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カヤックでオフショアでオカッパリで…あれこれ使える「熱中症対策」とウェアリングのこと/赤澤 克哉

寄稿:赤澤 克哉
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2023年の夏、暑い!暑すぎる!

こちら関東でも、7月中旬以降はほぼ最高気温35度以上の日が続いていました。

地球温暖化なのかどうかは私には計り知れないところですが、とにかく今年48歳の僕が子供の頃と比較しても圧倒的に暑いことは確か。僕らの子供の頃って、夏休みに入って32〜33度の日が続いてようやく「いやぁアイスが美味いな〜」なんて言っていたと思います。いまや晴天の日中だとそんな余裕さえないですよ…。

赤澤 克哉(Katsuya Akazawa) プロフィール

千葉県市川市のカヤックフィッシングショップ「kayak55.com」スタッフ。日本のカヤックフィッシング黎明期からカヤックフィッシングの楽しさ、安全面、マナー面などを伝える活動を続けている。JSPA(日本セーフティーパドリング協会)アドバンストインストラクター。bifarrテクニカルアドバイザー。他、ジャクソン、palm、bluestormなどのフィールドテスターも務める。

釣りを楽しむための「熱中症対策」

僕らがカヤックフィッシングを始めた2000年代初頭も夏に35度を超える日は数えるほどで、その頃は夏でも朝マズメから夕マズメまでぶっとおしでカヤックフィッシングをしていることはけっこうありました。

しかし、今では夏の日中のカヤックフィッシングは本当に危険すぎる気温だと感じます。オカッパリの釣りと比較しても、カヤックで沖に出ている状況で熱中症になってしまうとそれは遭難、死亡のリスクに直結する可能性があるからです。

ただし。熱中症リスクを下げるようにして楽しむことができれば、基本的には楽しいシーズンなんです。

夏ならでのシイラなどの魚も釣れますし…

ベイトフィッシュも岸の近くに接岸していて、青物ボイルもよく出てトップだけでも楽しめます。

そこで、今回は僕なりの夏のカヤックフィッシングの熱中症対策をご紹介します!

①:釣行時間帯を絞る

夏でも早朝は涼しいです。夏の日の出は関東ではだいたい5時前後。日の出時間を調べて、その時間を過ぎたらすぐに出艇していけば比較的涼しく楽しめます。(カヤックの出艇は安全上、日の出時間以降を強く推奨します)

その日の天気によりますが、晴れている日だと9時をすぎると30度を超えてきて、10時には33〜34度の酷暑となってきます。10時にはストップフィッシング、10時30分には着岸して片付けに入っている感じのタイムスケジュールで動くことで、だいぶ熱中症リスクは下げられると思います。

実釣時間はおよそ5時間弱、結果を出すにはじゅうぶんな時間だと思いますし、集中力は高い状態をずっと維持して釣りができるはずです。

②:飲み物は余るぐらいクーラーに入れて持っていく

オカッパリの釣りと違って、沖には自動販売機はありません。カヤックで海に漕ぎ出してしまうと飲み物の補充は効かないのです。

余ったら帰りの車や家で飲めばいい!ぐらいの気持ちで多めに持っていくことが大事です。

僕の場合は夏は2Lの水を2本で計4L、その他コンビニで売っている凍ったペットボトルを2本、経口補水液やスポーツドリンクを2本積んでいくようにしています。クーラーは必ず積んでこれらの飲み物は冷やしておきます。

水が余るほどあれば、暑さがきつい時に冷水を頭や首にかけて体温を下げることができます。

氷や凍ったペットボトルは首や脇、腿の付け根に当てて大きな血管を冷やしてあげることも熱中症対策として有効です。

③:適切なウェアリングを心がける

帽子

夏だけではなく帽子は絶対にかぶるのは基本。日射を遮り、フックの怪我も防止します。夏場は通気性がよく、濡れても乾きやすいメッシュ素材のキャップはとてもおすすめです。

bifarr 撥水7パネルキャップ

PFD(ライフジャケット)

