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「楽しスギなベイトフィネス・ライトロックゲーム」タケノコメバル狙いのベストシーズンに突入

連載:トモ清水「ガッ釣りソルト」
寄稿:トモ清水
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WEB連載「トモ清水のガッ釣りソルト」
第164回 「楽しスギなベイトフィネス・ライトロックゲーム」タケノコメバル狙いのベストシーズンに突入

トモ清水(Shimizu Tomo) プロフィール

20年以上ロッド開発者として釣り具業界に携わるスーパーマルチアングラー。ロッド開発を手掛けたブランドは、国内、海外、自社、OEM問わず、20社にも及ぶ。現場主義、実績主義をモットーに全国各地、世界各地、釣りに飛び回るガッつり系。常に自然と魚をリスペクトし、次世代の楽しいものづくりに挑戦し続け、世界トップクラスのロッド開発者を目指す。1977年9月生まれ。本名は清水智一(しみず・ともかず)

こんにちは、トモ清水です。

緑が眩しい新緑の季節になりました。あと1週間と少しで暦の上では立夏、夏に突入していきます。またゴールデンウイーク突入間近ということで、釣り計画を立てられている方も多いと思います。

今回は、この時期にピッタリなベイトフィネスによるライトロックをご紹介。
ターゲットは旬のタケノコメバル。プライベートで実家のある石川県にライトロック釣行をしてきましたので、その実釣の様子もあわせて紹介していきたいと思います。

 

石川県能登タケノコメバル釣行

石川県の能登(のと)エリアは、関東に比べて2週間ほど春の訪れが遅く、ちょうど行った時には桜が満開でした。

能登にある祖母宅の裏山には、タケノコもちょうど出てきたタイミング。

タケノコメバルは、タケノコの旬な時期に釣れることや、模様がタケノコに似ていることから名前が付けられたという説があります。
まさに今は、タケノコメバルを狙うにはベストな時期と言えますね。

こちらがタケノコメバル。

この時期は、海藻が育っており、その藻場にタケノコメバルが生息しています。
タケノコメバルは隣の県、富山では藻魚(モウオ)と呼ばれるほど、ホンダワラなど海藻を非常に好む魚。

狙うポイントも、必然的にそういった藻場を狙うことになります。よってベイトフィネスタックルで、正確にタケノコメバルが潜むであろうピンポイントに効率よくキャストを繰り返し、狙っていくゲームです。

ベイトフィネスで楽しむタケノコメバルカバーゲーム
in石川県能登島

もちろんガチのロックフィッシュ専用ロッド以外のバスロッドでも流用可能で、お手持ちのタックルからも気軽にトライできます。

ただ、より繊細で食わせ能力の高いベイトフィネスタックルを使用した方が有利!
バットから良く曲がってくれるベイトフィネスタックルならではの楽しさやメリットも存在します。

ただし、魚のアベレージサイズが30cm以上と大きく、藻場が濃いポイントでは、やはり強めのロックフィッシュ専用ロッドが有利になってきます。

 

狙うサイズは30cm未満。でも、このサイズでもベイトフィネスタックルなら非常にスリリングなゲームが楽しめ、藻場が絡んでくると、その藻から引きずり出してくる感じは、とてもエキサイティングで満足感の高いゲームです。

こんな小さなカサゴも藻ごと上がってくるとカナリの重量感。

藻場(海藻エリア)周辺のポイントは、根掛かりのリスクや攻めづらいため、釣り人に攻められていないケースがほとんど。それゆえ魚影が濃いのが特徴。スピニングタックルでは非常に攻めづらいので、ベイトフィネスタックルの独壇場になることも。

ベイトフィネスの良さを利用して、手返し良くテンポよく攻めていくと、面白いようにヒットします。

1か所で粘るより、タケノコメバルが着いていそうなポイントをどんどん探っていくのがよいでしょう。

キャストはオーバーヘッドキャストより、サイドキャスト、フリッピングなど短距離に適したキャストを多用していきます。はじめは難しいかもしれませんが、キャストが上達していく過程も楽しめるのがベイトタックルの魅力であったりします。

とにかくアタリがあれば、大きくあわせて一気に引きずり出します。ちゅうちょしていると藻や岩場に入られてしまうことも。タケノコメバルの形を見てもわかるように、ヒレが大きく瞬発力がある魚で根や藻に潜ろうと必死に抵抗します。

一度、藻場ゲーを体感したアングラーは、その魅力に憑りつかれること間違いなし! 獲った感がとても強く、気軽に身近にそのスリリングな釣りが体験できるのが大きな魅力でしょう。キャストも上達し、狙って撃ったポイントでヒットさせ、引きずりだして獲った魚は本当に価値ある1尾です。その高い満足感が得られる最高の遊びです。

タケノコメバルの生息域は?

「タケノコメバルって、じゃあどこで釣れるの?極一部のエリアだけでしょ?」と思われがちですが、実は北海道から長崎まで全国各地に意外にも身近なところにいます。

有名なのは宮城や岩手の東北エリアで、50cmオーバーのタケノコメバル(ベッコウゾイ)が狙えるのが特徴です。東北のビックサイズこそ出ないが、数が多く良く釣れるエリアで有名なのは、太平洋側の愛知県沿岸の知多半島。30cmを超える良型のタケノコメバルも数も狙えるフィールドです。また、三重や瀬戸内も良く釣れます。そして私の地元、石川県だと能登が有名です。七尾湾という入り組んだ湾には藻場が多く、多くの魚をストックしています。

タケノコメバルの狙えるシーズンは?

