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【ドラゴン・神龍も問題ナシ】タチウオジギングにおけるホライゾンLJ

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ドラゴン、きたる

どエラい太いタチウオでしたわっ! 東京湾タチウオジギング。

夏の東京湾タチウオっていうと、ちょっと小ぶりなイメージもあり、実際そうした部分はあるんだけれど産卵に絡む大型が釣れたりする面もあったり。ましてや近年の東京湾では水温上昇の影響などもあり比較的周年釣れるようになってきていて、写真のようなドラゴンチャンスは増えているのかもしれない。

さてさて、冒頭の写真はTENRYUフィールドテスター・渕上大輔さん。

渕上大輔さんが超グッドサイズを

先日、神奈川・横浜は新山下から出船する渡辺釣船店からタチウオジギングの撮影へと。

とはいえ「東京湾はメッチャ久しぶりです」という渕上さん。であれば、もうひと方…。

△松原和裕さんが的確な状況判断で、ぶっといタチウオキャッチ。数も伸ばした

TENRYU・フィールドアドバイザーであり、自身のルアーブランド「MASHIO」の代表でもある松原和裕さん。千葉在住の松原さんもまた、渕上さんに東京湾タチウオジギングのちょっとしたポイントを適宜伝えながら写真の極太タチウオを筆頭に数を伸ばしたのだった。

この日の模様は、改めて実釣動画でも配信しますのでお楽しみに!

ホライゾンLJ、何選ぶ?

さてお二人が手にするロッドは「ホライゾンLJ」。今年モデルチェンジを果たした新生ホライゾンLJということになる。

LJ=ライトジギングを意味し、ライトジギング全般をカバーする隙のない全8機種の陣容となっている。

その中から、今回の実釣にて軸となった機種はベイトモデルのHLJ642B-FLL、 HLJ632B-FL、HLJ622B-FMLあたり。

これは狙ったフィールド状況と東京湾らしい誘いのアクションを考えると必然。

概ね水深は70~80mほどといったところで、タナ自体は40m前後が基本。使用ジグウエイトもザックリといえば80g・100gを中心に、重くとも120gほどまでがセレクトの基本に。

先に述べたベイトモデル3機種は、いずれもこのあたりのジグウエイトを扱いやすいロッドだ。

ジグを飛ばし過ぎないのが基本

後はどう考えてロッドをセレクトするか。それが先に触れた東京湾らしいタチウオジギングの誘いとリンクする。

まだ状況が分からない1投目、お二人ともに示し合わせたようにセレクトしたのがHLJ642B-FLL。LL、つまりは最も軟らかいモデルだ。

というのも、昔の東京湾タチウオジギングと異なり、現在は誘い(ジャーク)の幅が極めて小幅。ジグを飛ばさない。

ともすればタダ巻きがグッドな日もあれば、キュッと巻いて一瞬止め、再びキュッとハンドルを巻くような緩急をつけたリーリングだけがよい時も。いずれにせよ、基本的にはジグを動かし過ぎない。

だから、それであれば飛ばさないロッドセレクトになる。ゆえにまずはLLであるHLJ642B-FLLから入った。

ベイトモデルのグラスチューブラティップ

HLJ642B-FLLはマグナフレックス製法を用い、美しいブルーのティップセクションはグラスチューブラだ。実にしなやか、シルエットの小さなタングステンジグであっても程よいクッション性とでもいえばよいのか、ジグが飛ぶのを抑えてくれる。一瞬のタメを持ってジグを動かすように、うまく初速を殺してくれるのだ。

△ベイト4機種はマグナフレックス製法によるグラスチューブラティップが採用されている

グラス素材の穂先からベリー~バットはカーボン素材となる。そのカーボンへと移り変わり始めるところでジグを動かしながらも、グラス穂先がまさに絶妙な塩梅で暴れさせ過ぎない。

しかしながら、「飛ばさないけれど動かないではダメなんですよね。絶妙な塩梅ですけど(笑)」。そう話す松原さんに渕上さんもうなづく。

もう1点、リアグリップ周りがセパレートグリップとなった新生ホライゾンLJ(前作はストレート)。シンプルな軽量化もあるのだが、後ろを軽くすれば前が重くなるため、そこの重心を調整しリール装着時にバランスが取れる設計としている。つまり軽量化を施しながら実際に持った時のバランスにも優れる。

そしてそのリアグリップが比較的長め。これが少しティップを上げ気味にして細かく操作する時には肘を当てて支点になり基点となったり。逆にティップを下に向けた際には脇挟みしやすかったりと、軽量化のみならず機能性の向上も感じさせた。ファイトでの安定感につながるのは言わずもがな。

ちなみに、ホライゾンLJのベイトモデル(上記のLL/L/MLだけでなくMクラスのHLJ612B-FMも含め)は、いずれもマグナフレックス製法のカーボンチューブラティップとなっている。

