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アジング深堀考察! ビギナーにも役立つ情報満載!

連載:トモ清水「ガッ釣りソルト」
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WEB連載「トモ清水のガッ釣りソルト第162回
『アジング深堀考察。ビギナーにも役立つ情報満載!』

トモ清水(Shimizu Tomo) プロフィール

20年以上ロッド開発者として釣り具業界に携わるスーパーマルチアングラー。ロッド開発を手掛けたブランドは、国内、海外、自社、OEM問わず、20社にも及ぶ。現場主義、実績主義をモットーに全国各地、世界各地、釣りに飛び回るガッつり系。常に自然と魚をリスペクトし、次世代の楽しいものづくりに挑戦し続け、世界トップクラスのロッド開発者を目指す。1977年9月生まれ。本名は清水智一(しみず・ともかず)

桜も満開になり、春分の日を超えて、夜の時間より昼の時間が長くなりました。冬の間はメバルが中心となるソルトのライトゲームですが、3月、4月と季節が進むにつれソルトのライトゲームは、アジングの比率が高まってきます。

ちなみに、現在の3月下旬という時期は、まだまだアジの釣果は安定しないのですが、出ればビックサイズと大型を狙える時期でもあります。
場所によって異なりますが、全国的に安定した数釣りはもう少し時間が掛かります。

というわけで、今回は人気のアジングに関して、ロッド設計者の観点からみた深堀考察をしていきたいと思います。

どんなシチュエーションでタックルを使い分ければよいのか? もっと釣果を上げるための方法など、少しマニアックな話も混ぜながら、出来るだけ分かり易く解説していきたいと思います。

アジングは大型狙いと小型狙いでタックルを使い分けた方が良いのか?

同じアジングでも、豆アジサイズと尺オーバーを狙っていくには随分、狙い方、使用するタックルが変わってきます。もちろん標準的なアジングと名前のついた専用のロッドであれば、どちらのサイズも十分狙えます。ただしロッドによっては豆アジのフッキング率が悪い、アタリがあっても中々掛からない、アタリさえ取れない、といったケースも発生します。

ですのでアジングをやり込めばやり込むほど、沢山釣るアングラーは自然とロッドを使い分けています。
もっと言えば上手い人はどんなタックルであれ、そのタックルの特性に応じて、テクニック、操作やリグで対応し、アジャストさせ釣る人とも言えます。

逆に言えば、アジング初めて挑戦したい、といったビギナーこそバランスが整ったタックル選びをした方が、イージーにアジの釣果を上げやすいと言えます。

 

では、まずはロッドの特性によって、どんなものが良いのか見ていきましょう。

アジングにはどちらが向いている?
ファーストテーパー? それともスローテーパー?

アジングのブームは、主に広島といった干満差のある瀬戸内海を中心としたエリアから発展していきました。

水深も潮の流れも強いエリアで開発されたアジングロッドは今の主流のアジングロッドを築いたといってもよいでしょう。よって市場にあるほとんどのアジング専用のロッドはファーストテーパーの掛け調子。いわゆるパツン、パツン系のロッドになります。

そんな高弾性で張りのあるパツン系ロッドは、例え水深が5mを超える10mという水深でも、しっかりとアジのアタリをロッドに伝え、硬い上顎をジグヘッドの針が貫通させることが可能です。

また潮が速くとも、風が強くとも、竿がブレることなく操作出来て、積極的な掛ける釣りを実現しています。これらが出来るロッドがアジング専用のロッドだ、と言われ続けてきました。

 

しかし今のアジングシーンを見てみるとどうでしょう。
アジングブームが過熱されることによって、フィールドの開拓が進み、今ではアジングは全国区的に広がりを見せ、様々なフィールド、シチュエーションでアジングが楽しまれています。

すると日本海のような潮の干満差がなく潮流が緩いところでは、また違った調子のロッドが求められるようになってきたのです。
水深が浅く、潮流が緩くフィールドでは、スローテーパーのようなアジングロッドがいかに最適なのか! が、ようやく分かってきたのです。

