今江克隆のルアーニュースクラブR「THE 瀕死リグ! 山岡家謹製『レインボーデッドチューブ』の秘密」 第1238回
ここ半月、2~3日に1回の頻度で兵庫県三田市の青野ダムへライブ(サイト)修行に出ている。
現在の青野ダムは、近年稀にみる大減水中で、全域でオカッパリができるためオカッパリ&レンタルボートで平日でも週末のような賑わいを見せている。
ただ、この急激な減水&プレッシャーは青野ダムのスポーニングに大きな影響を与えているようで、水温は17度以上あるにもかかわらず見えバスは極端に少なく、自分は沖目に浮いていることがほとんどだからかもしれないが、ベッドを守るオスもまだ1尾も見ていない妙な状況である。

日に日に減水位が進む青野ダム。本来ならもうスポーニングは中盤以降なのだが、今年はその気配が未だ感じられない
かといって、沖のド中層ワカサギ&ヘラ付きのデカバスが釣れているのかと言うと、自分がライブ下手なだけなのか?見えないだけでやはり季節的に岸に寄っているのか?2回に1回はツルピカの丸坊主で、春真っただ中とは到底思えない、まさにお寺の修行僧に相応しい釣れなさっぷりである。

今月は連日の青野ダムライブ修行。全く釣れないが、諦めるのは全て全力でやり切ってからにしたい
一方で、沖から岸を眺めていると、オカッパリアングラーが釣っているところを頻繁に見かけることから、決して青野ダムが不調と言うわけではないようである。
それでも青野ダムのド真ん中では、なぜか毎日とても多くのライブサイトアングラーが熱心に沖練習している。
興味深いのはそのライバー達がJB/NBC選手(グリーンベルトを巻いてないので判断できる)ではなく、一般のアングラーやレンタルボーターなのが、時代の変化を顕著に表しているように思う。

滅多に喰わないし、ほとんどいないが、1日1回喰わせたらサイズは最低でもこのサイズなのが、青野ライブ特訓の魅力?だ。だが、釣れなければ最悪に心身ともに疲れる釣りでもある
開眼の鍵になる?
そんなライブ修行の中で、今江的に開眼の鍵になるかな…と感じているルアーが2つある。
一つは、なかなか反応しなかったデカバスが、いろいろルアーを変えて画面の反応を見ている中で、なぜか一撃で喰ってきた「レイジースイマー3.9インチ(レイジー3.9)」だった。
「レイジー3.9」で掛けたバスはやはり破格にデカく、まさかの4lbラインブチ切られで心折れかけた。
だが、そのデカさがヤル気スイッチを入れてくれたおかげでようやく最近はポツポツとライブサイトで青野バスを手に出来るようになってきた。
そんな中で現在、「レイジー3.9」と並んで今江的にとても気に入ってるライブの具が、山岡計文プロ開発の第二弾「レインボーデッドチューブ4インチ&3インチ」である。
実は「レイジー3.9」で千載一遇のデカバスをバラした後、味変的に「デッドチューブ」を投げてみると、大きさは「レイジー3.9」よりはるかに細く小さいが、なぜかライブの映りは逆に見えやすく、目で追いやすいため集中力が続きやすいのである。
「小さいのに見失いにくい」、これはライブサイトが苦手なオジサンプロには非常に重要なことというか、そこが最も重要と言ってもよいぐらい、自分には絶対必要なルアーの要素なのだ。
なぜ映りがよいのかは謎だが、内部に「密閉された空気」があるからかもしれない。
ちなみに水質にもよるが、「サイコロラバー」や「クジャラ」、「ジャバロン」系、「ハドルギル」系も非常に映りがよく、「ライブ波が絡みやすい?」形状や要素があるワームが、モニターで見やすいワームのような印象がある。
そんな中でも、「デッドチューブ」は、もっともフィネスなため今江的にはライブサイト練習具材として今、最も気に入っているワームなのだ。

昨年12月の石手川ダム取材でも「デッドチューブ」はライブサイトでよく釣れたが、現在、今江的ライブの具で欠かせない存在の一つになってきた
レインボーデッドチューブ
この「レインボーデッドチューブ」は、昨年後半から実釣テストしており、すでに本金型に移行し夏にはリリースが予定されている山岡プロ発案第二弾ワームである。

水面放置の瀕死リグにはもちろん、ホバストにもジグヘッドにも高次元対応する「レインボーデッドチューブ」
「デッドチューブ」開発の経緯は、昨年のTOP50第2戦弥栄ダムで山岡プロが「瀕死リグ」と称して圧勝した「スーパーリビングフィッシュ」が原点にある。
この「スーパーリビングフィッシュ」は、もともと山岡プロが水面放置の瀕死リグ(ピクピクを含む)用に開発したものだ。
だが、この試合直後、瀕死リグとしての完成度を更に向上させ、ジグヘッドでのミドストロール、ホバストの中層スロードリフティング、さらにはi字系にも対応できるようにしたいとの山岡プロから強い要望があり、その無理難題に世界初?の製法を用いて挑戦した新機軸のワームだ。

昨年6月の弥栄ダム戦で圧勝した山岡プロの「瀕死リグ」。ピクピクをさらにフィネスにした長時間水面放置テクニックだ。たまにピクっとさせるんで、ピクピクならぬタマピク
山岡プロが悩んでいた瀕死リグとしての最大の改変ポイントは、ロング放置やピクピクの際、中空成型時に必ずどこかにできる金型の抜き穴から水が浸入し徐々に沈んでしまうことだった。
また浮かせておく時間を長くすればするほど、フロロカーボンラインならライン自体が沈むことで、PEラインでもフロロリーダーの重さで次第にサスペンド状態になってしまうことがある。
これはエラストマーなら簡単に解決できるのだが、山岡プロは「ワーム素材ならではの水馴染みとナチュラルさ」にこだわりたいとエラストマー化はNGだった。
そこで試行錯誤の結果、めちゃくちゃ手間の掛かる金型の抜き穴のない完全密閉型中空ワーム製法を用いたのが「デッドチューブ」である。

山岡プロの十八番・「瀕死リグ」で無類の強さを発揮するために作られたのが「レインボーデッドチューブ」である
ボディに空気が完全密封されているだけに、水面で長時間浮き続ける高浮力を実現しているので、マス針のみならず小さめのオフセットフックでのi字引きでも水面に浮かせたままトウィッチ等が可能になった。
ワーム素材にこだわったおかげで、エラストマーの水を弾くような違和感がなく、透け感と「空気の屈折反射」によるミラーのような独特の存在感アピール力を両立させることができた。
オマケでライブに映りやすい何かを得たようにも思う。

青野ダムのライブサイト特訓中、「デッドチューブ」のホバストで釣った55cm近いビッグママ。一人釣行なんで自撮りに四苦八苦…なんかその、あたふたした姿がかなり恥ずかしかったりする…
テール、頭部、背面などなど、こだわり満載!