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業界最軽量タックルが遂に登場⁉

連載:トモ清水「ガッ釣りソルト」

トモ清水(Shimizu Tomo) プロフィール

PFJ(ピュア・フィッシング・ジャパン)であらゆる魚種のAbu Garciaロッド製品開発を担当するスーパーマルチアングラー。ホームは、関東外房(フィールドテストで全国行脚するため、大阪、広島、九州、北陸すべてセカンドホームグラウンド)。趣味はサーフィン、スノーボード、キャンプと多趣味だが、釣りがダントツ。1977年9月生まれ。本名は清水智一(しみず・ともかず)

こんにちは、トモ清水です。

この時期は各社から新製品の情報が一斉に発表されます。新製品に注目が集まりますが、私達、開発者にとっても日頃、努力を重ねて作り上げた新製品の発表とあって、大事な時期でもあります。

リール、ロッド開発者にとって、タックルの軽量化、耐久性のUP、品質の向上などは永遠のテーマです。私達アブガルシアから今年、遂に技術の粋を集め、最先端素材を使用した、私の知る限り業界最軽量と言っても過言ではないNEWタックルをリリースする予定です。

ただの軽量化だと、さほど驚かないのですが、今回の凄いところは、リール、ロッド共に、軽量化と同時に相反する強度アップ、剛性感も向上させているところにあります。

今から4年前、アブガルシアからリアルフィネスという本当の繊細さを追求したタックルをリリースしました。

レボのMGXtreamの1000番が155g、リアルフィネスのロッドが53g、と合わせても約200gというリール一台分の軽さを実現したタックルをリリースし、非常に多くの方々にお使い頂き、今なお愛されております。

4年の月日が流れ、その間に着々とさらなる進化を求め開発がされていた極秘タックルを今年ついにリリース出来ることが決まりました。

まずはリールに関して、既に多くの情報が発表されているZENON(ゼノン)。そしてまだあまり情報が出ていない、リアルフィネスの進化版「リアルフィネスPrototype」が3機種、発売されます。

まずZENONですが、アジングやメバリングで多用される1000Sの自重は、何と142g!前作のMGXtreamから13gの軽量化に成功しています。続いてリアルフィネスPrototypeの4フィート6インチのモデルの自重は27gを予定。リールと合わせても169g、と超軽量リール一台分に匹敵する軽さ。持った感じ、ほとんどロッドを持っているという感覚はないほど。このリールとロッドを合わせての、この軽さは業界最軽量ばかりか、おそらく世界最軽量のタックルだと感じます。

では何故、ここまで軽く出来るのか?軽さ以外の進化したポイントを軽く説明していこうと思います。

ZENON(ゼノン)

ゼノンは新しい機能をたくさん搭載しています。

大きな部分では、スプールが新構造のエアフィンスプールで、大胆な肉抜きをしています。海水が入っても錆びないソルトシールドベアリングが搭載しているからこそ出来る肉抜きですね。またローター部はC6Vローターを採用し、C6というカーボン素材を利用した軽さはもちろん、慣性力を低くし、「スッっと回って、ピタッと止まる」構造になっています。

ドラグノブも従来より摘まみやすく、細かいドラグ設定が可能。ラインストッパーも2lbの細いラインから30lbの太いラインもカチッとしっかり止まりホールド出来ます。

このようにゼノンは探すと細かい新機能が盛り沢山で、実は軽さだけでなく剛性感も非常に高まっています。バスプロ、ソルトのテスター、皆口を揃えて、「軽さだけでなく、しっかりとした剛性感がある」というコメントを頂いております。

リアルフィネスPrototypeとは?

シャキッとしていて、飛距離も抜群。1g以下の軽いリグもストレスなく遠投出来ます

リアルフィネスの進化版、プロトタイプ。塗装やメタルパーツなど装飾を限りなく削ぎ落して、まるでプロやテスターが使用するプロト(試作)タイプのような仕上がり。塗料を一切排除した完全塗装レスとなっています。

無駄を削ぎ落していった結果、アブガルシア史上最軽量のロッドに。発売予定は3機種。

スローテーパーでワンピース仕様のERF-46Pro-ST。

ファーストテーパーで掛け調子、センターカットの2ピース仕様の、ERFS-51Pro-FSとERFS-60Pro-FSの3機種が、今年の7月くらいにリリースされます。5フィート1インチでも29gとアンダー30gを実現しています。

昨年1年間テストしてきて、一番重要視してきたのは軽さではなく、実は強度。やはり軽さだけ求めていくと、どうしても強度が犠牲になりがち。軽いけど簡単に折れてしまうロッドでは意味がありません。

そこで実践で何度も魚を抜いたり、様々なシチュエーションでテストしてきました。一番過酷なテストでは、基本的にアジングやメバルなどのライトゲームロッドですが、40gするティップラン用の餌木を装着し、水深50mで激しくロッドをシャクって強度を確かめたりと。そこまでして一度も折れなかったのでOKとしました。

軽さだけでなく強度も同時に改善したのですが、その秘密を簡単に説明していきたいと思います。

強度アップの秘密とは?

