今江克隆のルアーニュースクラブR「謎多き世紀のキワモノ!? 軟体稼動回転ビッグベイト『UMA(ユーマ)デスロール』ついに完成」の巻 第1154回
さて今週は、いよいよメキシコはレイク・バカラックで産声をあげ、以来10数年掛かって公式デビューを果たそうとしている世界的にも稀に見る謎ルアー「UMA(ユーマ)デスロール」の発売前公式情報を公開しよう。
超迷惑系ルアー?
まず最初にご理解いただきたいのは、このルアー……来年で設立20周年を迎えるイマカツ史上、最も生産に手間の掛かる超迷惑系ルアーだということ。
三連結ジョイントではあるが、通常の三節、四節のビッグベイトは組み上げてから塗装をするので、基本的には大きいだけで1個のルアーを塗装する手間と変わりはない。
だがベアリング連結され、ボディが前後360度逆回転する「UMAデスロール」は、通常塗装ができないためボディ3個をバラバラに1個づつ塗装してから組み上げることになる。
すなわち3個のルアーを塗装するのと同じで、3倍の塗装工程が必要なのだ……。
つまり、1万個作るのが、3万個分の作業工程と同じことで恐ろしく生産に時間がかかる。
さらに各部全てが高性能ベアリング連結のため、バカみたいにコストも掛かる。まぁ、およそ他のメーカーでは採算的にも真似する気もならないがゆえに、これまで十数年、真似されることもなかった世にも奇妙な世界初登場の謎&迷惑プラグである。
ということで、現時点では7月に少量でも出荷すべきか、8月にそれなりの数量が仕上がってから出荷すべきか、とても悩んでいる状況だ。
いずれにせよ、生産にはすでに入っており、近々受注開始となるので、今週は今江的に先週の最終実戦テストで気付いた「UMAデスロール」の使い方を解説しよう。
カンタンで確実な釣り方
まず、今江的に「UMAデスロール(デスロ)」の最も簡単で、確実な釣り方と思っているのがバズベイト的な表層早巻き、そしてスクリュー引き波を発生させながらの表層~表層直下のデッドスロー巻きだ。
「UMAデスロール」は、前後逆回転するため、ひとたび回転が始まると実態が認識困難な、完全に真っすぐ直進のi字系プラグになる。
全駆動部に高性能ボールベアリングを用いているため、高速からデッドスローまで極めて滑らかに高回転してくれる。
猛烈に水をまとって攪拌しているにもかかわらず、見た目は真っすぐな「謎の棒?状」の物体に見えるのが、最大の特徴だ。
その姿も動きも空想上の?UMA生物、フライングロッドとも呼ばれる「スカイフィッシュ」に似ているので、「UMAデスロール」と名付けた。
製品版最終実戦テストでは……
今回の製品版最終実戦テストでは、高速無双「(アベンタクローラー)バゼル」顔負けの表層高速大回転魔球攻めでのビッグバイトを期待していたのだが、やはり今年は春は早かったが夏が遅い傾向で、まだネストも散見される予想外の低水温(19~22度)。
そのため表層早巻きへの反応が全然ダメ。
朝から天気予報大外れの晴れとなってしまい、これは表層ヤバいなと思ったので、とっさに「(TGグレネードシンカー)クイックチェンジャー」を「デスロ」のトップリングにセット。
テキサスリグでの使用は考えていたが、めんどくさかったのと、モノは試しと1.8~3.5gを装着。
するとこれがすこぶる快適で、装着するウェイトによって一定速で巻くと表層直下1m、1.5m、2m強と簡単にレンジ操作できることが分かった。
今回は、2.5gを装着するとフルキャスト後のゆっくり巻きでちょうど「デスロ」を目視できる限界少し上の層(約1.5m)をきれいに水平に、まるでスピナーベイト感覚で気持ちよく巻いてこれ、レンジを下げることで各所でチェイスが発生しはじめた。
複数匹で追いかけてきた時は、見切られる寸前のタイミングで「首振りアクション」に切り替えることでバイトに持ち込むことに成功し、当初の狙いとは違ったがグッドサイズ3尾を仕留めることに成功した。
イメージ的には、任意のタイミングで首を左右に振ることができるスローロールスピナーベイトといった感じだ。
まさかのボトムでも!? 謎多き「UMAデスロール」の威力!