DAIWA月下美人テスターの“YOSHIKI”こと、田中良樹です。
リールのギア比はアジングに限らず、あらゆる釣りで悩む話題かと思います。
理論的にどちらが良いという考え方もあれば、巻いてしっくりくる方が良いという考え方もあります。判断基準は人それぞれだと思います。
そんな中で、今回は私のアジングのスタイルと絡めて紹介していけたらなと思います。
アジングに最適なギア比を考える
アジングで使用するリールを選ぶ場合、まずは番手を選びますよね。
基本的にアジングで最も多く使用されるリールはスピニングリールで、番手は1000番から2500番が多いと思います。
番手の次に気になるのが『ギア比』ですよね。
スピニングリールのギア比とは、ハンドルを1回転させた時にローター(リールの回転部分)が何回転するかを示す数値です。
例えばギア比5.8なら、ハンドルを1回転させるごとにローターが5.8回転するということです。
ギア比が高くなるほど、ハンドル1回転あたりの巻き取り長が大きくなり、ラインを早く巻くことができます。逆にギア比が低いほど、ハンドルを軽く回せますが、巻き取り速度は遅くなります。
アジングで比較されるギア比は、パワーギア『P』、ノーマルギア、ハイギア『H』(エクストラハイギア『XH』)の3種類が多いと思います。その3種類のギア比のメリット、デメリットを挙げてみると…
ローギア(パワーギア) ギア比4.9以下について
ギア比が低く、ハンドルを軽い力で回すことができます。
ゆっくりただ巻きして、移動距離を抑えたい場合などに有効です。
巻き取りスピードが遅いため、深場のフィールドやマズメ時の手返しは悪いです。
強風時のラインがフケる場合も、使いにくいことがあります。
ノーマルギア ギア比5.0~5.4について
中間のギア比でバランスが良い設定です。
フィールドやレンジを問わず使えるため、悩んでいる場合は最初の1台に最適です。
中間の設計なので、もっと早く巻きたい・もっと遅く巻きたいというニーズには応えにくいことがあります。
ハイギア ギア比5.5~5.9とエクストラハイギアXHギア比6.0以上の場合
巻き取りスピードが速く、手返しが良いです。
風や潮流がある状況でも、巻き取り速度が高くて使いやすいです。
巻き感度も最も高いです。
巻きが重く感じられます。
スローな状況ではやや使いにくいです。
釣り場によって最適なギア比を考えてみる
まずは『漁港』『防波堤』『サーフ』の3つの釣り場で考えてみたいと思います。
アジングの定番場所。デイゲームでもナイトゲームでも成立しやすく、足場と海面の距離も比較的近いことが多いです。
常夜灯の明暗やピンポイントで狙うなど、スローな釣りが求められる場合は、パワーギアやノーマルギアのリールが使いやすいでしょう。
ジグ単やキャロなど釣りの選択肢が広く、足場もやや高く、外洋に面しているのが特徴です。
水深や潮流にもよりますが、ノーマルギアやハイギアが使いやすいと思います。
フロートゲームのメインフィールドです。フロートやキャロを遠投して広く探る釣りが主体となり、シーバスなどのゲストフィッシュも混じります。
飛距離も出る上、PEラインを使用するため風の影響も大きく、波打ち際でのバラしリスクも高いため、ハイギアまたはXHのリールが適しています。
特徴を捉えた上で…
私自身のギア比の選択をご紹介
上記で説明した以外にも様々なシチュエーションが存在し、冒頭でも触れたように最終的には自分が使って気持ちよく、しっくりくるリールのギア比を選択するのも正しいです。
最後に、私『YOSHIKI』のリールの使い分けについてご紹介します。
私は外洋に面した釣り場で釣ることが多く、魚との距離や水深が深い場面も多々あります。
また、ラインスラッグを多く出しながら釣りをするスタイルです。
このあたりは以前の記事『3Dアジング』をご確認ください。
このような釣りが多いため、私が使っているアジングリールの約8割はハイギアモデルです。
私もかつてはギア比で悩み、パワーギア、ノーマルギアを色々と試しました。
一時期はノーマルギアが最適と感じていましたが、ラインスラックが多いためアタリは取れてもフッキングできないといった課題が多くありました。これはリールだけの問題ではありませんが、当時はハイギアの使用頻度が最も低かったです。
正直、巻きの重さが好きになれなかったのも理由の1つです。
ですが釣果を優先し、使い続けるうちに次第に慣れ、今ではスローなシチュエーションでもハイギアで問題なく釣りができます。
逆はかなり厳しいと感じます。「大は小を兼ねる」と言いますが、ハイギアリールをゆっくり巻く方が、パワーギアで速く巻くよりも私は楽に感じています。
まとめ
今回は、アジングで悩むことの多いリールのギア比について、私の経験を交えてご紹介しました。
個人的には、アジングやライトゲームではハイギアよりノーマルギアを使っている方が多い印象です。
このギア比の選択は、私自身も今後さらに深掘りして考えていきたいテーマでもあります。
なお、ギア比が違うからといって釣れないということはありません。安心して、自分のスタイルに合ったリールを選んでください。
また、メーカーによって同じギア比でも巻き取り量が異なることがあるため、購入前には公式サイトなどで詳細スペックを確認すると安心です。