テイルウォークが2025年に新作として投入したアジングロッド「アジストSD」。
流れとしては、アジストSSDからアジストSDへ…というスタンダードロッドとして位置づけされるのだろうが、ハッキリいってただの後継機じゃない。
アジングを見つめ直し、再定義を図ったような衝撃作だ。
圧倒的な軽さ。最軽量38gという驚愕
まず触れておくべきは、そのロッド重量。
最短モデルS55/SLは38g、最長モデルS72/TTでも48g。ちなみにだが、アジストSSD(現在は生産終了)の5フィート5インチモデルの自重は60gだった。この数値、既存の“スタンダード”という概念を一段上に引き上げてしまったことが分かると思う。
MODEL | LENGTH (ft.in) |
PIECE | CLOSED LENGTH (cm) |
ROD WEIGHT (g) |
LURE WEIGHT (g) |
LINE WEIGHT (lb) |
LINE WEIGHT (PE) |
RETAIL PRICE (JPY) |
S55/SL | 5’5″ | 2 | 85 | 38 | max 3 | 1-3 | 0.1-0.4 | 27,000 |
S510/SL | 5’10” | 2 | 92 | 40 | max 4 | 1-3 | 0.1-0.4 | 28,000 |
S63/SL | 6’3″ | 2 | 98 | 44 | max 5 | 1-3 | 0.1-0.4 | 29,000 |
S68/SL | 6’8″ | 2 | 105 | 46 | max 5 | 1-3 | 0.1-0.4 | 30,000 |
S72/TT | 7’2″ | 2 | 112 | 48 | max 8 | 1-4 | 0.1-0.6 | 31,000 |
軽量化のキーファクター「ADVANCEDグリップデザイン」
この異次元の軽さを実現した最大の要因が「ADVANCEDグリップデザイン」といえる。
ホールド性を確保しつつも、不要なパーツを排除。グリップ全体をEVAやカーボンパイプといった軽量素材で構成することで、従来比最大39%の軽量化を達成。
もちろんそれだけではない。エンドグリップもリール装着時のバランスを取れる範囲で極限まで無駄をそぎ落とした形状。数字的な軽さはもちろん、握った瞬間、動かした瞬間にその違いが分かるはずだ。
ブランクスに宿るハイレスポンス
また、ブランクスのメインマテリアルには40t高弾性カーボンシートを採用。張りと強度を確保しながらも、繊細な操作に対するレスポンスも抜群。
なおかつティップセクションには機種ごとの役割に応じて素材を選定。
先に触れたアジストSD全5機種のうち、モデル名の末尾にある「SL」「TT」が、それぞれのティップを表している。
SLは30tの高弾性カーボンをリッドティップを表し、抜群の感度はもちろんのこと居食いバイトなどに素直に追従するふところの広さも感じられる仕上がりに。5機種のうち4機種に採用されているのが、このSLだ。
そして唯一の「TT」モデルがS72/TT。もうお分かりの通り、ロングキャスト対応のチューブラーティップ仕様。遠投先での操作性とフッキング性能を両立。

△ガイドはオールSiC
アジストSD 全5機種
それではアジストSDの全5機種の特徴を駆け足で。
シリーズ最軽量&最短レングスの、さしずめショートスナイパーといえる存在。38gの超軽量ボディに抜群の感度。1g前後のジグ単を扱う繊細さを搭載。
常夜灯まわりや小場所、潮流の効いた急深ポイントでシビアなレンジ攻略が必要とされる場合に真価を発揮するはずだ。
こちらも40gと超軽量。なおかつレングスと絶妙な強さのソリッドティップが相まって微細なバイトを逃さず捉え、キレのあるフッキングでアジを仕留める。短尺ならではのレンジトレーサーとしても高い能力を発揮する。
万能型バーサタイルならこの1本。自重44gで操作性と飛距離を高次元に両立。港湾部を中心としたあらゆるフィールドで活躍する、最もユースフルな一本といえる王道機。
やや長めの6’8”レングスでありながら46gの自重。ロングアプローチャーでありながら投げた先での操作性も兼ね備えたモデル。沖の明暗やブレイク狙いで、リグ操作のレスポンスを保ちながら鋭く攻め切るならコレ!
シリーズ最長7’2”、48g。唯一のチューブラーティップを備え、ジグ単だけでなく軽量フロートやマイクロプラグにも対応。回遊系大型アジを射程に捉え、メバリングでも活躍するハイブリッド・ロングレンジモデル。
アジングロッドにおいて“軽さ”は武器だ。アジストSDは、その武器を研ぎ澄ました新しいスタンダードだ。
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