ダンゴウオ、カディスに続く新製品は… ?
皆さんこんにちは。礒野寛之です。
この数ヶ月間も、様々なルアーのCADデータを作っては試作をしていました。プロトを作るよりも3ケタ超えの膨大なルアーテストがとっても地道な作業かも…。
「ダンゴウオ」→「カディス」と続き、今回も釣りの幅がグッと広がるルアーができましたよ。
注目したのは“ボトム”でのある誘い方
エリアトラウトの世界ではたくさんのボトム攻略法が存在し、それらを状況に合わせながら釣り分けていきます。
例えばメタルバイブレーションのリフト&フォール。ミノーやバイブレーションタイプのプラグでのバンピングやシェイキング。リップの長いクランクやロングビルミノーでのボトムノックなど…。
そんな中で「ずる引き」も欠かす事のできないメソッド。そう。いま力を入れて取り組んでいるのは「ずる引き専用設計」プラグです。
そのプラグ、名前は…ズルビー。

※画像はプロト。㊤: ちっちゃなズルビー(2g台)、㊦: おっきなズルビー(3g台)
そのズルビーについて、まずはこの動画をご覧ください。
エリアトラウトゼミナール 【2025年秋発売予定】おっきなズルビー/ちっちゃなズルビー
「コンパクト×ハイウエイト」なずる引き特化型プラグ
ズルビーにまず求めたのは、かっ飛んで「ストン」とすぐ沈んで、トレース速度が速くても遅くても、姿勢を崩さず「サ〜っ」とボトムを引き切れるものである事。
実はこれまで、ルアー回収用のマグネットがボトムへ落ちていった時、それを引いてきた時。やたらとそれに反応する魚をたくさん見てきました。
また、石が池の中にストンと落ちた時もやたらと反応する。それも、従来のルアーで中々反応しない時に限って…。
ボトムへ勢いよく逃げ込むものは魚も本能的にスイッチが入りやすいのかと思います。ストンと落ちやすいメタルバイブレーションも、スイッチが入りやすい要素を持っているルアーの一つです。
浮き上がりづらい確かな操作感
浮き上がりを抑えるためには、まずそれに見合ったウエイトをボディに積む必要があります。
ギリギリまでボディを絞りつつ、センターバランス寄りの姿勢に設定しました。
そして、浮き上がりを抑えて違和感のない引き感を持たせるための形状と考えた時に、ボディ形状は“バスボート(船体)”のようなフォルムに落ち着きました。
先端部が細く絞られているこの船体形状は、同じく先端部が絞られたバレットシンカーやフロッグのすり抜けの良さにも通ずるところがあります。
また、低重心になる形状なので操作感やフックポジションも安定します。
姿勢変化を抑えて引きやすいボディ形状
細かな小石や地形変化でズル引きしていたものが強くスタックしてしまうと、追いかけてきた魚もその変化を見てテンションが下がり、見切ってしまう場合が多いなと感じていました。
そこで、サ〜っと引いてきても水を逃がしていくボディ形状、ずっしりとした着底感のあるウエイトを選択し、ルアーの姿勢を崩すことなく最後まで安定して引きやすくする事にこだわりました。
「ズル引き=釣りが遅い」からの脱却
ルアーローテーションをしていく中で「ズル引き=釣りが遅くなる」というイメージは付きまといやすくなりますが、だからと言ってズル引きが有効と感じる場面で、そのイメージによってルアーを瞬時にチョイスできないのももったいない。
そこでズルビーは、スピーディーなルアーローテーションの中にでも「サッ」と組み込んでいきやすい、という位置付けを強く意識しました。
ズルビーで有効な場面は?
先述の通り、軸となる操作方法はズバリ「ズル引き」
例えば、広大なポンドで遠投→ストンと落として、さ〜っと速いスピード感を活かして引いてくるのも効果的。
その逆で、じっくりと丁寧に引いてくるのもハマりやすいです。
いずれにしても浮き上がりを気にせずに魚が好むスピード感を探していけるのは釣りをする上で安心感が強い。
小〜中規模フィールドでの使用や、手前を中心に狙いたい時も出てきますが、そういった場合どうしてもライン角度が急になり浮き上がりやすくなります。
そんな時もズルビーの浮き上がりづらさが有効となり、ストンとボトムまで落としてからは、例えラインが中層の魚体に触れてもルアーはボトムに喰らい付きやすく、丁寧にボトムを狙っていけます。
また、先端部が尖った形状で動き出しも良いので、シェイクやバンピング、デジ巻きなども取り入れてみるのも面白いです。
逆に苦手な場面もあります。それは、急斜面のブレイクでのステイ。引いてくる時は良いのですが、止めた時はその形状からコロコロと転がってしまいやすいのです。
そういった時、しっかりと面のあるスプーン形状のものに助けられています。
2025年秋を目標に量産準備中
カラーも色々なパターンを考えています。
プラグならではの透明ボディを採用する事で、多様なカラーパターンが可能になります。また、ボディから露出された球体によるアピールも相まって、カラーリングの選択肢が豊かになってきます。
私はズル引き系のルアーに対して、季節での相性などは特に意識していません。
ボトムに魚が意識している環境があれば、必然的に選択肢へと入ってくるんです。
すでに開発も終えて量産準備へと移っているところですので、ぜひ楽しみにお待ちください。
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