続いてはPFD(ライフジャケット)。カヤックでは「落水と同時に浮力がほしい」「再乗艇の際にも泳ぎやすく乗りやすい」という安全上の観点から、固定式のタイプが推奨されます。夏でもこれは一緒です。その中でもbifarrのオルノスハイバックは背中下部がメッシュなので、固定式の中でも比較的涼しくなります。

bifarr オルノス ハイバック

ウェア

そして最も重要なのがウェアリング。

夏場は身軽な格好でカヤックフィッシングができるため意識が低くなりがちです。でも、実際は夏のウェアリングが熱中症予防を左右します。

僕が心がけているのは「夏も素肌をなるべく出さない」ということ。

日焼けに慣れている人は半袖でもいいとは思いますが、やはり日焼けは想像以上に体力を奪います。特にシットオントップは足が上をむいた状態になるので、素足で半ズボンだと次の日に歩けないほど酷い日焼けになることがあります。また、クラゲに刺されてしまったり、準備や片付けのときに蚊やブヨに刺されまくってしまったりと素肌の露出はデメリットのほうが多いと感じます。

ただし、もちろん分厚い素材や綿素材でのロングスリーブは逆に熱中症リスクを上げてしまいます。綿素材は濡れると乾きにくく、熱をこもらせてしまうんですよね。そこで、速乾性素材(化学繊維)の薄手の長袖、長ズボンをを着用する。これがベターです。

パドリング、キャスティングという動作をする観点での運動性能重視ならラッシュガード上下が優れています。

bifarr インナーラッシュ

bifarr インナーラッシュタイツ

ラッシュガードのスパッツだけだともっこりして(笑)恥ずかしいので、水着などのハーフパンツは合わせます。

また、かなり暑さが厳しい日はトップスだけ涼しさ重視でこのタイプに変更します。(素肌の上に直接着用します)

bifarr UVガード ジップパーカ

ゆったりしたサイズ感で通気性はラッシュガードよりもよくなり、また「フード付き」というのがポイントです。カヤックで海の上に出ると日差しを遮るものがありません。そんな時にフードをかぶることで「強制的に頭部の日陰を作れる」のです。

特に首が日に焼けると疲れるし、また体温も上昇しやすいので、それをカバーするにも良いですね。また、首を守るという意味ではネックゲーターもとても有効です。

bluestormネックゲーター

これらはすべて速乾性の化学繊維でできているので、暑くなってきたら海水をかぶったり、前述のとおり持ってきた冷水をかぶったりします。それで身体を冷やすことができ、さらに速乾素材なのですぐに乾いていきます。その乾いていく時に「気化熱で体温を下げる効果が期待できる」のです。

足回り

またこれは熱中症とは関係直接関係ないのですが、私は夏でもパドリングブーツを履いています。それは怪我防止のためです。

昔は夏はサンダルを履いていた時期もあったのですが、仲間がカツオノエボシに刺されて足がテニスボールぐらいに腫れたことがあって、それを見て夏でも足を露出しないようにしました。また、サンダルで小磯などを歩くと気がつけば擦り傷だらけになっていたりするんですよね。

夏を楽しみましょ~!

冒頭でもお伝えしましたが、気を付けさえすれば夏は最高に楽しい季節です。

熱中症には十分に注意しつつ、夏のカヤックフィッシングを楽しんでいきましょう!

bifarr(バイファール)

株式会社ジャクソンと高階救命器具株式会社による共同プロジェクトとして、2022年に誕生したブランド。 近年注目されているジャンル「パドルフィッシング」をテーマにカヤックやSUP、釣具、アパレルなどのギアの販売などを行っている。静岡県静岡市清水区には実店舗を設け、アイテム販売のほかカヤック・SUPフィッシングの体験や宿泊なども行っている。