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今江克隆のルアーニュースクラブR「初公開!IxI THE NEXT 詳細〜ミノー、シャッド、クランクではない新ジャンル誕生!?〜」の巻 第1036回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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伊東由樹からの手紙

この時、開発の方向性を全く別のベクトルに転換していたことを、その長文の手紙で初めて知った。

手紙には結果が出るまで中途半端なモノは出さないと言う信念が記されていた。

オイカワ型の「IxI FURIOUS(フューリアス)」初期プロトに関する伊東由樹氏の直筆手紙の一部抜粋。半年間の苦悩と回答がアングラーとしての視点でも書かれていた

そして2020年12月、年の瀬も押し迫った頃、伊東氏から再び長文の手紙と共に半年振りのプロトルアーが届いた。

箱を開ける時のドキドキ感はまるでクリスマスにサンタクロースからもらうプレゼントの気分だった。

そして箱を開け、プチプチに巻かれたルアーを開けた瞬間、自分の正直な第一印象は「なんじゃこりゃ???」、「キモ〜っ!!」だった。

その姿は、従来のIxIとは似ても似つかぬ、まさに「なんじゃこりゃ?」としか言いようのない、初めて見るカタチだった。

シャッドでもなく、ミノーでもない。強いて言えば往年の名作「シャローラビット」を少し髣髴させる異形のルアーだった。

初めて手にした時の印象は「なんじゃこりゃ???」と「キモ〜っ!!」。一瞬、一世を風靡した「シャローラビット」を思い出させた最新の「IxI フューリアス

伊東氏はこれを「シャイナー」と呼んだが、最初の「なんじゃこりゃ?」の衝撃は、アツくしたためられた手紙を読むにつれ、考え抜かれた末の「オイカワ」のデフォルメ形状に見えてきた。

プラグの理論的解説は、まさに往年のメガバス伊東節だったが、20年余りルアービルドに係わって来た経験から、その内容が決して机上論ではなく、よく考えられたものであり、共感できるものだった。

根拠のある造詣と自信、「なんじゃこりゃ!」と言う突き抜けた驚きと意外性あってこその、往年の宿敵、「メガバス」なのである。

その自信はここに掲載する手紙を読めば伝わるものがあると思うので、敢えて「無許可」で伊東氏直筆の手紙をここに公開しておこう。

オイカワ型「フューリアス」最新プロトに関する伊東由樹氏の手紙抜粋。言下にアツい自信と信念が読み取れる

イマカツで最も「IxIフューリアス」に近い能力をもつのが「リップライザー60」だろう。「IxI フューリアス」はこのサイズ感で、LX992Z&スーパースティード66MLで難なく遠投でき、明確なシャッドライクな巻き感がある

「IxIフューリアス」を使ってみた!

こうして、年末ギリギリのタイミングで届いた2年にわたる「IxI Type-2」は「IxIフューリアス」として、私の手に判断を委ねられた。

そして年明け、どうしてもその実戦能力を早急に試したくなり、大寒波豪雪被害でとんでもないことになっている北陸道を経て石川県のドリームレイクに強行テストに向かった。

その結果は、手紙の内容、自信を裏付けるに十分なものだったと記しておきたい。

管理釣り場とは言え、朝の気温は氷点下5度、日中3度のまさに雪国極寒の極み状態のドリームレイクで、バスは本当に延々と無限に釣れ続けた。

大雪積雪氷点下のドリームレイクで延々とイレグイ。「シャイナー」と伊東氏が呼んだ理由がよく分かった

管理釣り場であっても、優れたルアーか、並みのルアーかを直感で判別する能力は、自分にはあると思っている。

その経験から判断しても、この「IxIフューリアス」はビルダー視点でも、プロアングラー視点でも、非常に面白く、興味深いルアーである。

管理釣り場とは言え、悪条件化、このルアーの持つポテンシャルの一端を理解するには十分すぎる実釣テストだった

詳細は、今後さらに微調整を実戦で煮詰めて報告するが、現時点で十分に実戦投入できる今までにない、シャッドでもなく、ミノーでもない、シャッドの振動とミノーのシルエットを併せ持つ「シャイナールアー」として新カテゴリーを確立する予感がしている。

現時点では、さらにMAX50cmダイバーを追加試作中で、その結果によってどちらかが先行デビューの可能性が高い。

伊東氏も文中で記述していたが、「IxIフューリアス」の大きさ、アクション、深度設定は、まさに中部~関東エリアにはとても使いドコロ、出しドコロの多いルアーである。

そして奇しくも同時進行していた「IxIシャッド TX」は、関西のリザーバーや川、琵琶湖、桧原湖などで極めて多用できる能力を備えている。

2年に亘った「IxI Type-2」の迷走から、Type-R、そしてType-3を超えて予想以上にエッジの効いたプラグへと変貌したTXとFurious、“2021 IxI THE NEXT”に相応しいルアーがようやく爆誕しそうだ。

ミノーでもなく、シャッドでもなく、ましてクランクでもない。IxI“The Furious”は、フィネスプラッギングの新境地を開くシャイナーである

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