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今江克隆のルアーニュースクラブR「初公開!IxI THE NEXT 詳細〜ミノー、シャッド、クランクではない新ジャンル誕生!?〜」の巻 第1036回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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もう一つのType-2

そして、もう一つのType-2、こちらは実に2年に亘って難航した。

もともと不安定さがダートの切れとなるシャッドは、裏を返すと直進性には優れない特徴を持つ。

自分が新たにType-2にオファーした性能は、「着水直後」から超高速巻きで破綻せず、ボトムに接地しても斜め浮上しないで即直進に復帰する性能である。

実はこの性能、イマカツに2つ同様の性能を持つルアーがあった。

1つは「ワスプ55」、もう一つは「リップライザー60」である。

この性能は特にクリアレイクや、シャローの見えバスのスイッチを入れたい時に有効で、全開で巻いても水面に破綻したり、ボトムに当たってムーンサルトしないことが最大条件になる。

実はこの性能、現代の主流であり必須とも言える「重心移動」なき時代には、自然に備わっていた性能でもあるのだ。

いわば重心移動による飛距離と引き換えに失った性能とも言える。

ゆえに「ワスプ55」や「リップライザー60」は固定重心、下面に角度の付いたリップゆえになしえる直進性でもあるのだ。

その引き換えに、「ワスプ55」や「リップライザー60」も、ベイトタックルで投げることは非常に厳しい。

自分がType-2に要求した性能は「全長60mm未満、ベイトで気持ちよく投げられて、全速全開で破綻しない直進性と素早い復元力、そしてMAX1.2mダイバーのシャッド」、同時に「気持ちよい巻き感を損なわないこと」だった。

気持ちよい巻き感を損なわないとは、即ち「ミノー」にならないこと、あくまで「シャッド」の巻き感があることである。

難航するType-2

このオファーの実現は難航した。

当初は現行のIxIボディを活かす方向から模索したが、LBOを搭載することが逆に着水即高速巻きに対応できないデメリットもでてきた。

LBOに変わる形状を模索し、2020年フィッシングショーでは形状をガラリと変えた新型IxIの試作公開に至ったが、今度は直進安定性を重視するがゆえにシャッドではなく、「クランクのアクション」になってしまった。

一番上が2020年のフィッシングショーで参考出品されたIxIフューリアス。ここから非情のNG連発で半年かけて大きく変化していくことになる

見た目理想的なシャッドにすればするほど直進性は劣り、しかもLBOを搭載しなければシャッドライクなボディでは飛距離は悲しいぐらいに飛ばなくなる。

一見すれば一番「売れそう」に思うシャッドの形。しかし、全てが普通。自分も伊東氏もこれに魅力を感じることはなかった

LBO無しで飛距離を出そうとするとファットなクランクアクションへとなってしまう。

ありとあらゆるボディとリップ形状の組合せを幾度も試したため、試作はワケがわからないほど多種多様に及んだ。

ありとあらゆるリップ形状を試作しては試してきたが、「Type-R」の個性ある動き、「Type-3」の優秀なバランスに比べ、「Type-2」はいまひとつパンチに欠けた

そしてType-2開発は2020年4月下旬以降、TypeX共々、まるで緊急事態宣言ようにメガバスからの回答がピタリと止まってしまった。

正直、夏が過ぎた頃に、もはやこの企画は挫折したのか…と思いかけていた。

そして半ば諦めかけていた2020年11月、緊急事態宣言が解除されたかのように、「もう暫く待って欲しい」と伊東氏から突然連絡があった。

伊東由樹氏から突然の連絡!

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