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琵琶湖バスガイド・礒村雅俊流リーダーレスダウンショット攻略術

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琵琶湖のバス釣り完全ガイド

礒村雅俊(Masatoshi Isomura) プロフィール

礒村雅俊(いそむら まさとし)…ラグゼプロスタッフ。琵琶湖におけるバスフィッシングのプロガイド。釣れるテクニックをわかりやすく解説し、スキルアップできるうえに高確率でデカバスに会えるとして人気。繊細なワームの釣りはもちろん、トップ、ビッグベイト、クランクベイトなど、ダイナミックなゲームも得意。南湖をメインにフルタイムガイドとして活躍し、その季節とタイミングに合った釣りを心がけている。同じく琵琶湖プロガイドである関根健太とルアーメーカー「KID」も立ち上げている。1985年生まれ。趣味はサッカー観戦。

高比重ワームのノーシンカーリグが主流となっている現在の琵琶湖に置いて、礒村が絶対に変えないパターンがある。

それが新芽の生え出す5月初旬からのリーダーレスダウンショットのパターンである。

いったいなぜ、礒村はダウンショットにこだわるのか。ノーシンカーにはできなくて、ダウンショットにできることは何なのか。

今回はそのリーダーレスダウンショットの礒村流ローテーションを取材した。

琵琶湖に生えるウィードの新芽を狙うといっても、5月初旬ともなると南湖全体に新芽が生え始めている。その中でも礒村が狙うのは南エリアのウィードだ。

「5月初旬になると例年、6本柱(今はないので元6本柱跡)からプリンスホテルを結んだラインのウィードの新芽が成長し、他よりも少し背が高くなります。その背の高いウィードがほどよい間隔で生えているエリアがリーダーレスダウンショット場になりますね」

狙う魚はポストスポーンからアフター・回復系の個体である。

このタイミングのバスは産卵を終え、ストラクチャーやボトムにタイトにつくことはしない。バスが背の高いウィードを縦のストラクチャーととらえて、ウィードに対しサスペンドする形になるのだ。

そのサスペンドしている魚をリーダーレスダウンショットで狙っていくという。

魚のポジションを知る

「まず大事なのは魚のポジションを知る事です。これはどんな釣り方にもいえますが、バスがウィードのインサイドにいるのかアウトサイドにいるのか、それを見極めないと魚に出会う確率が下がりますね。放水量が少なかったり、日が高くて暑かったりする時は背の高いウィードの陰に入ってじっとしています。風が吹いたり、ベイトが周囲にいる場合バスはウィードのアウトサイドに出てきやすいです」

最新設備の魚探を備えた礒村のボートに乗れば、魚のポジションが明確に見て取れる。

しかし、レンタルボートやオカッパリとなれば、魚探はない。そういった場合には、風や流れに対するバスの習性を知っておくことで狙う場所を絞りやすい。流れがない、ベタ凪、好天ならウィードの奥。流れが強い、ベイトが確認できるならウィードの上や周辺をまず狙ってみる。

「背の高いウィードに対しサスペンドしている時は、なるべく密度の濃いウィードを選びます。使うのは7gのリーダーレスダウンショットで、ワームはストレート系のワームが良いです」

多用するLDマスターショット・スリムシンカーTG(ラグゼ)にG2ストレート(KID)の組み合わせ

礒村はLDマスターショット・スリムシンカーTG 7gにG2ストレート6インチの組み合わせを多用する。もっとも、ウィードの高さによってシンカーウエイトは変わる。低めのウィードなら5gを使う。また、ウィードの密度が濃く7gではボトムを取れない時は10gのウエイトに変える。

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リーダーレスダウンショットが使いやすいわけ

ところで、なぜリーダーレスダウンショットなのだろう。ウィードに引っ掛けたシンカーをほぐす釣りであればテキサスリグやフリーリグでもよいのではないか。

「ほぐして誘う」そのイメージがそもそもの間違い

「リーダーレスダウンショットを選ぶ1番の理由は、ウィードに対してしっかりと上にルアーを持ち上げる事ができるからです。そもそもウィードをほぐして誘うっていうイメージが間違いです。リーダーレスダウンショットはウィードを利用してリグを持ち上げ、最終的にはウィードトップでリグを外してフォールさせるイメージなんです。ウィードトップでリグを外した時に滑らず、垂直にフォールしてくれる事でバスのスイッチを入れる事ができるんですよ」

