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アオリイカを簡単に釣る方法をコッソリ教えます【エギング超入門】

連載:トモ清水「ガッ釣りソルト」
寄稿:トモ清水
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連載「トモ清水のガッ釣りソルト」第149回
『アオリイカを簡単に釣る方法をコッソリ教えます』

トモ清水(Shimizu Tomo) プロフィール

20年以上ロッド開発者として釣り具業界に携わるスーパーマルチアングラー。ロッド開発を手掛けたブランドは、国内、海外、自社、OEM問わず、20社にも及ぶ。現場主義、実績主義をモットーに全国各地、世界各地、釣りに飛び回るガッつり系。常に自然と魚をリスペクトし、次世代の楽しいものづくりに挑戦し続け、世界トップクラスのロッド開発者を目指す。1977年9月生まれ。本名は清水智一(しみず・ともかず)

こんにちは、トモ清水です。台風が日本列島を抜けた今、全国的に秋本番のカラっと晴れた気持ち良い秋晴れが続いていますね。
秋の代表的な人気の釣りがエギング。新子シーズンだけあって、ビギナーの方にも釣りやすく、数釣りが楽しめます。わたくしトモ清水も実家の石川県・能登で、この秋イカベストシーズン、陸っぱりをメインに楽しんでいます。

どちらかというと、今はガッツリというわけではなく、美味しく食べられる分だけ釣って、楽しくのんびりとエギングを楽しむスタイル♪ そしてスピニングの釣りに飽きたらベイトフィネススタイルに!
釣りをした後はお決まりの温泉みたいな。そんな感じです♪

ただ、実際に釣りに行くと、このシーズンは、どこも人でいっぱい。老若男女問わずエギングを楽しまれる方が多いゆえに、あまり釣れない…、人混みでポイントに入れない…ってことも。

できれば、それは避けたいですよね!

正直、エギングは難しく考えなくともOK!

というわけで、今回はもっと簡単に釣れる方法をこっそり教えます!
去年も同じテーマで記事を書いたところ、大きな反響をいただきましたので、去年のおさらいと+αな感じで第2弾としてお伝えしていきます。

 

アオリイカをエギで簡単に釣る方法+α INDEX

 

アオリイカをエギで簡単に釣る方法
「エギのロストを最小限に抑える」

さて、アオリイカを簡単に釣る方法ですが、まず挙げたいのが「エギのロストを最小限に抑える」こと。そうすることで簡単に釣果UPが望めます!!
実はアオリイカをもっと簡単に釣る上で、これが一番実践して欲しい内容だったりします。
釣れない原因の一位はトラブル! 根掛かりをはじめ、ライン絡み、エギロストを防げば、もっと簡単に釣れます♪

秋はエギをボトム(底)まで着底させる必要はない

エギをロストする時は、ほとんどの場合、ボトムの障害物に引っ掛かりロストするというパターン。
なので、単純に底までエギを沈めなければ、エギを無くすことはほぼありません。

ボトムまで沈めないと釣れないのでは!? と思うかもしれませんが、秋は、中層はもちろん、時には表層を攻めるだけで十分に数を釣ることが可能です。

やはりエギをロストすると、お財布にも優しくありませんし、何といっても環境によくありません。また私はむやみにPE0.5号とか細いラインも使わない方がイイと考えていて、最低でも0.8号以上を使用することを推奨します。

0.8号以上のPEだと、仮に海藻にエギが引っ掛かっても、カンナと呼ばれる針が伸びて回収出来る確率がグッと上がりますから! また伸びた針はまた簡単に元に戻せます。

 【ここでビギナーのためのワンポイント】
秋に限っては底までエギを沈めなくとも十分に釣れます

「エギはまずは着水後、ボトムまで一度沈めよう」というのはエギンガーの常識!?

いやいや、秋に限っては底までエギを沈めなくとも十分に釣れます!

むしろ初心者にとって「底を取る」という行為は、根掛かりしてください、といっているようなものだと感じています。
ナゼならスムーズに底取りを行うには、ラインテンションをチェック、ラインメンディング、スプールサミング等のテクニック、スキルが必要だからです。

「そろそろボトムにエギが着くな」とか「今ちょっと海藻に触ったな」などは、経験からくる感覚的なものも重要になってきます。

でも、これはやはりある程度の経験が必要で、これから釣りを始める方にはちょっと色々求めるのは酷かと思います。
私が子供や女性の方にエギングを教える時の話ですが、底を取ろうとして、知らず知らずのうちにエギが潮に流されたり、ラインが風で流されたりと、これらが原因でエギの根掛かりが頻発してしまいます。
すると、こういったトラブルで、場荒れ、時間ロス、アオリイカがエギに警戒…と、簡単に釣れなくなります。

アオリイカ漁師に聞いても「わしらは中層しかエギを曳かん」と言っていました。
当然、エギを無くさないので何年も同じエギを大事に使われるそうです。

 

エギのロストを抑えるために
PEラインは0.8号以上を使うべし!

