今江克隆のルアーニュースクラブR「緊急解説!春爆が起こりやすい日の特徴は? 潮回り、天候、風に法則はある?」の巻 第1092回
さて、先週は「TU-01」の実戦インプレを紹介したが、今週は今回のロケでも痛感させられた「早春の落とし穴」と「早春の意外なビッグバスタイミング」について紹介しよう。
暖かい日のあとの雨と大潮
まずはじめに、早春の釣行でベテランでも何度となく痛い目に遭う春の落とし穴だが、たいていのアングラーが春爆を意識する春のキーワードとして「暖かく穏やかな日が続いたあとの雨の日」、そして「大潮」がある。
今回のロケ釣行も、まさに4月上旬並みの暖かい日が4日続いた後の雨で、しかも大潮直前。
当然、ビッグベイトでイケイケ春爆を期待してしまうベストタイミング……に、思えた。
確かにこのタイミングは一見、最高に思える。しかし、現実的には「雨」は諸刃の剣で、思い返せばたいては「こんなはずでは……」になることの方が多い。
特に朝から降り続く雨は、よほどの暖かい適度な雨でない限り、早春の雨は温まった表層水温をイッキに下げるネガティブ要素が勝り、シャローに差し始めていた見えバスをあっさりと消し去り、バスのテンションをもイッキに下げてしまうことの方がはるかに多い。
キー水温は「8度」
この時、非常に重要なのが雨の降る前日の水温が何度だったを正確に知ることなのだが、釣行前に前日水温を正確に知ることは難しい……。
そして同時に、この時期の平均的キー水温「8度」以上か以下かを知ることで、さらに判断が付きやすくなる。
経験的に8度から1度下げる雨は「ネガティブ」にしか、まずならない。
逆に8度から2度以上水温を上げる雨や流入は、まさに春爆のサインになることが多い。
だが、たいていこの3月中旬までの雨は期待と裏腹にネガ要素がほとんどで、ポジティブ要素に変わるのは、4月頭頃からの水温をイッキに上げる暖かい雨である。
頭で分かっていても……
したがって、この時期、暖かい日が続いても雨が降ったら甘く考えず、一番手堅い春の釣り方に最初から切り替えることが、よい釣りをする秘訣だ。
その手堅い釣りの筆頭が、暖かい水層を求めてサーモクライン上に回遊する小型のベイトを意識したミドスト、ホバスト、カバー吊るし等の釣り方だ。
ボトムは比重の重い冷たい水の層となるため、底を釣ると苦戦するのも、この時期の特徴だ。
だが、そう頭で分かっていても、暖かい日が続いた後の雨ではビッグベイトを試してみたくなるスケベ心が頭をもたげるのが、釣り人の性根。
この「時と場をわきまえないストロングなスケベ心」は、往々にして1日のリズムを修正不能にしてしまう早春の最大の落とし穴になることを心しておきたい。
「春爆」が起こりやすい日の特徴は?