サーフ、ゴロタ、堤防、磯など。
青物や根魚にフラットフィッシュなどの幅広い魚種が狙える「ショアジギング・キャスティング」。季節が進むにつれて釣れる魚種が豊富に、これから始められる方にとってもベストなシーズン! ただ、釣り方や使うルアーによって使用するロッドも様々。
ある程度用途を絞ってから選ぶ方が、ルアーを操作していても疲れにくく、バラシなどのリスクも軽減できます。そんなショアジギングやキャスティングにこれから入門する方へ、今回紹介するコチラから「自分に合ったモデル」を選んでみては?
オーバーゼア【ダイワ】
すべての海岸線を網羅。ダイワのショアキャスティングロッドシリーズ「オーバーゼア」を今回は紹介。
年々モデルも拡大傾向にあり、上位機種に「オーバーゼア AIR」、「オーバーゼア AGS」、「オーバーゼアグランデ」が展開されていて、現在は全4機種がラインナップ。その中でも、今回紹介している「オーバーゼア」は、最もラインナップが豊富で価格も控えめなことから、入門ロッドとして最適なモデル。これから製品の魅力をガッツリ解説させていただきたいと思います。
ダイワ公式「オーバーゼア」詳細ページはこちら
2022年4月に新機種6モデルが登場!全13機種に拡大
さて、製品特長を紹介させていただく前に、まずは「オーバーゼア」のラインナップを簡単に解説したいと思います。
まず、こちらのロッドは「サーフ・堤防モデル」と「堤防・磯モデル」の2モデルに大きく分類されています。前者は比較的ライトなジグやプラグを扱うのに向いており7機種展開。後者は2022年4月に登場したばかりの重たいジグやプラグを扱うのに適したパワーモデルで6機種展開。両モデルを合わせると全13機種展開となっていて、幅広いフィールドや使用ルアーに対応可能となっています。
フィールド
ルアー
魚種
シーバス | ヒラメ マゴチ |
ブリ 5kg 未満 |
ブリ 5kg 以上 |
サゴシ | マダイ | ヒラマサ | 根魚 ショアスロー |
海 サクラマス |
オオニベ | シイラ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
OVERTHERE サーフ・堤防 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
OVERTHERE 堤防・磯 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ◎ |
◎:最適、○:良好(番手によっては不向き)
10g~65gまでのルアーを扱い、サーフフィッシングやショアジギングなどで操作性を重視したい場合に有効、「サーフ・堤防モデル」。
軽量で操作性と遠投性に優れているため、ミノーやメタルジグをはじめワームまで扱えるのが「サーフ・堤防モデル」の強み。サーフの代表格であるヒラメやマゴチといったターゲットから、堤防で狙うタチウオやハマチにメジロクラスの青物にもベストマッチ。どれだけの種類が釣れるのかということを試すにもうってつけのシリーズ。セッティングに関してですが、LT4000、LT5000番などの中型スピニングリールに1.5号以下の細めのPEラインがベター。大遠投と高い操作性が大きなアドバンテージとなるサーフや、混雑した堤防でより飛距離を稼ぐにも「サーフ・堤防モデル」が有利に。1日使い続けても軽快性と操作性に優れ、疲れにくい仕様に。
番手 | 全長 (m) |
標準 重量 (g) |
継ぎ数 (本) |
仕舞 寸法 (cm) |
先径/元径 (cm) |
適合ルアー | 適合ライン | カーボン 含有率 (%) |
メーカー 希望本体 価格(円) |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
プラグ (g) |
ジグ (g) |
ナイロン (lb.) |
PE (号) |
||||||||
97M | 2.92 | 172 | 2 | 151 | 2.2/16.4 | 10-45 | 10-50 | 8-16 | 0.8-2.0 | 88 | 22,500 |
911M/MH | 3.02 | 175 | 2 | 156 | 2.0/17.7 | 10-60 | 10-65 | 8-20 | 1.0-2.5 | 90 | 23,500 |
103M | 3.12 | 175 | 2 | 160 | 2.2/17.7 | 10-45 | 10-50 | 8-16 | 0.8-2.0 | 90 | 23,000 |
103MH | 3.12 | 190 | 2 | 160 | 2.2/17.7 | 15-60 | 12-65 | 10-20 | 1.0-2.5 | 90 | 24,000 |
109ML/M | 3.28 | 180 | 2 | 168 | 2.0/17.7 | 7-45 | 7-50 | 8-16 | 0.8-2.0 | 90 | 23,500 |
109MH | 3.28 | 206 | 2 | 168 | 2.2/17.7 | 15-60 | 12-65 | 10-20 | 1.0-2.5 | 91 | 24,500 |
1010M/MH | 3.30 | 200 | 2 | 169 | 2.2/17.7 | 10-60 | 10-65 | 8-20 | 0.8-2.0 | 92 | 24,000 |
15g~100gまでのルアーを扱い、パワー重視でショアジギングやショアプラッキングに対応。2022年4月に追加となった「堤防・磯モデル」。