0.8号以上のPEラインを使うことでエギのロストを最小限に抑えられます。むしろ抑えるべきだと私は思います。結果、環境にも優しいですし、またリーダーを結ぶ手間も省けて、効率よく釣りを楽しむことが出来ます。

現場で釣れない方を観察していますと、やはり釣り始める以前の問題で、ライン絡みや根掛かりなどのトラブルが多発していることが多いと思われます。
リーダーも7Lb(1.75号)より太いフロロカーボンラインを使用しましょう。

【ここでビギナーのためのワンポイント】
根掛かりを回避出来るスキルを持ってはじめて0.5号といった細いPEラインを扱える

根掛かりを回避出来るスキルを持った上手な釣り人がはじめて0.5号といった細いPEラインを扱える、と考えた方が良いでしょう。

やはり細い方が潮切り良く、潮流にも影響されにくいのでエギをコントロールしやすく、慣れたら武器にはなります。

さらにアオリイカをエギで簡単に釣る方法としてご紹介したいのが以下の3点

・風が強いポイントを避けるべし
・早いテンポでエギを操作しよう!+αただ巻きもあり!
・エギを無くさない=もっと釣れる

順番に説明していきますね!

風が強いポイントを避けるべし

「風が強いポイントを避ける」のをオススメする理由は、やはり強風下ではアオリイカを釣るのがグッと難しくなります。理由としては、ラインが風に流されてアタリが取れない。あとラインが風に流されて、エギのフォール姿勢が乱れてアオリイカが警戒してエギを抱かなくなる。エギが飛ばない。といったことが挙げられます。

どうしても風の中でエギングをしなければならない状況であれば、風向きに対し、逆風でも追い風でもラインが横に流されない真っすぐな方向にキャストするしかありません。逆風でエギが飛ばなくても、ラインが横に流されるよりかはマシです。ラインを真っすぐに張ることを心掛ければ釣り易いし、必ず釣果につながります。

早いテンポでエギを操作しよう→活性UP

続いて「早いテンポでエギを操作しよう」についてですが、フォール時間を短縮し、エギをクイックに操作することで、イカの活性が上がり、テンポよく数を伸ばすことが出来ます。クイックにエギを動かすことでイカに見切られないようにする目的もあります。

実はエギングは、ジギングやワインドと同じ原理で、イカや魚がエギもしくはジグに捕食しようと近づいたところで、またクイックにルアーが逃げていくので、それを逃がすまいと、さらに捕食スイッチが入っていきます。実際にサイトでカマスを狙っていると、最初ニュートラル状態でも、しつこくワインドダートさせていると徐々に魚のスイッチが入っていくのが見てとれます。

【ここでビギナーのためのワンポイント】
遠くで掛けようとせず、まずは手前にイカを寄せる

アオリイカを獲る漁師さんやエギング名人に聞いても同じことを言います。その内容がこちら。

キャストしてまずは遠くからアオリイカを手前に寄せて「遠くでは掛けない」ようにします。
理由としては、イカが吐く墨。やはりこれは他のイカを警戒させてしまいますので、まずは早いテンポで、イカにエギを抱かせることなく、手前に寄せて活性を上げた状態をいかに作り出すかが重要。寄せて活性を上げたあとに、はじめてエギをしっかり見せて(止めて)、数を伸ばしています。

エギングを極めている方は、イカがマジックに掛かったように、いとも簡単にエギを抱く状況を作り出すのが上手いわけです!

