スピニングか、ベイトか。
釣り人であれば、一度や二度は必ず頭を抱えるであろうテーマ。ところが近年、技術の進化とともにその構図が揺らぎつつあるという。
なぜスピ二ングを選ぶのかを考えると、わかりやすいだろうか。ラインがフリーになることで飛距離が出る?ベイトのようなトラブルが少ない?軽いルアーを扱いやすい?
…では、飛距離が出るベイトリールがあれば、バックラッシュしないベイトリールがあれば、軽いルアーを飛ばすことができるベイトリールがあれば、理屈上ベイトリールが優位になる。もっと言えば、技術の革新によって、既にそんなベイトリールはいくつも存在しているという事実。
近い将来、あらゆるジャンルでベイトの波が押し寄せてくるような気がしてならない。いや、むしろもう既に押し寄せているのかもしれない。Fishmanのこんなロッドを見る限り。
Beams calmer/ビームスカルマー
「Beams calmer/ビームスカルマー」。そのロッドはFishmanが仕掛けるベイトエギング専用のロッドシリーズ。これまでにも何度か紹介してきましたが、そのロッドのほぼ製品版として紹介されているのがこちらの動画。
…アングラーの皆さんが気になるのはもちろん「実際どんなロッドなのか」ということでしょうか。ここでは動画で紹介されている「Beams calmer/ビームスカルマー」の特長をご紹介。
実際どんなロッドなのか
ラインナップとしては「8.0ML」「8.6M」2機種の展開が予定されているという。気になる細部を見ていくと。
まずは、シャクるという行為の軸となるグリップ周り。
リールシートは、指に干渉しにくいトリガーの短いタイプを採用。そして、グリップ周りをEVAでコーティングすることで、ホールド感と操作性が向上。
リールシート下のグリップは、より握り込みやすいようスリムな形状を採用。さらにグリップエンドはやや長めに設定し、肘にあてた状態でのシャクりやすさ、キャストのしやすさに貢献。これにより、実際格段にシャクりやすくなったとのこと。
前作のプロトよりもハリを持たせたという感度重視のブランクスは、ジョイント部に逆並継ぎを採用することでバットをより細くすることができ、ロッド全体の軽量化、そしてしなやかな曲がりを演出。
トップガイドは感度重視でフィッシュマンロッドでは最小となるトップガイドを採用。ガイド抜けが多少悪くはなるが、エギングでよく使用される4号くらいまでのリーダーであれば気にならないレベルという。
ベイトエギングのこれから
動画では、実際にベイトエギングでの釣行を終えた2人が、その楽しさや感度の良さ、操作性などに言及。とにもかくにも、楽しいロッドであることは間違いないでしょう。
「イノベーションを実行するのであれば、誤解されることさえも恐れずに進むべきだ」とは、かのジェフ・ベゾス氏の言葉。
ベイトの波が押し寄せてくる。…十数年前にそんな未来を見据えていたとしたら。
当時、まだまだ稀有な存在だった“ベイトロッド専門メーカー”を立ち上げた赤塚ケンイチという男は、やっぱりタダモノではないと思うのは記者だけだろうか。

Fishman