そんな中、テクノロジーが進化し、リアルフィネスという100%カーボンで作られた特殊なTAF製法という技術で、スローテーパーでもダルくなく、軽量で高感度なスローテーパーロッドが可能となり、「アジングロッド=パツパツ系の掛け調子」という図式(常識)がなくなりました。

こういった流れを見て、私みたいなロッド設計者、開発者は既成概念に捉われることなく、新しいことにチャレンジすることに大きな意味があると感じています。

リアルフィネスのスローテーパーモデルはまさにそういった挑戦によって生まれた新たな概念のアジングロッド、革命を起こしたロッドと言えます。

エラディケーター・リアルフィネスの解説動画

 

リアルフィネスのスローテーパースペシャルは、アジングロッドの常識を変えたロッドです。

リアルフィネスの製品ページはこちら

amazon販売ページ(アブガルシア エラディケーター リアルフィネス プロトタイプ

さて、アジングには「ファーストテーパー」「スローテーパー」どちらがイイのか? という問いの答えなんですが、最終的に私の考えは以下の通りです!

水深がある、潮流も早い、といったシチュエーションではファーストテーパーの掛け調子がベスト。

水深が浅く、潮流も緩く、風も弱いといったシチュエーションではスローテーパーの乗せ調子がベスト。

これがタックル選びが一つの基準になると思っています。

次はアジのサイズで選ぶロッドを考察していきましょう。

アジのサイズによるロッド選びについて

15cmにも満たない豆アジが多い夏の時期、特に夏の日本海に見られる傾向ですが、いわゆるパツパツ系の掛け調子のアジングロッドでは、掛けるのが難しい、といった経験が多くのアングラーにあるのではないでしょうか!?

アジのサイズが小さい場合は、ジグヘッドの重さを0.6g以下にし、ワームのサイズも落としていくようなケースが多いと思いますが、その場合、パツパツ系だとロッドが硬すぎて、操作も難しく、アタリがあっても弾いてしまうことが頻発します。

そういった状況を打開するのに最適なのが、スローテーパーのアジングロッドです。

残念ながらスローテーパーのアジングロッドはまだまだ市場に少なく、あったとしても感度があまりよくない、少し重くダルいケースが多いと思います。

しかしリアルフィネスのスローテーパーのアジングロッドを使えば、ジグ単の掛けるスタイルにも対応できます!
小さな豆アジのアタリでも、アタリを弾くことなく素直にティップからベリー部が入って、むこう合わせでフッキングできます。また0.5g以下のジグヘッドも遠投、操作しやすいです。

硬いパツパツ系のアジングロッドの場合、キャストする時は、どうしてもティップの先だけで投げるので、超軽量なジグヘッドを飛距離出してキャストするのはコツや慣れが必要ですが、スローテーパーのアジングロッドは全体にジグヘッドの重みを乗せてキャスト出来るため、簡単に遠投が可能なのです。もちろんサイズが小さくともロッドが曲がって楽しめるのも大きなメリットになります。

逆に尺前後の大きなアジを狙う場合は、どんなアジングロッドでも十分に釣り上げることは可能です。
場所によっては長いレングスが有利な場合もありますが、ファーストテーパーの掛け調子でもスローテーパーのアジングロッドでも尺オーバーのアジは狙えます。

ロッドが弱すぎて獲れないというシチュエーションは稀だと思いますので、特別なロッドは必要ないと感じています

。実際に尺アジ専用というアジングロッドは、私の知る限りあまり聞きません。
むしろ尺を超えるアジを狙うには、まずはフィールド選びとタイミングが重要だということです。

一方どこでも狙える豆アジ、小アジサイズを狙うほうが、タックル選びがいかに重要だということを忘れてはいけません。

アジングには、どちらのティップが向いている?
チューブラー? それともソリッドティップ?!

