今江克隆のルアーニュースクラブR「久々に感じた昭和的バッチバチ感、ヒリヒリ感!〜バサーオールスタークラシック2022参戦記〜」の巻 第1121回
琵琶湖開催の「バサーオールスタークラシック」で2連覇して以来、もう何年振りか記憶にないほど久しぶりに「バサーオールスタークラシック」に、ついに完全復帰参戦を果たした。
試合結果は、6位でフィニッシュ。
自分独自のビッグフィッシュパターンで「勝ち筋」を見つけながら、連日にわたるミスで勝利が掌からこぼれ落ちる悔し過ぎる試合となった。
だが、コロナ禍での3年ぶりとなった有観客、フルスペック開催となった「バサーオールスタークラシック」は、日本のバストーナメントのあるべき姿の理想であり、自分がトーナメントプロとして現役を続けるためのモチベーションを改めて再確認できた、名実ともに素晴らしい最高峰バスフィッシング・エンターテイメントだったと思う。
自分のボートには2日間、バサー誌のライブ配信カメラが同船し、すでに試合の全内容は全てリアルタイムにYouTube生配信(DAY1、DAY2)されている。
後日、改めてバサー誌、バサーのYouTube総集編動画で詳細に視聴ができるので、今回は久々に復帰した「バサーオールスタークラシック(以下:オールスター)」の所感、そしてどういった戦略で臨んだのか、試合までの過程を書いてみたい。
TOP50とオールスターの決定的な違い
ある意味、自分にとっては初の体験となる今回の利根川&霞ケ浦水系全域戦の「オールスター」。
TOP50最終戦を終え、その直後に休むことなく霞ヶ浦に移動……試合までわずか7日間の練習で、TOP50での霞水系試合エリアの4倍以上、全行程100㎞以上に及ぶ利根川全域、流入河川を含む霞ケ浦水系を十分にチェックすることは、到底不可能な強行日程だった。
利根川に関しては、過去にTOP50、エリート5で一部経験はあったが、記憶は皆無で、ほとんど初めての水域に近い。
さらに今回の会場が利根川の佐原ということもあって、閘門通過のタイムロスなど経験のなさを考慮し、7日間中4日間を利根川に費やし、残りの3日間は、今年のTOP50北浦戦、霞水系戦での記憶を頼りに、確実に大型バスがこの時期いると確信できる自分好みの数エリアのみに絞った練習プランだった。
TOP50とオールスターの決定的な違いはリミットで、400g(約30cm、TOP50は25cm)以下はノンキーパー、3本(TOP50は5本)の2日間総重量という点だ。
オールスター戦のエリアが今回初経験となる自分に付け入るスキがあるとするなら、ビッグフィッシュパターンのみに絞り込めることだった。
今江克隆のプラン
自分が描いたプランは、霞ヶ浦か北浦のビッグフィッシュエリアで勝負し、1,500gクラスを2本獲ること、リミットメイクのキーパーバックアップとして、リリースフィッシュの多いJB霞水系会場付近の北利根川、サイズは落ちるがバスが濃いといわれる利根川の支流域でキーパー場を探すことだった。
練習序盤は、霞ヶ浦、北浦のトーナメント水域でビッグフィッシュパターンを探したが、初日、2日目にしてすでに連日3尾4kg以上のスーパーストロングパターンを掴むことができた。
これは今季2日間ノーフィッシュに終わったTOP50霞ケ浦戦でのパターンがオールスターで奏功するという、なんとも皮肉な結果だった。
そのパターンが、「ジャバロンのノーシンカー」で、アシやレイダウン、縦スト周りでの「奥の奥までスキッピングで入れてから返しのスイミングで追わせて喰わせる」というパターンだった。
9月頭の霞ヶ浦戦の時は、エリア選択の鍵になるイナッコ(ボラの幼魚)のサイズが小さかったため、「ジャバロンネオ97」のリップカット仕様をベイトフィネスタックルで使ったが、今回はイナッコのサイズがちょうど「ジャバロン140」サイズまで大きくなっていることに気付き、最初から「ジャバロン140(腹部薄皮一枚で0.3~0.4gネイルシンカーを2個平行に入れたチューン)」、ロッドはプロトの「スーパースタリオンGT2RSⅡ」、ラインは廃盤の「ランバウト15lb」で使ってみた。
「ジャバロン」を選んだ理由は、飛び跳ねているイナッコのシルエットに一番似ているように思えたこと、自分らしい釣りの原点的得意ルアーであること、そして、まずほとんど霞水系で使われていないだろうという点からだ。
結果的に、TOP50霞ヶ浦戦の「ジャバロンネオ97」から気付いた霞ヶ浦水系ジャバロンパターンは、自分でも驚くほど強力無双なパターンだった。
北浦各エリアで狙い通りにビッグフィッシュが炸裂、1,500gオーバーどころか50cmUP2本も飛び出した。
もうこの時点で、「オールスター」は「ジャバロン140」を軸にスイムベイト戦略でいくことに腹をくくった。
「ジャバロン」の使い方のキモは??