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【フック選びも重要】サイズごとの使い分けとタックルセレクトも参考に!TOP50佐々一真の「野良ネズミ」フル活用テクニック

寄稿:佐々一真
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皆さんこんにちは! 佐々一真と申します。

夏に突入して暑い日が続きますが、そんな中でこれから面白くなってくる釣り方の1つが表層ゲーム!

私は毎年この季節になると「野良ネズミ」【ティムコ】と呼ばれる、エラストマー素材を採用した表層系ソフトベイトを使うことが多くなるのですが、このルアーを使う中で重要となるのが「各モデルの使い分け」と「タックル&フックセレクト」。

今回はこれらをテーマに、自分なりの使い方や考えなどを紹介していこうと思います。

佐々 一真(SASSA KAZUMA) プロフィール

JBTOP50参戦中で、山中湖をホームグラウンドとする若手注目株。ルーキーイヤーの2016年は総合10位を収め、2017年もTOP50第1戦最終成績2位を獲得している実力の持ち主。1989年生まれ。

 

今になっては全6種類が揃う! 野良ネズミシリーズ

最初は1種類だった野良ネズミも、今では「野良ネズミ」、「野良ネズミウルトラ」、「野良ネズミ マグナム」、「野良ネズミ エンペラー」。

また、エコモデルである「野良ネズミ ECO」と「野良ネズミ マグナム ECO」を合わせると計6種類がラインナップされています。

 

その中でも良く多用していて、比較的多くのバスをキャッチできているのが「野良ネズミ」、「野良ネズミウルトラ」、「野良ネズミ マグナム」の3種類。試合によっては、エコモデルを使った2種の使い分けになりますが、基本はこの3種を軸にしています。

「野良ネズミ」は見た目の通りネズミ形をしているワームなのですが、オフセットフックをセットしてフロッグのように使用するというのが基本的な使い方。

 

フックセット方法

まず、セット方法についてですが、ボディの先端と目の中間くらいの所からフックを刺して前足のあたりから抜きます。

 

次にお腹のスリットがなくなるところから刺し、背中に抜いてスリットの中にフックが隠れれば完成です。

 

少し出っ張った耳と背中のスリットでフックポイントを隠してスナッグレス性を保ちながら、エラストマー素材特有の超ソフトボディと耳から背中にかけてのくびれで、バツグンのフッキング能力を発揮します。

フロッグほどプカっと水に浮かないため、水をシッカリ押してくれるし、バイトした時にはじかれたりすることも少なく、スキッピングもしやすいのでオーバーハングやレイダウン、ブッシュの奥まで狙うことができます。

 

野良ネズミとの出会い

「野良ネズミ」との出会いはさかのぼること4年前。

2017年の夏に開催された、「Basser Allstar Classic THE WILD CARD in 旧吉野川」。同年秋に開催される「Basser Allstar Classic」への参戦権最後の一枠をかけた戦いでした。

旧吉野川の下見を終えて、一旦山梨に戻った僕は下見の印象から求めているルアーがありました。

 

それがスモールフロッグ。ですが当時、まともに動いてフッキングが決まるスモールフロッグなんてどこにもない。

そんな時に知人が見せてくれたのが「野良ネズミシリーズ」でした。手に取ってスグに私が求めているルアーはコレだと確信しました。

そして再び旧吉野川にもどって、直前練習に突入すると毎日5本で5kgは釣れる状態で、試合では6kgくらい釣っても勝てないのではないかと思ってしまったほどでした。

 

さすがに試合は厳しい展開になりましたが。何とかリミットメイク。5キロオーバーで優勝することができました。

それ以降「野良ネズミ」にはずっとお世話になっています。

 

サイズごとの使い分け

私が多用している3種類のサイズ感ですが、「野良ネズミ」が88mmで4g、「野良ネズミウルトラ」が100mmで6g。「野良ネズミマグナム」が125mmで10gです。

