天龍のスーパーライトおよびライトジギング系ロッドのフラッグシップシリーズが「ホライゾンプログレッシブ」。
ベイトロッド4機種だったのに加えて、2021年にはスピニングモデル2機種が追加されました。
追加されたのはHPG612S-MとHPG642S-LLの2機種で、前者HPG612S-Mはライトタックルで「どこまで大物に挑めるか」を提供する限界チャレンジモデル。一方のHPG642S-LLは超繊細なロッドで、いわゆるスーパーライト系にマッチする機種でした。
そして、10月中旬に登場予定となっているスピニングモデルが天龍公式webサイトにも掲載されました。
ホライゾンプログレッシブHPG632S-MLネギングカスタム
それが「HPG632S-MLネギングカスタム」。
その名の通り、ズバリ、「ネギング」用スピニングロッドです。
ネギングについては後述するとして、まずはHPG632S-MLのスペックから紹介します。
モデル | レングス ( m [ft]) |
継数 | アクション | 仕舞寸法(cm) | ルアーウエイト(g) | ベスト(g) | PE (号) |
ドラグMAX(kg) | リアグリップ長(mm) | 先径(mm) | 自重(g) | グラス/カーボン(%) | 価格(税別) |
HPG632S-ML | 1.90[6’3″] | 2 (O.S.H) | RS | 141 | MAX150 | 120 | MAX2.0 | 3.0 | 500 | 1.8 | 112 | 92/8 | ¥53,000 |
天龍公式ホライゾンプログレッシブ詳細ページはこちら
スピニングによるネギング
ネギングとは根魚を狙うジギングということで、根ギング。
これをスピニングで行うわけだが、キャスト(といっても軽いアンダーハンドキャストでOK)からボトム着底、基本はハーフピッチジャークでジグを飛ばし過ぎず、かつジグが連続してヒラヒラとテンポよくアクションするように誘っていく。
何度か誘ったら、一旦ボトムまで落として繰り返し。手前まできたら回収してまたキャストから…という流れです。
スピニングによるネギングとHPG632S-MLについての解説は天龍スタッフブログにも詳しく解説されています。
http://blog.tenryu-magna.com/?eid=1874
タックルは、リールはダイワなら3000~3500番、シマノならSW4000~SW6000番クラス。メインラインをPE1.5~2号とし、リーダーはナイロン35~40lb2~3ヒロ。ナイロンを推奨しているのはフロロがダメということではなく、新しい釣りであり、まだまだ発展途上でもあることも踏まえ、よりライト層がエントリーしやすい、キャスト時のトラブルが少ないナイロンという意味だそうです。
エントリー自体はさほど難しい釣りではなく、キャスト、ハーフピッチジャークで手前まできたら回収。
舟木雄一さんによる実釣動画も公開されているので、こちらも参考にしていただきたい。
山陰から徐々に火が付き始めているネギング。まずスピニングによるメリットというのは、シンプルに投げやすいのがひとつ挙げられる。
では、なぜ投げるのかというと、まずバーチカルに誘うより広くジグを見せられるという点があります。
バーチカルでは落ちた先でしか、ジグを見せられないのと、場合によってはボトムの根や障害物が陰になって、魚がジグの存在を認識しないことがあります。
そこでキャストから横引き(斜め引き)することで、より広く根魚にアピールできると。
また、ボトムから基本的にはリズムよく誘っていくため、活性の高い個体が根から離れてジグを狙ってきます。
そうした個体をバァーッと拾っていきやすく、バイトもガツンといきなりひったくることが多く、つまり…「面白い」というのが魅力。
もうひとつ加えると、基本的には継続的に誘い続けていくため、ある程度の中層まで誘うわけで、ヒラマサなどの大型青物がバイトしてくることもあります。
ネギングカスタムの特徴
上記をふまえた上で、ホライゾン プログレッシブ HPG632S-ML ネギングカスタム(以下ネギングカスタム)の特徴を見てみます。
ネギングカスタムはホライゾンプログレッシブの中でも、個性が際立つ。
まず、ブランクはレギュラースローテーパー。全体的に張りを持たせていて、バットにはC・N・Tを搭載。
バットの強さはもちろん、大型根魚やヒラマサなどにもライトタックルで対峙できる安定感をもたらします。
また、マグナフレックス製法は採用されていない。
なぜか? マグナフレックスは弾性(や種類)の異なる素材をスムーズにつなげるテクノロジー。ティップセクションだけをしなやかにすることも可能です。
しかし、スピニングのネギングにおいて、連続してヒラを打つようにジグをアクションさせていくため、ティップの繊細さ(しなやかさ)より、よりダイレクトにジグを操作できる点を重視。
また、基本的には「上げ」の釣りで、フォールバイトは偶発的にはあるかもしれないが、基本的には「追わせて追わせてガツン」というのがパターン。そのために、わずかなフォールバイトを取るという部分はそこまで重要視されない。
要はアグレッシブに誘って、ガッツーンと根魚、底物、時に青物がくるというメチャクチャ爽快・豪快な釣り。
そのためにマグナフレックス製法は、ネギングカスタムにおいては不要という判断となっています。
そしてグリップ長。シリーズ最長の500mmとなっていて、これは対大型青物など、不意のビッグワンにストレートポンピングで対応しやすくした設計。
基本的には誘う、掛ける、そのまま竿を曲げてファイトするのだが、上記の通り、時にとんでもない大型がヒットすることもある。
本来的なパワー的にはライトジギングロッドなので、そうした大型魚が掛かった時にストレートポンピングで寄せてきやすい仕上がりとなっているわけです。
というわけで、ホライゾン プログレッシブ HPG632S-ML ネギングカスタムをご紹介してきました。
何やら長々となってしまいましたが…、改めて伝えておくと、釣り自体は難しいモノではなく(差は出るけれど笑)、メチャクチャ分かりやすい楽しさがある。
そんなスピニングのネギングの魅力を伝えてくれるロッドがネギングカスタムということです。