ダイワフィールドテスター・清水一成さんによる「スロージギング講座」第三弾は、誘い方。
誘いについても、どれがイイという確実に決まるセオリーはなし。さらに、ある程度コンビネーションで組み合わせることも多い。
ということで今回は、実際のロケで清水さんが実際に行っていた代表的なアクションをご紹介します。
現場では色々と試してみることが大切です。
基本的な「対根魚」アクション
ロケでのフィールド状況としては、根魚がメイン。ということで、必然的にボトム中心の攻めとなります。
清水さんの基本的な攻略法としては…
①ボトムから5mほどまでを重点的に
②比較的ジワ~ッと優しく入力
③時折、そのレンジより上まで巻き上げて落としていく
上記①に関しては、レンジの話で根魚主体であれば、当然といえる。
また、優しく誘う。ジグを大きく飛ばさないように持ち上げて落とす、というのが根魚に効果的。
③に関しては、根魚が上からフォールするものを強く意識しているから。時折、小幅なシャクリを入れながらテンポよく巻き上げ、再度フォールさせるとよい。
リセットの意味もあり、落としなおすとイージーに魚が反応することもあるそうだ。
入力の時のリールは、ハンドル6分の1ほどで非常に細かくボトムから探っていました。意外と、この小刻みにレンジを探るというのが、次投以降のヒントになることも多いそうだ。
また、時折清水さんが行っていたのが「その場で上下」。具体的にはリールは動かさず、持ち上げて落とすというアクションを同一レンジで何度か行い、その後に強めの入力というパターンも。
ライン角度がついたら回収・再投入
もうひとつ、重要な点としてはライン角度。
この日、基本的にはドテラで船を流していたのだが、ライン角度がついてくると清水は即回収、再投入を繰り返していた。
この理由は…。
「ライン角度がつきすぎると、入力した際にジグがテッペンまできた後、すぐに元の位置に戻ろうとしてしまいます。ギュッと入力した際にジグが上がって一瞬止まる、その間が取れなくなってしまいます。〝ジグを置く〟なんて言いますけど、スロージギングは肝になるのがフォールです。ジグを置けないと、キレイにフォールが入りにくい。言い換えればジグを置く、そこからキレイなフォールが入ってさまざまな魚が釣れます。そのためにはラインが張りすぎる(角度がつきすぎる)のはNGです」
ここは勘所で、ジグを入れてからずっとそのままアクションをさせていると、特にドテラ流しでは肝となるフォールが入らなくなってしまうということです。
そういった意味では、スローとは名ばかりの、結構こまめに色々と調整・回収・再投入をしていく釣り。
今回メインタックルとなったキャタリナSJとティエラA ICの組み合わせは総重量で350gを切っており、一日それをやり続けることができる軽さは大きなアドバンテージ。
ジグをあえて飛ばす
根魚系が中心ということで、基本的にはボトムを丁寧に探りながら…というアプローチは上記の通り。
ただ、立て続けに同じ魚が釣れてきたら、あえて強い入力・ジグを飛ばすといったアプローチに変えてみると、違う魚がヒットしてくることも。
実はこのチカメキントキは、優し~い根魚仕様の入力ではなく、強めのアクション。
ボトムから強めの入力でジグを飛ばして、飛ばして、飛ばして…優しいフォールでヒットしてきた1尾。
スロージギングは、さまざまな魚種が釣れるのも魅力で、こうした違いで魚をある程度狙い分けることも可能。
もちろん、まずは色々と試してみるだけでもいい。それだけで色彩豊かに魚が釣れるのはうれしい。
ちなみに清水さんによれば、強めの入力でレンジもあえてボトム付近は早めに通過させ、やや上のレンジを狙うと良型のマハタなど遊泳力の強い魚がヒットしてくるそうだ。
もちろんジグによるところも。根魚系主体なら、フォールがある程度スピーディーに落ちるタングステン系を使うとよいが、同じ魚が多く釣れてきたら、ジグを置く時間がより長く、アピールも強い鉛タイプのジグを投入してみると釣れる魚がもっとバラエティーに富んでくるかもしれません。
これに加えて、その日使用しているタックルで感じる、ジグの抜け感だったりを調整していくことで、さらなる釣果が見込めますよ!