全長を見ると意外と長いと思われますが、ネズミというだけに長いしっぽがついています。

このしっぽが全長の半分かそれ以上を占めているため、実際のボディは半分か半分以下といったトコロです。

僕の個人的な印象ですが、「野良ネズミマグナム」が一般的なフロッグのサイズ感で、「野良ネズミ」と「野良ネズミウルトラ」はスモールフロッグ。

 

1つはアピールの強弱で使い分ける

つまり、アピール力の強弱で使い分けています。「野良ネズミ」が一番小さいので、水押しが弱くシルエットも小さいのでアピールとしては最弱。「野良ネズミウルトラ」が中間。

「野良ネズミマグナム」のボディは大きいので、水押しとシルエット共に大きくてアピールが強いです。

「野良ネズミエンペラー」を加えれば最大アピールですね。

バスと水面までの距離が遠かったり水面が波立っていて気づかせづらい状況ではサイズを上げていき、反対にバスと水面までの距離が近かったり水面が穏やかならサイズを下げていくとOK。

 

環境に応じた使い分け

もう1つは、環境での使い分けになります。

カバー周りでの使用率が高いルアーなだけに、バスをかけた後に「このタックルでキャッチできるか」をアプローチする前に考えることがとても大事になってきます。

使う時はほぼPEラインを組んだタックルが大前提となりますが、サイズが上がるごとにPEラインを太くしていき、ロッドも強いものになるので、「このタックルなら十分にキャッチできる」と思えるタックルで挑むことがオススメです。

 

サイズ別タックルセッティング

では、僕が実際に使用しているタックルセッティングを紹介していきます。

 

野良ネズミ

ロッド:エクスプライド265UL+(スピニング)【シマノ】

リール:ヴァンキッシュ2500SHG【シマノ】

ライン:ピットブル 8+(0.8号)【シマノ】

フック:T・N・Sオフセット(#1/0)【ハヤブサ】

 

まず、ロッドに関して「UL+って少し軟らかすぎるのでは?」と思われるかもしれませんが、PEラインを使うからといってパワーフィネス系の強めのタックルで行うと、手首への負担が大きすぎて長時間高速ドッグウォークを続けられないことがあります。

また、カバー周りで求められるキャスト精度が出せないことから、「野良ネズミ」を投げる際と動かす際にシッカリ曲がってくれるロッドを選んでいます。

ただ、ドラグはかなりきつめにしていてフッキング時に「ジッ」と少し出るくらい。その後はファイト中にドラグ調整していきます。

 

続いて、リールは基本的に2500番台を使用しています。

最近はリールの軽量化が進んでいますが、あまり軽すぎるリールを使用するのはオススメしません。

ヴァンキッシュ」と記載しましたが、もう少し重量のあるものでもイイと思っています。理由は動かす際にリールの位置が起点になるため、ここを軽くしてしまうとブレて動かしづらくなってしまうからです。

そして、ラインはPE0.8号を基本的に使用。カバーが多いなど0.8号では心もとない場合は1号、1.2号と上げていくこともありますが、1.2号くらいから操作がしづらくなってくるので、1号くらいを限度にしています。

フックは「野良ネズミシリーズ」にベストマッチの「T・N・Sオフセット」(#1/0)。「野良ネズミ」は使っているうちに少しずつフックがズレて、障害物に引っ掛かってしまうことがあります。

ハヤブサ公式「T・N・Sオフセット」詳細ページはこちら

 

そういった時は「T・N・Sオフセット」(#1)にサイズを下げることで、障害物に掛かってしまうことを減らすことができます。

カバーが濃すぎて引っ掛かるリスクがある時は、フックサイズを下げることによって軽減できるので、状況に合わせて使っていただければと思います。

 

野良ネズミウルトラ

ロッド:エクスプライド267L+(スピニング)【シマノ】

リール:ヴァンキッシュ2500SHG【シマノ】

ライン:ピットブル 8+(1~1.2号)【シマノ】

フック:T・N・Sオフセット(#2/0)【ハヤブサ】

 

