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今江克隆のルアーニュースクラブR「ビッグ~ジャイアントベイト専用テクニカルショートロッド!ジャイアントディアウルフの詳細を初公開」の巻 第1085回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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「GD611XXX/RS」のコンストラクション構成

「GD611XXX/RS」の実戦での使い方と性能が一番明確に理解できるのが2021年オールスターKOKの実況動画つり人チャンネル)だ。1,600g程度のバスならロッドの真ん中付近を持っても軽々と引き抜けてしまう

参考までに、この「GD611XXX/RS」のコンストラクション構成は、メインクロスの熟成された24トン中弾性カーボンにカレイド十八番の「T1100G」をコンビネーションしている。

このロッドに関してはカーボン組成に斬新さはないが、それ以上に24トン中弾性カーボンをこれだけ肉厚ムキムキムチムチに厚巻きしてなお、「ディアウルフ」最大の魅力であるネジレ、ブレを限界まで排除したスムースで引っ掛かりのないスパインレスフィーリングを達成していることが、究極のロッド構成技術といえる。

重いルアーほどキャスト時のティップ~ベリーのガイドのネジレは極端に強くなるため、ルアーのリリース直前のティップ~ベリーに起こるネジレの「戻り反動」は、キャスト軌道に大きな影響を及ぼす。

野球でいえばボールのリリース直前に手首をネジってカーブやシュートといったボールの軌道変化を起こす原理と似ている現象だ。

ルアーのキャスト軌道の理想は、意図せぬカーブやシュートではなく、ホップするような真っすぐのストレート軌道が理想なのだ。

だが、キャストフォームが多岐にわたるバスロッドでホップするようなストレートを投げることが、実は簡単そうで竿の宿命的構造上、極めて難しいことなのである。

巨大なルアーを自分の描いたライン通りに真っすぐに、スライスさせずにオーバーヘッドでも、ピッチングでもサークルキャストでも決められるロッドは滅多に存在するものではない。

「GD611XXX/RS」は、そんな一見当たり前の基本性能を、一投で実感させてくれるロッドである。

ビッグベイトは往々にしてフック一本掛りが多発する。ゆえにビッグベイトロッドはクイックでキレある動きを与えるティップセクションを持ちながら、相反するバラさないためのバネのような全体調子が必要になる

スーパーヘビー級バーサタイルロッド

最後に「GD611XXX/RS」は、元来ショートディスタンス、ビッグ~ビッガーベイトのフィネスで精度の高い操作専用に開発してきたストロングロッドである。

しかしながら、この「ディアウルフ」由来の優れたブランク性能は、その強靭性の最大限化によって1oz級ヘビージグ&大型テキサス系のスーパーヘビーカバーパンチング、全力ブン投げ系大型ルアーの操作にも極めて優れた対応力を発揮することがしばしばあった。

6個の3.5g衛星シンカーを付けたヘビー級ワンフックアラバマリグでの超ディープ攻略にも「GD611XXX/RS」は水圧負けすることなく極めて使いやすい

ただ、オーバーヘッドでフルキャストする際、もしくは縦に強くアワセる際、ブランクスの強靭さゆえにショートグリップではフィネスな操作性の代償として手首への負担が大きくなる弱点がどうしてもある。

そこで、グリップをショートではなく、投げ撃ちに特化したエイトシェイプ・ロンググリップ仕様を同時にテストしたところ、こちらも甲乙つけがたいスーパーヘビー級バーサタイルロッドとなった。

現時点では未定だが、「GD611XXX/RS」のブランクス性能をそのままに、スーパーストロング級ダブルハンドロッド「GD72XXX/GTS」として9月にリリースする可能性があることをここに報告しておこう。

上が9月リリース予定のスーパーヘビーバーサタイル「GD72XXX/GTS」。下が6月リリースのビッグベイトショート「GD611XXX/RS」

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