パワフルで遠投力のあるブランクスが搭載されているのが「堤防・磯モデル」。メタルジグを中心に、ダイビングペンシルや大型のポッパー、キャスラバなどにも最適。こちらに関しては、どれだけ大きなターゲットを仕留められるのかを試すのにうってつけのシリーズ。高い遠投力を持つパワフルなブランクスは驚くほど軽量で、疲労軽減と共にルアーの細かい操作にもシッカリ対応。セッティングに関してですが、6000番以上の大型スピニングリールに、1.5号以上の太いPEラインがベター。ゴリ巻きファイトや抜き上げが必要となる魚を相手にするには、「堤防・磯モデル」が最適。
番手 | 全長 (m) |
標準 重量 (g) |
継ぎ数 (本) |
仕舞 寸法 (cm) |
先径/元径 (cm) |
適合ルアー | 適合ライン | カーボン 含有率 (%) |
メーカー 希望本体 価格(円) |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
プラグ (g) |
ジグ (g) |
ナイロン (lb.) |
PE (号) |
||||||||
96MHH | 2.90 | 235 | 2 | 150 | 2.0/14.9 | 15-70 | 20-80 | ― | 1.5-3.0 | 99 | 27,500 |
100MHH | 3.05 | 240 | 2 | 157 | 2.0/15.4 | 15-70 | 20-80 | ― | 1.5-3.0 | 98 | 27,900 |
106MHH | 3.20 | 245 | 2 | 165 | 2.0/15.8 | 15-70 | 20-80 | ― | 1.5-3.0 | 98 | 28,300 |
96H | 2.90 | 255 | 2 | 150 | 2.3/15.4 | 20-80 | 30-100 | ― | 2.0-4.0 | 98 | 27,900 |
100H | 3.05 | 270 | 2 | 157 | 2.4/15.8 | 20-80 | 30-100 | ― | 2.0-4.0 | 99 | 28,300 |
106H | 3.20 | 280 | 2 | 165 | 2.4/15.8 | 20-80 | 30-100 | ― | 2.0-4.0 | 99 | 28,700 |
また、この「堤防・磯モデル」の登場によってHとMHHという新たな番手が追加。因みにMHHとはMHのハイパワーバージョンを意味しており、パワーはほとんど同じながら、強引なファイトに対応できるようにブランク強度が向上しています。ガイドシステムもオールダブルフットに変更、グリップやリールシート位置もパワフルなファイトを実現しているため変更されています。
堤防でライトショアジギングを楽しむ場合、体力に自信のある方やより大物を狙いたい方は「堤防・磯モデル」のMHH を、ヘビータックルに慣れていない方は、軽量で取り回しのいい「サーフ・堤防モデル」のMHを選べるのも、このシリーズならでは。自分に合ったモデルをぜひ。
全機種定価2万円台! コスパ最強なのに軽さとパワーを両立
全機種の中から気になるアイテムは見つかりましたか?
ここからは「オーバーゼア」の全体的な特長を詳しく解説していきたいと思います。まず、最大の特長は「全機種本体価格2万円台というコスパに優れているにも関わらず、軽さとパワーが両立」しているというトコロ。
軽いと疲労が軽減することで集中力持続。強いとファイト時も安心でキャッチ率もUP。
いずれのアイテムもとにかく軽くて強靭な仕上がりに。釣果に直結する部分でもあるので、この価格帯の中で一切妥協せずコストを注ぎ込んだとのこと。その軽さからは想像のつかない飛距離も実現。「サーフ・堤防モデル」はさらに操作性を重視。「堤防・磯モデル」はゴリ巻きのパワーファイトや抜き上げを考慮した強靭な設計に。
太径で軽量! ハイパワーブランク設計に仕上がっている理由も、ダイワ独自のブランクス設計が採用されているから。主に「X45」と「HVF(エイチブイエフ)」という2種の独自技術がロッドパワーを高めてくれています。では、初めに「X45」から解説。
従来のロッド構造は2種類のカーボンシート(ロッドに対して90度と0度の繊維)を組み合わせて作っているのに対し、「X45」はこの組み合わせに、さらにバイアス状(±45度)に繊維を巻きつけていることでネジレを防止。ネジレを防ぐことで、ロッド本来の操作性やパワー、感度をキープ。大型の青物の強力な引きでも、シッカリ受け止めてやり取りができる構造に。
ダイワ公式「X45」詳細ページはこちら
続いて、HVF(エイチブイエフ)について。
こちらはHigh Volume Fiberの略で、レジンの量を減らしてカーボン繊維を密にした、軽さとパワーが両立した高密度のカーボンシート。「X45」と組み合わせることで、軽さを維持しながらネバリや強度をプラス。さらに操作性や感度も向上したパワフルなロッドに仕上がっています。
ダイビングペンシルやポッパーなど、操作性が求められるルアーにも対応し、ロッドを振り続けてもアングラーの負担を軽減してくれる構造に。
ダイワ公式「HVF(エイチブイエフ)」詳細ページはこちら
ガイドやグリップ周辺にも注目!
大きな特長を秘めるブランクス周辺以外にも、ガイドやグリップ周りなどにも色々コダワリが!
全アイテム、ステンレスフレームのアルコナイトガイドをベースに、大きな負荷が掛かることを想定し、トップ部分は信頼のSiCリングを装備。「サーフ・堤防モデル」は操作性や感度を重視し、シングルフットタイプをベースに配置。「堤防・磯モデル」は強度重視でダブルフット仕様に。
「サーフ・堤防モデル」はダイワオリジナルのオーバルリールシートを搭載。
コンパクトに握り込めるので、長時間ロッドを振っていても疲れにくいように。「堤防・磯モデル」は定番のDPSリールシート。細身なので、手が小さな方でも握りこみやすくなっています。リールシート位置をやや上に設置されているため、突然大物がルアーをひったくってもロッドが伸されにくい仕様に。