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数々の名作を世に送り出した「34(サーティフォー)」のモノづくりへのコダワリとは

連載:家邊克己の「週刊!アジングマニアックス」

物を作る上で常に心がけていることがあります。

それは、「こだわり」。

我々がものづくりを行う上で常に胸に刻んでいることは、「答えは海にある」ということ。

34(サーティフォー)の製品は2通りに別れていて、1つは魚釣りに直接関わる道具。

もう1つは、あれば便利だなというアイディア的製品。そのどちらを作る上で大切なのが「答えは海にある」ということなんです。

普段は実釣の話がメインですが、今回は34(サーティフォー)のモノづくりに関して詳しく述べていきます。

家邊克己 Yabe Katsumi プロフィール

サーティフォーCEO、製品開発責任者。全国津々浦々、アジが釣れると聞けば、ドコへでも足を運び、実際に釣って、アジングの楽しさを広く世に伝える、まさに「アジングの伝道師」というべき人物。かなり頻繁に全国各地で参加費無料のアジングセミナーも開催中! 釣具メーカー「34(サーティフォー)※社名は[みんな幸せに!]に由来」を立ちあげ、自身のノウハウを詰めに詰め込んだ製品開発に没頭中。京都府出身、福岡県在住、1958年9月生まれ。

 

魚釣りに関わる道具は魚の食性によって変わる

魚釣りに関わる道具は、すべて対象魚が何を食べているかから始まります。

だから常に魚の食べているものを観察し、その餌の動きを考え、それを食べる対象魚の収餌行動に基づいたモノづくりが基本。

対象魚の食べている餌が変わると、当然我々が作るべきものはすべて変わってしまうので、常に魚の食べているモノの観察が必須です。

 

また、アイディア的製品に関しても、釣りをしながら「こんなモノがあったら」とか、「何かもっと簡単にできないか」というようなことから、ひらめくことが多いです。

釣りをする上で欲しいと思ったモノを具現化していくには、海に行かないと答えがもらえない。

現場に出ることで初めて我々のものづくりは始まり、完成します。

今までこのスタイルでやってきて、これが「釣り」という未知なる対象を相手にしているゲームの中のベストな対処方法と思っていますし、今後もこのスタイルは変えることなく、34(サーティフォー)のモノ作りの姿勢として引き継いで行ってもらいたいと考えています。

これができなくなったらそれはもう34(サーティフォー)でなくなると思っています。

 

ロッドができるまで

ロッドを作ろうと思った場合、最初に考えることは、「今自分がどんなロッドで釣ったら楽しいと思うか?」ということ。

あくまでその基準は自分です。おそらく僕ほど全国でアジングを楽しんでいる人間はいないはず。

そんな僕が楽しいと思うモノはみんなが楽しいと思うだろうと勝手な思い込み。そこからすべてが始まります。

まず、ロッドで釣っているシーンを想像(妄想)し、曲がりを考えます。「こんな曲がりなら楽しそうやな」という具合にそこから妄想が広がり、ロッド全体のアクションが決まっていきます。

アクションが決まり次第、プロトロッドの製作に入り、テストを開始。

テスト時のこだわりは、カウンターサンプルで最低1000匹のアジを釣ること。

それほどの数を釣ると、カーボン本来の調子が出てロッド本来のポテンシャルが良く解るので、その点にはこだわっています。

「こんなロッドで釣ったら楽しいだろうな」という妄想からスタートし、最終的に思い通りの形になった瞬間というものは本当に何度味わっても最高の瞬間。

 

ワームができるまで

ワームを作るにあたって最初に考えることは、「存在感」。一般的にアジングのイメージとして動かして釣るということがあります。

しかし、現代のアジは「泳がないもの」と定義されるプランクトンが主食で、逃げるモノには無関心。

プランクトンの中で目立つ存在であれば効果があり、アジは必ず餌か餌でないかの確認作業をして、口に入れてくれることになります。

ワームの特長を語る際に「波動」という言葉も一般的によく言われていますが、私はそんなことはまったく考えません。

アジは目の大きな魚です。マグロ、タイ、アオリイカといった目の大きな魚は目で餌を追うので、まずは見つけられやすい形にすることが最優先。

その形が頭に浮かんでから、簡単にデッサンしてCADに起こしてもらいながら修正。それから形作りしていき、仮型を製作してもらいテストします。

この時のこだわりは、日本全国でテストするということ。

34(サーティフォー)の製品は国内ほとんどの地域で販売されているので、何処でも釣れることを証明しておく必要があり、海外でもテストする機会があるのでその時も必ず実行しています。

仮型の段階で気が付いた箇所を何回か修正してもらい、これでいこうという形に決まった時に本型の製作に移行。

これに関しては、自分の中の妥協との折り合いになってきます。「形」というものは追い求めていたらキリがありません。

実際にアジのことがすべて完璧に分かっていたら別ですが、不確定な相手に対して「完璧」はあり得ないので、いつか完璧なモノができると信じて妥協するのです。

最後に本型が完成するまでにカラーを考えて色々試して本製作を開始します。

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