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究極の1本とは…トモ清水が考える究極の竿

連載:トモ清水「ガッ釣りソルト」
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WEB連載「トモ清水のガッ釣りソルト」番外編
究極の1本とは…トモ清水が考える究極の竿

トモ清水(Shimizu Tomo) プロフィール

20年以上ロッド開発者として釣り具業界に携わるスーパーマルチアングラー。ロッド開発を手掛けたブランドは、国内、海外、自社、OEM問わず、20社にも及ぶ。現場主義、実績主義をモットーに全国各地、世界各地、釣りに飛び回るガッつり系。常に自然と魚をリスペクトし、次世代の楽しいものづくりに挑戦し続け、世界トップクラスのロッド開発者を目指す。1977年9月生まれ。本名は清水智一(しみず・ともかず)

こんにちは、トモ清水です!

私は、ロッド開発という仕事に約20年携わらせていただいているのですが「どんなロッドを作ろうか」と考える時、やはりエンドユーザーが何を求めているのか、それをしっかり把握する必要があります。色々な方にヒアリングを実施し、そこから見えてきた答えとは…? 今回はそんなお話です。

究極の1本とは…トモ清水が考える究極の竿【目次】

いったい、どんなロッドをアングラーは求めているのか?

ヒアリングを実施することで見えてきた共通点、それは1本で何でも出来るロッド。不思議なくらい、釣りをすればするほど、釣り人が釣竿に求める要素として、汎用性の高さを求めるようになる、というのが1つの答え。

これほど細分化されている現代のロッドだからこそ、その反動でシンプルな構造を求めるのかもしれません。1本で何でも出来る代表格のロッドとして、どんなロッドを思い浮かべるでしょうか?

1つはエギングロッドが挙げられます。エギングロッドは、エギングだけでなく、シーバスやクロダイ、20g~30gくらいのメタルジグも投げられるだけあって、1本で何でも出来る万能ロッド。実際にエギングロッドが売れる理由もそういったことが考えられるかもしれません。

ベイトタックルの万能ロッドを作りたい

スピニングロッドでは、やはりエギングロッドが万能だとしたら、ベイトタックルで万能ロッドを作りたい。ということで最近はあるプロトのベイトロッド1本をメインに、あらゆる釣りに試してテストしています。

ソルトだけでなく、バスフィッシングで使ってテストしたり。

特に注目しているのが、管理されている管理釣り場でのバスフィッシング。こういったシチュエーションでは、専用のバスロッドは、オーバーパワーであることがほとんど。

よって今開発しているベイトフィネスのプロトロッドは、管理釣り場のバスフィッシングにベストといっても過言ではありません。なぜならば、より繊細に、より楽しく、よりゲーム性が増すから。

より繊細な理由は、通常のバスロッドの半分以下のロッド自重であること。

より楽しくなる理由は、通常のバスロッドより柔らかく、スローテーパーであることから、バットからブチ曲がるため。

ゲーム性が増す理由としては、軽量化から伴う高感度、繊細な操作性。

すべてにおいてより日本人が好きな要素を高めています。

あらゆる釣りを究極に楽しめるロッド

そもそも、バストーナメントシーンでない限り、バスに主導権を与えないという謳い文句のロッドは必要でしょうか?

バスフィッシングも他の釣りと同じ遊び、趣味で楽しむものです。トップトーナメンターと同じタックルを必ずしも使う必要がないのです。フナだっていい、鯉だっていい、あらゆる釣りのジャンルを究極に楽しめるロッドを作りたい。これが20年以上、ロッド開発をしていると出てくる次なる発想なのです。

淡水と海水、そもそも2つに分けることもナンセンスなのかもしれません。

ショアだけでなく、オフショアでもこの1本でテストしています。イカメタルもバチコンアジングも、この1本で出来る完成度。

ソルトベイトフィネス=究極のバーサタイル

実はイカメタル専用ロッドやバチコン専用ロッドも、ベースはソルトのベイトフィネスロッドだったりします。

よってソルトベイトフィネスのロッドは、「実は究極のバーサタイルロッドで色々な釣りに使える」というのが最大のメリットでもあり、特長であったりします。

だからこそ、是非ともこのロッドが完成した際には、アングラーの自由な発想で、あらゆる釣りのシーンで使ってもらうことこそが、私の実現へと向けた願いであり、これからの釣りの楽しみ方でもあると思うのです。

