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今江克隆のルアーニュースクラブR 第983回「新作を先出し!フィッシングショーOSAKA2020直前情報」の巻

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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両翼型4枚ブレードのスピナーベイト「ヘルターツイスター」が遂に出るッ!

ところが、投げているうちにすぐ気が付いたのが、投げるたびにキレイに泳いでくる時と、気分が悪いほど斜めって泳いでくる時がランダムに生じることが分かった。

最初は、4枚のブレード回転の抵抗が強すぎると思い、様々なブレードを作りテストした。その結果、柳の葉のような細幅で極薄いブレードを採用することで、両翼を広げる綺麗な姿勢は実現できたのだが、ブレード抵抗を落としすぎて引き感が極めて悪くなってしまった。

4枚のブレードの回転が綺麗にシンクロすればすごく釣れるのに、回転が合わないと使い手が超イラつく、それが「ヘルターツイスター」の問題点だった

ブレードパワーを上げると斜めに泳いだり、酷い時は回転までしてしまう。その原因は4枚ブレードの過剰抵抗もあるが、リアのメインブレード2枚が同じ方向に回った時にさらに顕著になることも分かった。

この難題の解決に、1年もの時間を要したのだ。

難題の解決の糸口は…

その解決は、まさに目からウロコの偶然から生まれた。

正直なところ、ブレードの回転方向性が同じにならないからかどうかは高速回転時に肉眼で確認が難しく理由は不確かだが、結果論、斜めに泳ぐ難題は完璧に解決してしまったのだ。

その秘密は40年以上前のアメリカのスピナーベイトには当たり前に使われていた「スナップスイベル」にあった。

それも今や絶滅危惧種の「角型スナップ」である。これを決まった方向でブレードに繋ぐと、斜め泳ぎは完璧に補正されたのだ。

このスナップを採用することで、従来のジンクスミニの燐青銅製ブレードをそのままコンバートしても問題なく使えると言う驚きの回転補正機能が、このスナップにはあった。

上が1/4oz専用極細ナローブレード、下が1/2&3/8ozのヘルターブレード。 大昔のアメリカ産スピナベに使われていた角型スナップには思いもかけない機能があった。 目から鱗、意匠申請したい位の衝撃だった。

折しも開発当初はボールベアリングスイベル(BBS)を採用していたが、高額なBBSの4個使いになると2,000円を超えるスピナーベイトになってしまう。そこでメタルクローで発見した極小ローリングスイベルに変えることでコストダウンを実現した。

一見、BBSに比べ回転が悪く見えるローリングスイベルだが、回転可動部が1ヵ所のBBSに対し、上下2ヵ所に回転可動部分を持つローリングスイベルは、実に2倍の回転自由度があり、スローでの回転はBBSに全く劣らない。

むしろ、泥やゴミが回転部分に詰まるとBBSは瞬時に回転が悪くなり自動復帰はなかなかしない。それに比べてローリングスイベルは上下2ヵ所回転可動部があるため、1ヵ所にゴミが詰まっても、もう一方が回ることでゴミをすり切り回転が復帰するためBBSより実戦トラブルも少ないのである。

BBSを4個使い、そのうち一つでもゴミや泥が詰まって回転が悪くなるとBBS仕様ではバランストラブルが続発したのである。

あとはローリングスイベルの対磨耗耐久強度だが、工場プールで流水槽を作り7日間近く連続でブレードを回したが、ローリングスイベルが破損する前にワイヤーが折れるほど強度を持っていた。

唯一無二の「群れ波動スピナベ」が誕生!

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