まずは現行の発売しているリアルフィネスは、アブガルシアの最先端技術TAF(タフ)製法という技術で作られています。

このTAF製法は、100%国産のカーボンプリプレグを材料とし、今までと全くことなる技法で作られています。グラスより強度の強いカーボンを100%にして使用することで、軽さだけでなく強度の向上も同時に実現しています。

このTAF製法を詳しく話すと、非常に長くなるので今回は省きます。私の頭の中には何万通りというロッド設計の組み合わせがあり、どのパターンが最適か熟知しています。それもそのはず、ロッド設計20年間という中で、東レさんに協力して頂き、自分で何千本というロッドを巻いては折っての実験を繰り返し、様々なデータが蓄積されています。その中から一番最適なパターンで構成し、カーボン素材にコストをかけて作られているのがTAF製法です。

TAF製法をさらに進化させ、「リアルフィネスPrototype」に搭載

そんなTAF製法に、今回は新しく東レさんに紹介して頂いた最先端素材のT1100GとM40Xという素材をミックスし、進化、深化したTAF製法で作られたのが、リアルフィネスの進化版「リアルフィネスPrototype」です。

この最先端素材は宇宙分野など特殊分野で使われる非常に高価で貴重な素材。ロッドの心臓部、ブランクスにコストをかけることで、今回の軽さと強度を実現しています。

ただこのまま製品化してしまうと、べらぼうな価格になってしまうので、完全塗装レスを図り、軽量化と同時にコストダウン、ガイドのスレッドも黒一色、メタルパーツも限りなく少なくし、これも軽量化と同時にコストダウンしています。その結果、最先端のレアな素材を使ったロッドながら手の届く価格設定を考えています。

こちらが最先端素材のT1100GとM40Xのマル秘データ公開になります。

従来は30t中弾性カーボンといえばM30Sという素材がメインでした。今回はT1100Gをメインとし、このカーボンは、引張弾性率が33t。第3世代の新しいカーボンで、30tではなくすこし高い33t

M40Xとは、40tの高弾性カーボン。T1100Gの33tの高弾性バージョンと思って頂ければと思います。

T1100GとM40Xには、どちらともレジン(樹脂)には、汎用樹脂ではなく、東レのナノアロイという極小の粒子で均一化された安定の樹脂を使っています。分かりやすく言いますと、カーボンプリプレグというシート状になっているのですが、強度が一部弱いといったムラを取り除き、均一化された安定した強度を出せるということです。

ロッドの特性上、いくら強度を上げたとしても、一か所弱い箇所、弱点があればそこから折れて、その一番弱い部分が最大の強度ということになりますので、そこの弱点を取り除くことで、全体的な強度が保たれるというメリットがあります。

やはり最先端素材は、どの強度に対しても格段に改善されているのが、このデータを見て頂ければ一目瞭然かと思います

今回採用されたMXシリーズは、ナノレベルの炭素繊維の結晶構造を高精度に制御し、「超高配向微結晶」構造になっており、欠陥をすくなくし、高強度と高弾性化の両立を実現した新素材です。

デカアジの聖地、壱岐で撮った一枚。シルエットからもいかに肉抜きしているかお分かりになると思います。

感度がとにかく高く、アジングに最適で、持った感じ、操作性、軽さなど異次元のフィーリングとなっています。

色調はブラックシルバーを基調とし、シンプルな飽きのこないデザイン

佐渡でテスト。良型メバルにも最適なロッドに仕上がっています。強度も全く問題なし

タケノコメバルやカサゴ、あらゆる魚種でテストしています

ソルティーステージ KR-X Prototypeも登場!

今年は、このリアルフィネス・プロトタイプのリリースから始まり、その後夏以降に新しいソルティーステージがフルモデルチェンジし、市場に投入していきます。

実に10年ぶりにフルモデルチェンジするわけですが、ロッドの心臓部のブランクスにTAF製法が採用されるので注目です。それでいながらリーズナブルな価格でTAF製法採用のロッドが手に入るので、より身近に高性能ロッドが体感できるようになります。

新しいソルティーステージKR-Xは、まずショアジギング、ライトショアジギング、ジギング、スロージギング、アジング、メバル、クロダイ、シーバス、エギング、ボートシーバスからリリースします。ロックフィッシュ、ベイトフィネス、タイラバ、ツナなどは来年のリリース予定となっております。

【ソルティーステージ KR-X Prototype】2021年夏、SaltyStageKR-Xシリーズが10年ぶりのフルモデルチェンジ!

 

このように最先端素材を使った最高峰ブランクスTAF製法のロッドが、アブガルシアから続々と今年はリリースされますので、目が離せない一年になると思います。

トモ清水でした~!

See you soon!