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KEYSTONE(キーストン)が考える“エギのバランス”

寄稿:久保 健一郎
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皆さんこんにちは!

KEYSTONE(キーストン)開発スタッフの“久保 健一郎”です。

さて! 今回は、キーストン製エギのバランスについて解説していきます。キーストンエギの中で、沈下速度の違うV0、V0+、V1、V2の4タイプが揃う「エギシャープ」。

KEYSTONE(キーストン)公式「エギシャープ」詳細ページはこちら

キーストンでは、沈下速度の違いによってシンカー位置を調整し、ボディ浮力も変えています。それはベストなバランスを実現するためではありますが、何をもってベストと考えているのか? 逆にバランスが悪いエギとはどういう物なのか?

その辺りを詳しく解説していきたいと思います。

久保 健一郎(Kenichirou Kubo) プロフィール

企画開発、生産管理、営業も兼任。 エギング歴20年、船イカ歴17年の超エキスパート。平戸や呼子、糸島のショアエギング、玄界灘でのイカメタルゲームやオモリグ、胴付きでの船イカ釣りに精通。釣り以外に好きなモノは、甘いもの、エクアドル産高級バナナ、太秋柿。

ベストなエギのバランスとは?

沈下速度が速くなると、当然シンカー重量が重くなる。

シンカー重量が重くなると、エギのバランスも変わってくる。写真をご覧になるとお分かりいただけると思いますが、キーストン製エギはシンカー位置が沈下速度の違いによって、設置位置が異なります。これはベストなバランスを実現するためであります。

キーストンが考えるベストなバランスとは…?

・フォールが前傾姿勢で安定している

・シャクリからフォールへの移行がスムーズ

・着底時エギが寝ない

バランスの悪いエギとは

上記でベストなバランスのエギについて解説させていただきましたが、バランスの悪いエギは正にその逆となります。

フォールが傘針から沈下する

フォールが旋回する&安定しない

シャクリ時エギが変な動きをする

シャクリからフォールに移行する際にスムーズでない

着底時にエギが寝てしまう

これらがバランスの悪いエギと言われています。

例えると、「エギシャープ」(3.5号)V0のシンカー位置にV2のシンカーをセットすると、このバランスの悪いエギになってしまいます。(※バランスが悪いから釣れないという訳ではありませんが、根掛りは圧倒的に増えます。)

エギシャープ沈下速度

画像をご覧になるとお分かりいただけると思いますが、1m沈下するのにこれだけの差があります。ただ、重量差で比べると極僅かな差。3.5号で比較すると、3.5号V0(15g)、3.5号V0+(16g)、3.5号V1(17g)、3.5号V2(20g)。

沈下速度の違いによるシンカー位置を分かりやすくするため、白い線を書いて比較してみます。V2はエギの前方にあるのに対し、V0とV0+はエギの中心部に近い位置にあります。シンカー重量に合わせて、ベストな位置を割り出して設計しています。(※V0とV0+のシンカーは同じ位置に設置、ボディの浮力調整でベストバランスを実現。)

エギの飛行姿勢

シンカーが重たいと良く飛ぶ。

この意見は、正解でもあり間違いでもあります。エギの飛距離は飛行姿勢で大きく変わります。「エギシャープ」(3.5号)V2が20gに対し、V0が15g。5gの重量差がありますが、実は飛距離はあまり変わらない。それは何故なのか?

重量のあるV2タイプはエギの前方にシンカーがあるため、飛行姿勢は画像の通り、エギが立ったような姿勢で飛ぶため、空気抵抗が大きく、途中で失速してしまいます。

逆にV0やV0+はシンカーがエギの中心部にあり、失速しにくく、空気抵抗が少ないため飛距離が伸びます。エギの飛距離は、飛行姿勢によって大きく変わるという訳です。

根掛かりを減らし釣果に繋げる

キーストンでは長年「トータルバランスが重要」と謳ってきました。

飛距離が飛んでも、バランスが悪いとダメ、バランスが良くても飛距離が飛ばなければダメ、良く釣れるけど根掛かりが多ければダメ。

飛距離、フォール、シャクリ、感度、姿勢、動き、耐久性、トータルバランスの良さが結果的に信頼につながり、釣果に繋がってくると考えています。まだまだ改善できる商品もあると思っており、発売したら開発や改善は終わりではなく、発売してからが第二の開発、改善のスタート。

これからもその思いは変わらず、もの作りに励んでいきます。

KEYSTONE

1999年創業のイカ釣り用品専門メーカー。 量産の難しい硬質発泡ウレタン素材をエギボディに採用し、純日本製クオリティで世界中のイカを魅了している。2012年にはメーカー直営ショップを本社近くにオープン。店頭での販売はもちろん、オンラインストアの運営も行っている。
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