ベイトタックルの常識を変えるロッド

このベイトフィネスの新しいプロトロッドは、今までのベイトタックルの常識を変えるべく、新しい機能や性能を搭載していますが、アジングでこそ、その性能をハッキリと感じ取れることが出来るでしょう。

今まで不可能なことを可能としてくれたり、スピニングタックルでしか出来ない領域をベイトタックルで可能となったり、新たなステージへとアングラーを導いてくれるのですが、まず1g以下のジグヘッドが重く感じるほど、ロッドバランス、軽さが秀逸なこと。

これは実際に体験して頂かないとなかなか伝えきれないので、手に取ってぜひともこれが真実なのか確かめて頂きたいと思っております。

40cmを超える根魚はさすがに今開発中のスローテーパーロッドでは厳しいですが、20~30cm台の根魚であれば、十分獲れるし、そのスリリングなファイトを思う存分、楽しめます。

専用ロッドの必要性

メーカーは、たくさんロッドを売って、売上を上げる。これは企業として正しいやり方。新しい製品を開発し、市場に投入し、より快適な、より進化したタックルをアングラーに提供していく。

ただこれがメーカー目線の一方的ではあってはならない、という鉄則を忘れはていけません。売上を上げるためだけに、ユーザーの目線での開発ではなく、タックルをより細分化して、「この釣りには、この専用ロッドが必要です」といった売り方で、よりアングラーに沢山の釣竿を購入してもらい、売上目的のために開発する傾向もあるということ。

果たして本当に、専用ロッドが必ずしも必要なのでしょうか?

専用ロッドを買い揃えれば間違いない、これは安心を買うようなもので、自分でそのロッドの良し悪しを判断出来ない場合は、そういった選択肢でロッドを選ぶしかないのかもしれません。

しかし、釣りをやり込んでくると、このロッドはあの釣りにも使えるな、今度はあの釣りに使おう、というのが分かってくるものです。

よって自分で考え、経験を積むと必ずしも専用ロッドをいちいち買い揃えなくても良いのです。むしろ冒頭に述べたように、釣りをやればやるほど1本で何でも出来る究極の釣竿をアングラーは求めている、という傾向が分かってきました。

限界を超えたバーサタイル性能を目指して

何でも出来る、となると中途半端になりがち。そこで従来のロッド製法ではなく、新しい製法を今開発中。その新しい製法で、限界を超えたバーサタイル性能を持った次世代のロッドを考えているのです。

使うルアーに応じて必要な分ロッドが曲がり、魚の大きさによってロッドが仕事をしてくれる。よって軽いルアーからちょっと重いルアーまで幅広く使え、海水、淡水問わず様々な魚種が狙え、ショアからだけでなくオフショアも同時に使用出来る。そんな夢のようなロッドを目指して、新しい価値をお届けしたいと考えています。

究極の1本を目指して、開発中

さぁこのように1本で多くの釣りをカバー出来れば、どれだけ素晴らしいのか、ご理解出来たと思います。大消費時代はとっくに終わりを告げ、ものを大切に長く使う時代。だからこそ1本で何でも出来る究極のロッドを大切に使ってみたいとは思いませんか。

長く使うことで自分の腕の一部となり、使いこなせることでロッドの本来のポテンシャルを限りなく引き出すことも可能となるでしょう。だからこそ、ロッド開発者20年の経験をフルに活用し、今究極とも言える至極の1本を開発しています

完成に1歩ずつ確実に近づいています。新しい製法で新しい次元のロッドをお見せ出来ると信じています。非常識を常識に変えるロッド、そんなロッド作りに挑戦しています。

トモ清水でした!

See you next time!

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