△こちらはHLJ622B-FMLのティップセクション

さて、そんなわけでLLであるHLJ642B-FLLからスタートしたお2人だが、もちろんそれだけではない。

もう少しだけ飛ばした方が反応がよい日もある。となればLであるHLJ632B-FLも選択肢となるし、あえて大きめのジグ(重くなる)を投入してアピールした方が釣果に結び付くならMLであるHLJ622B-FMLも視野に入るだろう。

イメージをカタチにするロッドセレクトを

レングスを見ても、メインで使用したLLのHLJ642B-FLLは6フィート4インチ、LのHLJ632B-FLは6フィート3インチ、そしてMLであるHLJ622B-FMLは6フィート2インチとなり、今回は出番がなかったがベイトモデルで最も硬いMにあたるHLJ612B-FMは6フィート1インチ。

つまりは硬くなるにつれ1インチずつレングスは短くなることが分かる。

長くしなやかであればスローに、短く硬ければメリハリを出しやすい…とはなる。が、もちろんここに使用ジグウエイトやアングラーの誘いのスピード・幅も関わってくるから、結局のところはその日ハマる組み合わせを探っていくのが大切。

言い換えるなら、それを楽しめるラインナップが揃うホライゾンLJなのだ。

そんなわけで、基本的には〝誘い過ぎない誘い〟を軸にしながらもHLJ642B-FLLからスタートしたお二人が、使用ジグウエイトや意図した誘いによってロッドを替えていたのはいうまでもない。

例えばだが、上の写真はHLJ622B-FMLを使用した松原さんのヒットシーン。この時は「暴れさせるほどまではいかないけれど、少し動かさないと釣れない感じでした」。そんなわけで気持~ちアクションを入れ気味にしてのMLをセレクト。

そして釣れてきたのがコレ…。デカいぞ!

ちなみにドラゴンクラスであってもご安心を。C・N・T(カーボンナノチューブ)により、全く不安のないファイトシーンを、お二人とも幾度となく見せてくれた。

C・N・T素材をバット部にコンポジットしているホライゾンLJ。細身であってもその粘りは驚異的だ

また、渕上さんは「ベイトモデルのグラスチューブラティップは、やはり魚の乗せ感が良く素直に追従していく点も魅力ですよね。青物狙いでもスッと吸い込まれるような印象がすごくありますね」と話す。

追従するが粘り強く、バットパワーは十分に。ありきたりな言葉ではあるが、まさにそんなベイトモデルたちなのだ。

FLLで最大! けれど…

ちなみにだが、冒頭の渕上さんのドラゴンが最長寸だった。そして、これを上げたロッドがFLL。つまり最も軟らかいモデル。その強さも証明してくれた。キレイに曲がるが最後はやらせないホライゾンLJらしいファイトだった。

しかし…。そうなのです。ベイトのFLLではなく、スピニングのFLL。HLJ642S-FLLでのキャッチだった。

本来的には、タチウオに関していえばシャローで軽めのジグを使うと非常に面白いナンバーだという。スーパーライトジギングなどにはバッチリだ。が、このHLJ642S-FLLを普段から青物相手でも愛用するモデルのひとつにしている渕上さんだけに、躊躇なくセレクトしファイトも落ち着いていた。

ちなみにこのモデルにもマグナフレックス製法が採用されているが、ティップ部には低弾性カーボン。ベリーからバットへかけて中弾性カーボン、高弾性カーボンと移り変わる。

グラスに近いソフトティップではあるものの、軽いキャストでシャロー帯を斜め引きでアプローチすることを考慮しカーボンの低弾性という選択になっている(だからスーパーライトジギングにもバッチリだ)。

このタチウオも、メタルジグ80gをアンダーで軽くキャストし、巻き上げ角度が変わった瞬間のバイトだった。

△ちなみにスピニングモデルのリールシートはDPS(18)。今回のような中型スピニングのみならず8000番クラスも装着でき、ライトラインだがトルクあるスピニングリールで青物などを攻略することも視野に入れているそうです

枠組みを超えて

ということでホライゾンLJを紹介した。が、ホライゾンLJは決してタチウオジギングロッドではない(当たり前だけれど)。スーパーライトに青物に、さらにはスピネギ(ネギング)などなど、近海ジギングを全方位的にカバーするロッド群。

ここでは紹介できなかったが、スピニングモデルにはあえてマグナフレックス製法を非採用としたカーボンチューブラティップもある。

△前作に引き続き新生ホライゾンLJもまた西陣織仕様のカーボンパーツが採用されているのもうれしい!

いずれにしても、ライトラインでテクニカルに誘うことに長けたシリーズではあるといえ、それでいながら大物が掛かった際でも想像以上の安定感が感じられるはずだ。

便宜上ライトジギングロッドとはするものの、そのポテンシャルは枠組みを超える。

使用ジグウエイトやラインセレクト、リールサイズなどを加味しながら「どのホライゾンLJ」にしようか…とニヤリとしながら考えるのもまた…趣ある時間になるのでは?