ちなみにトモ清水はガマンできずに、すぐに沖で掛けてしまうことも多い(笑)
さらにシャクリもあまり重要視していないので、そんなに上手くありません。

シャローでは「タダ巻き」するのも効果的

テンションフォールやフリーフォールといった、シャクった後のフォールがエギングにおいて基本ですが、フォールの代わりに「タダ巻き」も非常に効果的です。ただ巻きはあまり知られていないような気がします。

エギングはどうしても華やかなシャクるという動作に目がいきがちですが、最も大事なのはエギを動かした後のエギの姿勢です。

アオリイカはシャクっている途中にエギを抱いてくることはほとんど無いと思っていただいて大丈夫です。それゆえにシャクった後の動作が重要で、ただ巻きは、安定したエギの姿勢を出しやすいので、アオリイカは逃がすまいとばかりに躊躇なくエギを抱いてきます。

特にこタダ巻きメソッドは、水深の浅いエリアで有効です。単純なゆっくりとしたタダ巻きでよいのですが、時々エギをシャクって動かして、その後にただ巻きしてあげましょう。

フォールさせる場合は、しっかりと糸フケを取って少しラインを張って、エギの姿勢を整えてからフォールさせていきましょう。

テンポが速いエギングってどんな感じなのか?
ぜひ動画をチェックしてみてください

秋のオススメ、エギングタックル

ロッド:Abu Garcia SaltyStyle Eging(ソルティースタイル・エギング)STES-832ML-KR,862M-KR
開発中のNEW SaltyStage Prototype (ソルティーステイージ・プロトタイプ エギング)XEGS-832ML、802UL-ST、882LML-S

リール: Abu Garcia ZENONゼノン2500SH
ライン:Berkleyスーパーファイヤーライン・ウルトラ8 号数0.8号
リーダー:Berkleyバニッシュレボリューション7lb以上
エギ:2.5~3.5号、ピンク、オレンジ、アジカラーなど(3号がメイン)

ソルティーステイージ・プロトタイプにはグもちろんエギングモデルも4機種ラインナップ

今年の秋、10年振りにフルモデルチェンジするそうでソルティーステージですが、もちろんエギングモデルも4機種ラインナップされています。来年2022に発売予定ですが、2シーズンしっかりとテストした結果、非常に完成度の高いロッドに仕上がりました。是非ご期待くださいませ。

スペシャルサイトはこちらっ
https://www.saltystage.jp/

 

ラインはめちゃくちゃ飛距離の出るスーパーファイヤーラインのウルトラ8がオススメ!
太さは0.8号が標準でオススメです。エギングの釣果UPは飛距離UPも大事です。

 

釣り場が混んでいる時の簡単に釣る方法

さて、今度は釣り場が混んでいる時の簡単に釣る方法をご紹介したいのですが、以下の方法が挙げられます!

・広大なサーフで、サーフエギング
・漁港に隣接する磯場へ移動
・時間帯をずらす
・船に乗る

なぜ上記の方法がオススメなのか? ですが…

サーフは人が少ないけど、活性の高いイカと出会える確率は大!

まず広大なサーフですが、キャパが広く、人混みで入れないことはほぼありません。
しかもサーフに回遊してくるアオリイカは食い気満々で活性が高く、すぐにエギに反応することが多くので狙い目なんです。

ただし広大なサーフでは、シモリやかけ上がり、海藻などアオリイカが居付くポイントや回遊ルートがありますので、アタリが無い場合、すぐに移動して、足を使って広く探っていきましょう。やり込むと自然とアオリイカが釣れる、集まるポイントが分かるようになってきます。

港が混雑している時は、港に隣接する小磯に注目

続いて「漁港に隣接する磯場へ移動」するのがオススメな理由ですが…

漁港や堤防はすぐに人がいっぱいに。そんな時は簡単にアクセス出来る港に隣接する小磯に思い切って移動しましょう。それでも結構、磯に人が入っているケースもこの時期ならではなのですが…混雑している港よりも釣れる確率は上がるはずです!

真っ昼間もチャンスアリ

仕事前、後の朝マヅメ、夕マヅメは、やはり混み合います。
そんな中、意外と人がすいていて釣果も出るのが真っ昼間!

マヅメ時でない時間も回遊等でパタパタっと釣れたりしますし、人が一度攻めた後にもフレッシュなアオリイカが回遊することもありますからね。
ちょっと時間帯をズラしてみましょう。

 

最終的な方法としてボートエギングもオススメ

最終的な方法としては船に乗ります(笑)。
ティップラン等で効率的に数釣りが出来ますので、忙しい方にもオススメ。エギング歴が長い知人達も、最終的には船に乗ってエギングを楽しんでいるケースも多いです。船には船の楽しさ、楽しみ方がありますからね♪

以上が、エギで簡単にイカを釣る方法です!

さて、そんな方法でイカを釣ったら、おいしくいただきたいですよね!
ここからは私がよくやっている、簡単で美味しくイカをいただく方法を2つご紹介!

