今江克隆のルアーニュースクラブR「革命的な新ガイド「ZIGZAGガイドシステム」を搭載!カレイド・セルペンティ『デルジェス』&『ガルネリウス』を紹介」の巻 第1136回
3年ぶりにリアル開催された2023年の釣りフェスティバル、そしてフィッシングショーOSAKAも終わった今週は、両会場を通して今江的には予想外?というほどの注目を集めた「もう一つのカレイド」について解説しよう。
2023年カレイド新機種に関しては、昨年末からここで機種別に詳しい解説をしてきたが、実は新型カレイドに関して実は2機種だけ未だ正式公開していない機種がある。
にもかかわらず、両会場のエバーグリーン・ブースで展示一般公開されたためか、エバーグリーン・スタッフから今回、「最も注目度が高かったロッドかもしれません」との話を耳にした。
そのもう一つのカレイドが、「デルジェス」&「ガルネリウス」という名の新たなスピニングモデルである。
今までのカレイド・スピニングモデルと全く違う2機種
なぜ、この2機種だけ解説をしなかったのか……その理由は、この2機種はG-niusの青木(哲)氏が設計&ビルドアップまでを全面的に担当した、今までのカレイド・スピニングシリーズとは、コンストラクションから素材、製造工程まで全く違うカタチで製造される特殊構造の2本であり、1月まで完成品納期が全く見えなかったからである。
まずこの2本をひと目見て分かる明確な違いが、まさに「異端」、「異形」ともいえる奇抜なガイドシステムだろう。
この4年間検証を続けてきた青木の実用新案である「ZIGZAGガイドシステム」を、今江的にも、そしてエバーグリーンとしても、ついに公式採用を決めたことだ。
ZIGZAGガイドシステム
以前も記事でこの「ZIGZAGガイドシステム」については解説したが、簡単に再度説明すると、ベリーからトップにかけてのガイドをジグザグに配置することで、ラインスラックを出した状態、またテンションを掛けた張りの状態を問わず、常にガイド内で適度な角度をつけたラインとの接触接点を強制的に持たせることで、実戦感度の向上を図るものである。
一見異形にみえるガタガタのガイド配置だが、使い続けるうちにとても理にかなったガイド配置だということを、実戦を通じて理解することができた。
現実、トップガイドだけは常にラインとの接点を保っているが、特にラインテンションが弱いダル状態ではベリー部分のガイドエッジに常にラインがコンタクトしているとはいえない。
どんなに感度の良いカーボン素材でも、ガイドとラインの接点が離れたり付いたりすればラインからの伝達情報は弱まってしまう。
かといってラインを張り過ぎればライトリグの操作に違和感を与えてしまう。
可能な限りテンションを掛けない状態でも、トップガイドからの伝達だけに頼ることなくティップ~ベリー部分のガイド全体で常時接点を作り、ラインからのボトムやバスのバイト信号をダイレクトにブランクスに伝えるための工夫が、「ZIGZAGガイドシステム」の狙いである。
もちろん、ラインテンションを与えた状態なら、その感度差は私の目の前で機械的に数値化(青木哲計測)しても明確であり、両フィッシングショーではエバーグリーン・スタッフが、ラインを通して実際に「ZIGZAGガイドシステム」とノーマルガイドロッドとの比較をお客さんに体験してもらっていたそうだが、体験したアングラーは異口同音にその明確な差を実感していたそうである。
飛距離は大丈夫?
多くのアングラーがこの異形のガイドシステムを最初に見た時、まず思う違和感が「飛距離が出ないのでは?」という疑問だろう。
正直、自分も青木に対し最初にいった疑問がそれだ。
だが、飛距離で通常のマイクロガイドシステムのロッドと飛距離テストをしても、実戦を3年経験してなお、青木の言葉通りその飛距離差はないといってもなんら問題はない。
放出ラインのティップでの直線収束が良くなるためか、2.5lbクラスや0.4号クラスの極細PEラインでは飛距離が、わずかだが逆に伸びる傾向があることに驚かされる結果となった。
「インクレディブルセンサー」→「デルジェス」への道のり