続いてティップの種類について。

一般的に釣竿には、中空構造のチューブラーティップと、中までカーボンが詰まっているソリッドティップと大きく分けて2種類存在します。

現在、アジングロッドにおいては、より先径がφ0.7mm以下といった細く繊細に出来るソリッドティップが主流です。

でも一般的にはチューブラティップの方が感度が高いとされていますが、チューブラだとどうしても先径がφ1mm以上と太くなってしまうのが欠点となります。よって少し硬くなるので、繊細なアジングにはソリッドティップの方が良いとされてきました。

しかし、その常識を覆したのが先ほど説明させて頂きました、リアルフィネスのスローテーパーモデルの存在なんです。

繊細に、魚のバイトを弾かないためのロッドというと、どうしてもティップの硬さに注目がいきがちですが、実は、それが必ずしも正解ではないということなんです。

どういうことかと言いますと、ティップも大事ですが、ティップから続くベリー部も実は重要なんです!

その点リアルフィネスのスローテーパーモデルを使えば、簡単に理解して頂けるのですが、スローテーパーのロッドは自然にベリー部、そしてバット部まで綺麗に満月状に曲がります。これがどういうことを意味しているかといいますと、アジの小さなアタリがあっても、自然にベリー部まで曲がるので、魚に違和感を感じさせずにルアーを深くバイトさせることが可能なんです。

リアルフィネスのスローテーパーモデルは、よくソリッドティップと勘違いされるのですが、チューブラティップです。その硬いチューブラティップでも小さなアタリを弾かないのはベリー部の硬さに秘密があってkティップから素直にベリー部に曲がりを伝達する能力が長けているんです。

 

ソリッドティップのアジングモデルは、ほぼファーストテーパーの掛け調子で、ベリー部に張りを持たせているのが特徴で、小さなアタリを即座に掛けていく仕様になっています。よってその瞬間を見逃すとフッキングは難しくなります。

アジは違和感を感じるとすぐにワームを吐き出すか、口の中まで入らないといったことが起きてしまいます。

よってアジングはテンション抜けのアタリやショートバイトをいかに早く感じて、掛けられるかというのが、一つのゲーム性になっていたのです。そのゲーム性は20cmのサイズのアジであれば容易く電撃フッキング出来るのですが、10 cm前後となるとそうはいきません。どんなに即フッキングしても乗らないのです。

 

アジングは考察が面白い釣り

アジングはシチュエーション別で魚を探す楽しさや、アジャストする楽しさ、またタックルの使い分けをする楽しさなど、頭で色々考える楽しい釣りです。考

察が深く出来る釣りであるが故に、何だか簡単なアジングを難しく語っているようにベテランのアングラーは見られがちなのですが、決してそれはアジングが難しい釣りということでもなく、スキルや技術をアピールしているわけでもなく、考察することが面白い釣りなので、ついつい多くを語りたくなります。

それほど頭で考えれば考えるほど楽しくなる釣りなのがアジングの魅力です。

でも本当に魅力なのは、アジングは難しくなく、アジさえいればタックルさえ間違っていなければ釣れる釣りなのですから人気が出るのです。

例えば以下に挙げたいくつかの動画をチェックしてみてください!
大村さんはお会いしたことは無いですが、この方は考察系アジングアングラーだと私は思っています。この方の動画を参考にすれば、もっと道具への理解度やアジングの考察具合が深まると思います。

 

アジングをやっていると色々な魚種が釣れアングラーを楽しませてくれます。

またアジングロッドはかなり汎用性が高く、ソルトのライトゲームを全般的にこなせる懐の深さがあります。アジングロッドで、メバルやカマス、メッキやショゴを狙うことは別に悪いことではありません。

私自身、アジングロッドはソルトのライトゲームの代表格ロッドと思っています。

SaltyStageプロトタイプ・アジングロッドの製品ページはこちら

amazon販売ページ(SaltyStage プロトタイプ アジング XAJS-552ULT-ST

続いて紹介したい動画はこちらっ!
こちらは三か月で4万以上の再生回数を頂いております。ありがとうございます!

というわけで今回はアジングをタックル、特にロッドという観点、開発者立場から少し深堀してみましたが、まだまだ書ききれないほど色々な考察が出来ますので、今回はここまでとなります。

もっと分かり易く、アジングがもっと楽しくなる内容で今後ともお伝えしていきたいと思います。
次回はジグヘッド、ワームの種類におけるアジング釣果アップの秘密とか、ですかね!?

トモ清水でした!
See you next time!