 

アオリイカを簡単に美味しくいただく方法

アオリイカの沖漬け

アオリイカの調理方法として、刺身、てんぷら、バター炒めなど美味しいものばかりですが、簡単で美味しくいただく方法としてオススメなのが「アオリイカの沖漬け」。

アオリイカの沖漬け! のやり方・動画

 

「醤油:みりん:日本酒=1:1:1」の割合で作った沖漬け用のタレに、アオリイカを生きたまま漬けるだけの簡単レシピ。

沸騰させて日本酒のアルコールを飛ばす工程がありますが、私はその工程を抜いていますので、さらに手間をかけずに簡単に作れるのがポイント。生きたまま漬けれるのは、釣り人ならではの特権ですね!

そして漬けたイカは、」その日に食べられます。短時間でも意外と味はしっかり染み込んでいますよ。

背骨とトンビ(クチバシ)、目玉だけ取り除けば、角袋、内臓すべて食べられます。皮も取り除く必要はございません。ビールが進みますよ~♪

簡単・アオリイカの漁師めし

続いて、こちらも簡単な食べ方。簡単・アオリイカの漁師めし です!

内臓は取り除きますが、皮を剥ぐ必要がありません。

しょうが、ミョウガ、青シソを刻んで、「追いがつおつゆ」のようなカツオベースの「めんつゆ」をかけるだけ。こちらもアツアツの炊き立てのご飯も進みます!

 

エギング+α、釣りを楽しむ方法

ベイトフィネスタックル&ガルプ! ワームで根魚が高確率で釣れます

私はエギングに行く時、必ずといっても言いほど持参するのが、ベイトフィネスタックル! なぜかというと、エギのポイントを休めたり、気分転換するために使うからです!

アオリイカポイントは根魚ポイントでもありますので、ベイトフィネスタックルでガルプ!などワームを投入するとカサゴ、キジハタはかなりの確率でヒットしてきますよ♪

これでイカの刺身+根魚の刺身を加えることが可能です。ぜひお試しあれ!

 ガルプ!サンドワームで刺身に出来るサイズのカサゴをGET!

キジハタもエギにもヒットしてくるくらい、この時期、大チャンス!
狙わないともったいないですよ!

 

ベイトフィネスタックルでイカを狙うのも新鮮で楽しいですよ!

正直エギングをやり過ぎて、マンネリ化しているので、飽きたらベイトフィネスで楽しむのがトモ清水流! 年を重ねると、量より質を自然と求めるようになるのかな~?

しかも使うロッドはスローテーパー。マニアックな感じがするかもしれないけど、実はスローテーパーのロッドの釣りって、超楽しんです! ぜひ体験してもらいたいと、いつも心の中で思っています。

秋のおススメ、ベイトフィネスエギングタックル
~少し普通のエギングに飽きた人にもピッタリ~

ロッド:Abu Garcia Eradicator Baitfinesse(エラディケーター・ベイトフィネス)EBTC-772ULT-ST
リール: Abu Garcia REVO ALC-BF7
ライン:Berkleyスーパーファイヤーライン・ウルトラ8  号数0.8号
リーダー:Berkleyバニッシュレボリューション7lb以上
エギ:2.5~3.5号、ピンク、オレンジ、アジカラーなど(3号がメイン)

 

将来、もっと簡単にエギングを楽しむために!
・釣り場にゴミを捨てない
・小さいイカはリリース

今年、能登でエギングをしている時に、地元の漁師さんに話をお聞きしてみると…。

やはり地元の住民の方が一番困っているのは、ゴミ問題。
釣りブームや流行で、釣り人が多くなるとゴミ問題等で釣り場が閉鎖されるケースが全国各地で発生しています。また漁師さん達の邪魔になるような無断駐車は必ず避けなければなりません。

こういったマナーをしっかり守ることで釣り人のフィールドが確保され、結果アクセスの良いフィールドで簡単に釣りが楽しめるようになって、釣果が得られます。

また、小さいイカや魚をリリースすることも心掛けたいこと!
その漁師さん曰く「釣り人が獲る量はたかがしれていて、問題なのは計画性のない漁で、ベイトとなる小魚を大量に網などで獲ることだ」と仰っていましたが、それでも釣り人の出来ることとして、小さなことでも実践していきたいですねっ!

 

もっと簡単に釣れる方法ということで書いてきましたが、結局、脱線しつつ色々書いてしまうのがトモ清水の残念なところ。

まぁでも、今回の要点は、エギを無くさないこと。これが一番の釣れる近道だと思います。

トモ清水でした!
See you next time!