ホライゾンLJ

品名 タイプ 全長
( m [ft])
継数
(本)
調子 仕舞寸法
(cm)
穂先形式 ルアーウェイト
(g)
ライン
(PE/号)
最大ドラグ
(kg)
リアグリップ
(mm)
先径
(mm)
自重
(g)
使用繊維 カーボン/グラス
(%)
本体価格
HLJ612B-FM B 1.86[6’1″] 2* R 137.5 MF/GT 100-230 MAX2.5 MAX4/ 0° 425 1.8 124 90/10 ¥40,000
HLJ622B-FML B 1.88[6’2″] 2* R 140.0 MF/GT 80-200 MAX2 MAX4/ 0° 425 1.7 122 87/13 ¥40,000
HLJ632B-FL B 1.90[6’3″] 2* R 142.5 MF/GT 60-180 MAX2 MAX4/ 0° 425 1.5 119 87/13 ¥39,500
HLJ642B-FLL B 1.93[6’4″] 2* RS 145.0 MF/GT 40-150 MAX1.5 MAX3/ 0° 425 1.5 117 88/12 ¥39,500
HLJ612S-M S 1.86[6’1″] 2* RF 135.0 CT 100-230 MAX2.5 MAX4/ 0° 475 1.9 127 89/11 ¥37,000
HLJ622S-ML S 1.88[6’2″] 2* RF 137.5 CT 80-200 MAX2 MAX4/ 0° 475 1.9 126 89/11 ¥37,000
HLJ632S-L S 1.90[6’3″] 2* RF 140.0 CT 60-180 MAX2 MAX4/ 0° 475 1.6 120 89/11 ¥37,000
HLJ642S-FLL S 1.93[6’4″] 2* RS 147.0 MF/CT 40-150 MAX1.5 MAX3/ 0° 430 1.4 116 88/12 ¥37,000

Rod : ホライゾンLJ HLJ642B-FLL(TENRYU)
Reel:SALTIGA IC100L(DAIWA)
Line:AVANIJIGING MAXPOWER PEx9 0.8号(VARIVAS)
Leader:フロロカーボン4号+先糸15号
Lure :RISE JIG SLJ TG 100~125g(RISE JAPAN)
Hook:サーベルフッカー(VANHOOK)

Rod : ホライゾンLJ HLJ622B-FL(TENRYU)
Reel:SALTIGA IC100HL-DH(DAIWA)
Line:AVANIJIGING MAXPOWER PEx9 1.0号(VARIVAS)
Leader:フロロカーボン5号+先糸25号
Lure :RISE JIG FLAT 100g(RISE JAPAN)
Hook:サーベルフッカー(VANHOOK)

Rod : ホライゾンLJ HLJ642S-FLL(TENRYU)
Reel:CERTATE LT3000(DAIWA)
Lin:AVANIJIGING MAXPOWER PEx9 0.8号(VARIVAS)
Leader:フロロカーボン4号+先糸15号
Lure :RISE JIG SLJ SLIM 80g(RISE JAPAN)
Hook:サーベルフッカー(VANHOOK)

Rod : ホライゾンLJ 622B-FML(TENRYU)
Reel:カルカッタコンクエスト200HG(SHIMANO)
Line:PE 0.8号
Leader:フロロカーボン8号(3ヒロ)
Lure :MUSTUNG100g(MASHIO)
Hook:アシスト・リア共にトリプルフック4番クラス

Rod :ホライゾンLJ 642B-FLL(TENRYU)
Reel:カルカッタコンクエスト200(SHIMANO)
Line:PE 0.8号
Leader:フロロカーボン8号(3ヒロ)
Lure :MUSTUNG100g(MASHIO)
Hook:アシスト・リア共にトリプルフック4番クラス


取材協力:
渡辺釣船店(http://blog.watanabetsuribuneten.com/
TEL:045-622-8381
神奈川県横浜市中区新山下1-3-4

ホライゾンLJ関連動画

テンリュウ公式「ホライゾンLJ」詳細ページはこちら

天龍(TENRYU)

1961年、六角竹竿加工業として下伊那郡鼎町下茶屋に塩澤製作所設立。1990年、株式会社 天龍に社名変更及び改組。創業当時、六角竹竿で一世を風靡し、1970年には日本初となるバスロッドを自社ブランドで発売。以降、カーボン素材を主軸に幅広い時代のニーズを先読みしたアイテムを輩出している。ソルトウォーターでは超軽量&高感度のSWライトゲームロッド「ルナキア」、ライトジギングでは「ホライゾン」が有名なほか、バス、トラウト、エリアフィッシング、さらにはテンカラなど、非常に幅広いジャンルでこだわりの強いロッドを生み出している。
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