日本列島を2週続けて襲った台風21、22号により一気に季節が深まった各地のフィールド。週末の度に訪れる台風のせいで釣りにいけない…と気を揉むこともあったが、その恩恵というべきだろうか、河川絡みのフィールドではシーバスが好調だ。
秋のシーバスといえば「荒食い」というキーワードがパッと思いつく。冬の産卵に備え体力を蓄えるため、ベイトとなる小魚や甲殻類を果敢に捕食する行動を差すわけだが、この時期の個体はコレによって驚くほどコンディションがよくパンパンに太っている。そのため、ファイトも粘り強くトルクフルなモノとなるため、シーバス独特の引き味を楽しむことができるのだ。
そんな秋のシーバスを狙ううえで基本となるテクニックの1つが「ドリフト」だ。主に河川などの流れの効いたフィールドで使われるこのテクニックは、流れてくるベイトを捕食しているシーバスに対し、非常に効果的。特に落ちアユなどのベイトが絡むエリアでは使用頻度が高い。
シーバスに効く「ドリフト」ってどんなテクニック?
ドリフトとはその名の通り、「流れ漂わせること」を差す。河川や潮の流れにルアーを同調させるように漂わせるのが、このテクニックの基本的な概念となる。そのため、普段、ルアーをアクションさせるようなノーマルリトリーブやアクションは必要なく、むしろそれを行うのは逆効果とも言える。
方法は非常にシンプルで、流れに乗せるようにルアーを下流へと流していくだけ。この時のリーリングはラインスラックを巻き取る程度でよく、あくまでナチュラルに流れるベイトを演出することがキモとなる。不用意なアクションはバイトを減らすだけなので要注意。
ドリフトで主に使用するルアーはフローティングミノーやシンキングペンシルといった流れを受けて、自然にフラフラと漂うモノがよい。もちろん、それ以外のルアーでもドリフトは可能だが、まず基本から抑えるにはこの辺りのルアーが最適だろう。
食わせのタイミングとしては、フラついているルアーの姿勢が崩れたタイミングとなるのだが、中でも特に多いのが漂うルアーが方向を変える瞬間だ。この時、ルアーの頭の向きが下流側から上流側へクルッと方向転換をする。ここでドンっ!とバイトするイメージだ。このタイミングを意図的にブレイク周辺や明暗部で行うことで、狙ってバイトを誘発させることもできる。
このテクニックをマスターすれば、流れの中に潜むシビアなランカーですら捕らえきることも夢ではないはず。先日行った上地一史氏による実釣でも、ドリフトを主としたスタイルでリバーゲームを攻略しているので、コチラの動画も合わせていただき、秋の荒食いシーバスを仕留めていただきたい。