今江克隆のルアーニュースクラブR「マッディウォーターでのビッグベイトの威力と可能性〜KOK参戦レポート〜」の巻 第1078回
今週は、霞ヶ浦、利根川水系全域で開催された「バサーオールスタークラシック キングオブキングス(以下KOK)」に出場してきた。
「KOK」とは、コロナ禍で開催ができないバサーオールスタークラシックのスピンオフトーナメントとして企画されたもので、オールスターの歴代優勝者9名のみで競われ、全員に記者が同船、上位4名はトーナメント開始前から終了までYouTube「つり人チャンネル」で完全ライブ配信&実況解説される、初の試みとなる視聴者参加型のトーナメントである。
自分自身、バサーオールスターは「諸事情」で琵琶湖大会2連覇後から参戦を見送っており、今回は実に29年ぶりの参戦となった。
その諸事情と29年ぶりの参戦に至った経緯は、偶然なのか、意図的なのか、全てライブ配信されていたようで、釣り以上に興味のある方は「釣り人チャンネル」のアーカイブでご覧になれるかもしれない。
この「KOK」の自分の釣りの全てはすでに2日間ライブ配信で包み隠さず公開されているので、「釣り人チャンネル」、年末発売のバサー誌で記者目線のインサイドストーリーを含め、詳しく紹介されると思うのでここでは割愛しておく。
ビッグフィッシュパターン探しに全集中
今回「KOK」の出場は、TOP50最終戦後ギリギリに決断したこともあり、練習は荒天もあり、実質5日間しかできなかった。
これは利根川全域、霞水系全域がエリアとなり地元WBS選手も出場するオールスターエリアではあまりに少なすぎる練習日程だ。
しかも通常オールスターが20名枠なのに対し、「KOK」はわずか9名、しかもリミットは3尾ゆえ、優勝以外の上位入賞狙いに意味がないことは、最初から明白だった。
ゆえに5日間の練習では、エリアを自分がTOP50で知りえるエリアに絞ったうえで、ビッグフィッシュ一本勝負のパターンを集中的に探すことに徹する覚悟での参戦となった。
厳しいからこそ「ビッグベイト」
今回、12月開催となった霞水系の状況は、先週の記事でも触れたとおりJB霞戦のノーフィッシュ率84%以上という自分の知る限る過去最悪の状況で、結果的に「KOK」も琵琶湖全域に匹敵する広大なエリアに9人という少人数にもかかわらず、4人が2日間ノーフィッシュという稀に見る厳しさとなった。
この状況の中で、練習も過去最短で地元強豪を相手に、自分に1%でも勝機があるとすれば、それは3尾のリミットメイクが自分にはまず不可能な状況であることは練習3日目であきらかになった以上、残る3日の練習でビッグフィッシュを複数本仕留められる方法を探すしか時間的余裕はなった。
12月、水温は10〜13度の低水温、エリアは過去実績限定、強風、ビッグフィッシュ限定という条件を考えれば、状況に合わせるのではなく、自分が平時から得意としている釣り方でわずかでも勝機があるとすれば、それは一見無謀な「ビッグベイト」しか思い浮かばなかった。
幸いにも、様々なビッグベイトを試しているうち、常時大切にずっと持参していたわずか1個のルアーを久々に試した時、思わぬバスからの反応を得ることになった。
それが、かつてイマカツWEBSHOPで極少量販売していた「外貼り白夜光貝のアンドロイド改」だった。
もともと自分の経験的にビッグベイトは12〜4月のクリアウォーターの低水温期に強いルアーで、今江的には超スローに動かせる大型サスペンドジャークベイトのイメージで使うことが多い。
その大きさゆえに目視で使うことがほとんどで、ゆえにクリアウォーターでの出番が当然のように多くなる。
マッディウォーターのフォールドでの出番が少ないのは、ひとえに「ルアーが見えないから」という要素が大きかったからだ。
自分にとってビッグベイトを使ううえでの一番重要なことは、常時でなくとも、位置把握、動き確認ができる範囲で「ルアーを目で追えること」である。
それが可能か不可能かでは、ビッグベイトを使ううえでの「集中力」と「仕掛け方」が全く違うレベルになるからである。
ここで重要なキモは「常時でなくとも」にあるとだけいっておこう。
練習での気づきと本番中の気づき…