釣れるシーズンは、実は年中狙えます。産卵期は12~1月あたりで、産卵のためにシャローに差してきます。少し難しいですが真冬でも釣れます。しかし冒頭に書いた通り、タケノコが取れる5月前後がベストシーズンで、まさにこれからが狙うにはもってこいのタイミングです。

自分の狙い方、好きなスタイルは、タケノコメバルが居そうなポイントだけ効率良くベイトフィネスで撃っていく釣り。あまり遠投して面で探ってくる狙い方は自分はあまりやりません。どちらかというと、面で探って「釣れちゃった」という感より、狙い定めたポイントで「狙って釣った!」感が好きで、比較的トモ清水的に接近戦が多いのも、そういった理由です。

ライトロックに最適なタックルとは。

最初に結論を言いますが、ライトロックに最適なタックルは、ズバリ「ベイトフィネス」です。なぜベイトフィネスタックルが最適なのか説明していきます。

ベイトフィネスタックル

タケノコメバルやキジハタをはじめとする根魚は、藻に付いているエビや小魚を食べていることが多く、落ちていくモノに強い反応を示します。丁寧にルアーをフォールでしっかり見せるのがキモ。

例えば重いシンカーで反応がない場合はワンサイズ、リグを軽くするとかの工夫が必要です。根魚は、着いているポイントがある程度限られているため、着いていそうなポイントだけ効率良く、手返しでキャスト回数が稼げるベイトフィネスタックルがまさにピッタリ。

タフな時や魚が小さくても、ベイトフィネスは軽いシンカーを扱いやすいので、食わせる戦闘力はカナリの武器です、よって軽いリグを丁寧に扱いやすいベイトフィネスが最適です。「ただラインは絶対に太いラインがオススメ!」。こういったテトラ際をタイトに狙っていきます。そのためにも太いラインが必要になってきます。

太いラインでも飛距離が落ちにくく、扱いやすいベイトタックルがベスト。また消波ブロックや藻の隙間などのピンポイントへのキャストアキュラシーも求められますので、より正確にキャストしやすいベイトタックルが適しています。

リーダーを見ると、ラインがテトラなどに擦れてギザギザになっているのがわかりますか?

これは16lbを使っていますが、細いラインだと魚がたとえ小さくても簡単に切れますので、必ず太いラインを使用しましょう。

トモ清水使用ベイトフィネスタックル(お手軽派)

ロッド:Abu Garcia SaltyStyle Baitfinesse STBC-732MLS-KR
リール:Abu Garcia ロキサーニBF8
ライン:バニッシュレボリューション(10lb)
リグ:フリーリグ(スイベルシンカー)(5~7g)
ルアー:バブルスピア2.2inアブ ソルティーステージ チェックメイト(3.5g、5g)

トモ清水使用ベイトフィネスタックル(本格派)

ロッド:Abu Garcia Eradicator Baitfinesse EBTC-74MLSもしくはEBTC-710MLT-PF “パワーフィネス”
リール:Abu Garcia REVO ULTRACAST BF8(レボ ウルトラキャスト BF8)
ライン:Super FireLineカラード  (1.0号)
ショックリーダー:バニッシュレボリューション(14lb)
リグ:フリーリグ(スイベルシンカー)(5~7g)リーダーレスダウンショット(5g)、ダート系ジグヘッド(5g)、テキサスリグ(3.5~7g)
ルアー:バブルスピア2.2in

もはやライトロックに定番の「バブルスピア2.2in」。

エビやカニをイメージして動かすのがキモ。30cm未満の小さい魚でも1口サイズのボリュームが重要。バブルスピアをガッポリと。この1口サイズが釣れる理由の1つ。何種類かのカラーを揃えておくといいですよ。

メインラインはPE0.8号以上、リーダーもしくはフロロカーボンライン単線で使う場合は、10lb以上がオススメです。

フリーリグやテキサスリグを多用し、使うシンカーのウエイトは5g前後。よってガチなロックフィッシュ専用のタックルよりも、よりライトなベイトフィネスが最適。

私的にバークレイの「スイベルシンカー」を使ったフリリグが一番オススメ。ワームがフリーなので、魚が違和感なくバイトします!

ライトロックを将来ずっと楽しむためのお願い

最後に私からのお願いがあります。

根魚は釣り人がキープしただけ、フィールドから居なくなる魚ですので、極力必要以上はキープしないように心掛けましょう。根魚は生命力が強い魚です。リリースしてあげれば生存率が非常に高いので、将来このゲームを楽しみ続けるためにもリリースをぜひお願いします。

春が過ぎ、いよいよ夏が到来してきます。
季節が進むほど、色々な種類のロックフィッシュが狙えますので、気軽にライトロック、ベイトフィネスタックルで最高の遊びを体験してみませんか? 以上、トモ清水でした! See you next time!

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