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今江克隆のルアーニュースクラブR「決戦直前!TOP50最終戦!異世界化?した桧原湖で勝つためにどう釣るべきか?」の巻 第1118回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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今週は、本来はTOP50戦直前のため休載週……。だが、プリプラ期間中に代休をいただいたので、プリプラの報告から明後日から開催されるTOP50最終戦に向けて思うところを記しておこうと思う。

異世界化?した桧原湖

この記事が掲載されるころは、すでに公式練習初日を終えたころだ。

桧原湖は、2週間のオフリミットをへて、プリプラとは気温も水温も、そして水位も全く違う季節感になっているだろう。

通常の状況ならば、10月半ばの桧原湖戦は過去何度も経験している。

しかし、今回の試合においては直前2日間の公式練習が、例年以上に極めて重い意味を持つ試合となりそうだ……。

さて、9日間行ったプリプラの内容は、正直なところ例年とは別世界となった桧原湖に、最後まで振り回されたというのが実感だ。

今年の桧原湖は、7月の台風直撃により20年に1度あるかないかの河川水害が会場の早稲沢村を襲い、現在も会場は泥まみれ、ランチングも極めて難しいほど土砂が堆積している。

この桧原湖を代表するインレットである早稲沢の水害は、桧原湖の水質にも大きな影響を及ぼした。

クリアウォーター、ディープがメインとなる秋の桧原湖湖が、プリプラの初日時点では見たこともない「白緑濁り」となっており、バスの例年の行動にもあきらかに大きな変化を与えているのは、一目も瞭然の状況だった。

今回の桧原湖用に昨年から試作していたプロトタイプのスモー ルシャッド。一見、普通のシャッドワームだが、見えないところにいろんなギミックが隠されている

例年の釣り方が通用しない……

通常、10月半ばの桧原湖は冬水位に移行し大減水、さらに水温は13~15度、ワカサギがディープに集まる季節ゆえに過去の戦歴でシャローでの表彰台獲得という例は記憶にない。

例年通りの桧原湖なら間違いなく水深9~12m前後のディープフラット勝負、それもほぼTOP50全員が装備するライブスコープ合戦になることは、間違いないだろうと想定していた。

今回、昨年9月の桧原湖戦本戦中に初めて開眼したと感じたある釣り方があり、当初の予定では、その釣り方をベースに秋のディープでリミットメイク優先、入れ替えを繰り返し、毎日5尾3,500gベースで表彰台(昨年は3kg、3.4kg 3.5kgで11位)獲得を狙う予定で、昨年から入念な準備を進めていた。

正直、今年に関してはディープのワカサギ付きのスモール(マウスバス)を釣る自信は、過去イチ確信を持てるほどあった。

だが、その目論見はプリプラ開始3日間であっさり崩壊することになる。

「ハドルスイマー」の最小版2インチのモデル。フラッシュプレートバージョンも密かに準備していたが、試合はそういう状況にはならないかもしれない……

同じくスイミングキャロ用には「ジャバロン」の2インチもスタンバイ。ディープのワカサギ付きバスの対策は、万全の予定だったが……

昨年の釣り方が通用しない……それ以前に例年ならバスもワカサギも固まりはじめる時期にもかかわらず、バスもベイトもシャローからディープまで9月中旬過ぎとは思えないほどバラバラに散っていた。

練習前半、ディープでは600gを釣るのが難しかったが、シャローではラージ狙いでもイージーに700~900gのグッドスモールが釣れた

ホンマにココはヒバラか??

初日、最低最高気温は3度、13度というフル防寒でも寒い極寒にもかかわらず、ディープの立木をライブスコープ(以下:LS)で狙う自分の後ろで、「アベンタRS」を投げていた河野(正彦プロ)が、あっさりキロフィッシュを釣ってしまう。

自分がライブスコープをガン見して水深16mの立木トップを狙っている後ろで、河野プロが特注「アベンタRS(ウッドスタンプカラー)」でキロアップスモールをキャッチ

その後もLSで昨年上位独占パターンをすればするほど、バックシートの河野が「マジですか!?」と叫んでしまう釣り方で、LSガン無視で800g前後をあっさり釣ってしまう。

必死でLSを見ながらガルプの「ミノー1インチ」をホバストして、何とか500gを釣っている自分がアホらしくなるほど簡単に、ホンマにココはヒバラか?と思いたくなるような釣り方で700g以上が釣れてしまう……。

要は、10m前後のディープの何かをサイトで狙う自分より、バックシートからフルキャストでバンク際のブレイクを普通にラージ(マウスバス)を釣るような釣り方で、グッドスモールが釣れてしまうのだ。

仕方なく2〜5mの比較的浅い水深を、ラージっぽく狙うと自分にも簡単に800gサイズが釣れてしまう。

本来ならこの時期は、ワカサギを突きあげるスモールのボイルがよく見られる季節なのだが、今年に関しては沖ボイルはほぼ皆無で、逆に岸ボイルは頻繁に見かけるという状況だった。

結論的にプリプラの結果だけを見れば、あきらかにシャローからミドル、それも普通にラージっぽい狙い方をした方がはるかにディープよりデカいスモールが高確率で釣れ、またラージまで例年以上に釣れてしまう、まさに想定外の事態だった。

スモールマウスの経験がほとんどない河野プロ。バックシートでライブスコープを見ることなく練習前半から後半のルアマガ取材まで、ずっと好調にグッドスモールを釣り続けていた

スモールにコレ???

そして何より、例年確実に釣れている桧原湖定番のルアー達よりも、「スモールにコレ???」っと、常識を疑うような意外なルアーが圧倒的に釣れるという事実も、まさに異常事態だった。

3/8ozの普通のラバージグに「ブルフラット3.8インチ」で30本釣ってJB桧原湖上位入賞する選手がいたり、「レイジースイマー」で50cmUPスモールを釣ったTOP50プロ、50cmUPラージをプリプラ中2本も釣ったTOP50プロがいたりと、慢性的な濁りの影響なのか、今年の秋の桧原湖は想定外すぎる状況になっている。

思いもかけないルアーを丸呑みしてしまう今年のヒバラスモール。特にシャローの大型スモールは、何でも丸呑みにするほど痩せていたのが気になった……

本戦はどうなるのか? 釣り方、作戦は?

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