根さんいわく「ホントに抵抗がしっかりこちらにも伝わってきます。それは水中ではしっかり泳いでアピールしてくれていることを意味しますし、同時にアングラー側はそれを感じられます。小さいけれどルアーの存在感が分かる」。
ある程度の速度で巻いて強波動なだけでなく、低速でもしっかりと強さを残したアクション。だから例えば日が昇って活性が落ち着いた時や、例えばハイバースト1.4gや1.3gである程度広く探った後に、さらにキャッチする魚を増やす切り札ともなる。
サーヴァントスピア0.7g
続いてはサーヴァントスピア。サーヴァントスピアは赤羽根さんご自身が監修したスプーンで、これまでの1.1gに新たに0.7gが追加。
出典:ヴァルケイン公式
製品名 | 重量 | カラー | フック | リング | 価格 |
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サーヴァントスピア | 1.1g | 18色 | ジャイロフック #6(1.1g) | #00 | 本体価格¥500 / ¥550(税込) |
0.7g | 18色 | ジャイロフック #7(0.7g) | #00 | 本体価格¥500 / ¥550(税込) |
〝攻めのスプーニング〟を可能にする頼れる相棒がサーヴァントスピア。0.7gとマイクロサイズになっても、そのコンセプトは踏襲。厚みだけでなく、シルエット自体も小さくなったのだが、操作性のよさとハイアピールで安定した泳ぎは引き継いでいる。
表層でのシビアなレンジコントロールも、小さいながらもしっかりと水をつかんで行いやすい。
また、肉厚がある程度あり一般的なマイクロシルエットのスプーンと比較すると小さくても速く引ける。小シルエットで強波動なのだ。
そうでありながら、1.1gと比較すれば当然ながら軽い。軽くなったことでスローな領域でも攻めのスプーニングを実現することができる。
ヴァルケインのマイクロスプーン
では、そんな小さなスプーンの使いどころは?
通常の1.5~2g前後のスプーンを投入していて、シルエット的にもスピード的にも強め&速めである程度の魚を釣った後、朝イチから時間が少し経って展開がスローになってきた時。もしくはシンプルに通常のシルエットで反応が少ない時に。
こうした時にスローな展開に対応しながらも、アピールを落とし過ぎない、小さいけれど水かみがよくしっかり波動を出してくれるのが今回ご紹介した2つのマイクロスプーンの特徴だ。
水かみがよい、しっかり泳ぐということは、言い換えればそれがしっかりとアングラーにも伝わる。プラスでレンジキープがしやすいのもメリット。
マイクロスプーンは、基本的には活性が少し落ち着いた時に使うものではあるが、その活性が落ち付いた中ではやる気のある個体を拾ってこられる。これが今回紹介するマイクロスプーンの特徴。
2つの共通項と違いは?
それでは両者の違いは何か。
まずハイバースト1.0gとサーヴァントスピア0.7gでは単純にシルエットが違う。エリアフィッシングでは0.3gという差は大きく、シンプルにいえばよりシルエットで見せたいならハイバーストに分がある。
逆に、サーヴァントスピア0.7gは非常に小さいけれど、その中ではめちゃくちゃ出力があるというか。波動が強い。そのため、シルエットは小さめで波動でアピールしたいならもってこい。また、元々が攻めのスプーニングを継承するルアーだけに速度領域も広く、速めのスピードにも対応する。
どちらにもいえる重要なことは、「めちゃくちゃ扱いやすいマイクロスプーン」であること。
苦手意識を持たず、まずは手に取って、投げてみてほしい。きっと「あっ、これなら分かるわ」とニヤリとしてしまう人も多いのではないでしょうか?