「野良ネズミウルトラ」の場合も、「野良ネズミ」とタックルの考え方は基本的に同様。サイズが上がっている分、全体的にパワーアップします。

そして、この「野良ネズミウルトラ」がオリジナルに負けない強みがあります。それはブッシュに対する貫通力です。

葉っぱや細い枝でガードされているけど奥にはルアーを動かせるスペースがあるような場所って結構あると思います。

 

そんな時に「野良ネズミ」で貫通させようとすると、自重が軽い分貫通力が足りず負けてしまうのですね。

そこで「野良ネズミウルトラ」の出番です。

野良ネズミよりも若干自重があるため、「野良ネズミ」では貫通させるのが若干辛いような場所でも貫通して奥を狙うことができます。

 

野良ネズミマグナム

ロッド:エクスプライド165ML+(ベイト)【シマノ】

リール:メタニウムHG【シマノ】

ライン:PEライン(50~60Lb)

フック: T・N・Sオフセット(#3/0)【ハヤブサ】

 

先日、北浦で行われた「JB TOP50第3戦SDG-Marine CUP」でのメインタックルです。

ロッドがML+とフロッグを使うには少し弱いロッドパワーに思われるかもしれませんが、近距離での複雑な場所や自由にロッドを振るスペースがないような場所でのキャストが多かったこと、「野良ネズミマグナム」のアクションを重視したかったことから、このロッドをチョイスしました。

 

高さのあるストラクチャー越しでのアプローチも多く、細いPEラインを使う「野良ネズミ」ではシッカリ動かせないような場所でも太いPEラインが使えることでラインの重さを利用してシッカリ動かすことができたり。

魚をかけた後も余裕をもってストラクチャーを交わしながら、抜き上げることができるのは強みでした。

 

今回トーナメントだったので、エコモデルの「野良ネズミ マグナム ECO」を使用しましたが、チョイスした理由は「野良ネズミ エンペラー」に次ぐアピールの強さ。

他のサイズではアピール力が弱く、魚に気付かせるだけのアピール力を出したいことで、自身が使用する中で最も強いマグナムを選びました。

また、マッディウォーターでもシッカリとシルエットが出ていて、バスから視認がしやすいブラックカラー(リトルデーモン/エコモデル)を選んでいます。

 

リトルデーモン

 

「野良ネズミ マグナム ECO」や「野良ネズミマグナム」には「T・N・Sオフセット」(#3/0)がベストマッチ。

先日の試合で約半分のバスをこのタックルで釣りましたが、取れなかったバスは1本だけという驚異の確率でした。

 

カラーセレクト

最後にカラーセレクトについて話したいと思います。

僕が一番重要視しているのはキャストした時に、「野良ネズミ」が最後まで見えること。

ストラクチャー周りを攻めることの多い「野良ネズミ」ですが、そもそもストラクチャーを狙う時に大事なのは影があること。

太陽が出ている時に日が当たっている所より影を狙いますよね。そんな時に見えづらいカラーを使用すると、影に入った瞬間に見失ったり、投げたいところに投げられなかったり。

どこを通しているのか分からなくなってしまいます。そうなってしまうとせっかくの場所も台無しになってしまうので、僕はカヤネズミ系の見やすいカラーを使用するようにしています。

 

カヤネズミカイ

 

ということで僕なりの「野良ネズミ」の使い分けやセッティングについて書いてみました。

すでに「野良ネズミ」を使用しているという方もそうでない方も、この記事を参考にしていただいて、「野良ネズミ」を躍らせていただけると幸いです。

 

ハヤブサ(HAYABUSA )

日本有数の金物のまち、兵庫県・播州三木を拠点とする1970年設立の老舗ハリメーカー。多数の釣魚種に対応した高品質なフックを多数輩出中! バスブランド「ハヤブサBASS」やアパレルブランド「FREE KNOT(フリーノット)」、トーナメントブランド『鬼掛(ONIGAKE)』など多くの人気ブランドを展開中。