ラインがやわらかくウィードに絡んだ状態を保ったまま、リグをストロークの長いソフトなアクションでウィードを登らせる。登りきったところで、ワームが跳ねることなく、藻のトップから垂直に落下するアクションを演出する。

藻に絡んだ状態でシェイクするとか、藻のはるか上まで跳ね上げるとか、あるいは藻を切り裂くような急なアクションはしない。エビが跳ねるように4回ほどのジャンプでウィードを登りきり、逃げ場を失って落下するようなイメージで操作するといい。

ロッド操作は意外にも単純である。ウィードにリグを絡めたまま、3~4回アクションを加えリフトしてくる。この時、リグがウィードから外れてしまわない様に気を付ける。

ストロークの長いアクションと垂直フォールがキモ

細かくアクションするのではなく、大きく、ストロークの長いアクションをするイメージで動かす。ウィードから外れた所でラインテンションを緩め、リグを垂直フォールさせる。基本はこの繰り返しである。

「変える所があるとしたらフォールスピードですね。ストレート系のワームはフォールスピードが速くなるので、ゆっくりと落としたい時はクロー系ワームを使います。バルビュータ3.5インチかドライブクロー4インチなどの水をつかむ系のやつがいいです」

ワームカラーは基本的にウィードの色に合わせる。なるべくワームの存在を消すためだ。エビ藻やセンニン藻はスカッパノン系。小カナダモはグリパンチャートやグリパンブルー系がいいという。

バルビュータ

ドライブクロー

ロッドはイフリート

背の高いウィードを狙う際は高さを出す為に、イフリートB70MH‐Fを使う。背の低いウィードや密度が薄いエリアでは、操作性を重視し、イフリートB64MH‐Rを使う。これは5g、7gとも同じだ。

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ベイトの存在

ここでふと疑問に思うことがある。10g以上のリーダーレスダウンショットは出番が無いのだろうか。

「ギルがたくさんいた時は10g以上のリーダーレスダウンショットをよく使いました。その時はウィードの密度も今より濃かった事もありますが、早いスピードで落とす事でバスのスイッチが入ったんです。でも今はギルも減ったし、ウィードも薄くなった事で出番が減りましたね」

しかし、ギルが減ったとはいえ、少なからずギルの溜まるエリアもあるという。その同じエリアにはフライやワカサギといったベイトがたまる事も多い。そんな時は10gを超えるダウンショットでもいいが、どちらかといえばラバージグのパターンが有効だと礒村は語る。

「エビ藻やカナダモの隙間を打つ時は、5g、7gのラバージグにブルフラット3.8インチかスタッガーワイドツインツインテールをトレーラーにします。基本アクションはリーダーレスダウンショットと同じで、ウィードに沿わせてリフト&フォールです」

ブルフラット

スタッガーワイドツインテール

ラバージグの重さやトレーラーに使うワームはエリアやベイトによって変えて行く。ウィードのアウトサイドやカレントのあるエリアではフォールスピードを出すために10g以上のジグにバルビュータやダットカットを使う。

ダットカット㊤やバルビュータは10g以上のジグでフォールスピードを出したい時に

ラバージグに使うロッドは基本的にイフリートB70H‐RFだが、エビ藻周りなどのようにパワーファイトが求められる場所ではイフリートB74XH‐Fを使う。このパターンの場合、ジグを丸飲みにする事が多いため、フッキングは巻き合わせの方が掛かる確率が上がる。使用ラインはフロロ20lb以上がよいだろう。

がまかつ(がまかつ)

1955年創業。大阪府大阪市に本社を置き、シンガポールに本店を置く。釣り竿、釣り針、ウェアなどをメインに製品を開発・製造・販売を行っており、ルアー部門では「ラグゼ シリーズ」が有名である。