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【遂に完成】10周年記念ロッド「アドバンスメントUBR-510」!家邊克己がボートアジングで最終テストを行った様子をレポート

連載:家邊克己の「週刊!アジングマニアックス」
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「アドバンスメントUBR-510」の最終テストサンプルができ上がってきました。

トップの調整は既に終わりましたので、今回はバット部分である#2だけの調整です。

何をしたいのかと言いますと、今回のロッドは#1のトップがかなり「しなる」ので、しなることによって起こるロッドの揺れを#2の元の部分でシッカリ受け止めて、ブレを止めなければいけません。

別に止めなくても釣りはできますし、それはそれでありかなとも思うのですが、「誰もが投げやすく釣りやすいロッド」にするにはその部分の調整が必要になってきます。

では、それをどのような形で前回のプロトから変更していくのか? 今回は変更内容と、実釣テストの模様を紹介させていただきます。

家邊克己 Yabe Katsumi プロフィール

サーティフォーCEO、製品開発責任者。全国津々浦々、アジが釣れると聞けば、ドコへでも足を運び、実際に釣って、アジングの楽しさを広く世に伝える、まさに「アジングの伝道師」というべき人物。かなり頻繁に全国各地で参加費無料のアジングセミナーも開催中! 釣具メーカー「34(サーティフォー)※社名は[みんな幸せに!]に由来」を立ちあげ、自身のノウハウを詰めに詰め込んだ製品開発に没頭中。京都府出身、福岡県在住、1958年9月生まれ。

 

2種類をサンプルを試作

前回のプロトは#2の部分がまだ柔らかく#1のしなりのパワーを十分に吸収しきれていなかったので、その部分をパワーアップさせるにどうするかと色々考えました。

アドバンスメントUBR-510

サーティフォー公式「アドバンスメントUBR-510」詳細ページはこちら

 

単純にカーボンのプライ数を増やして強くするのか? 形状を変えて強くするのか? を考えた時に、極端なテーパーにしてブレを支えたらどうなるかを試してみたくなりました。

そこで#2の元径を太くして急テーパーにしてもらった新しい形状と、プライ数を増やして強くしてもらった物の2種類をサンプルとして作ってもらいました。

急テーパーを#2に使用すると、シルエットは二段ロケットのような感じになります。それは今までになかった形なので、このように急テーパーにして#1のブレを吸収するってなると継ぎ口に負担がかかります。

ですので、その部分の補強を行い、可能ならばこの急テーパーの方を採用したいので、ドキドキしながら待っていました。実際に届いてから事務所でロッドを振ると思っていた通りになっていました。

保険をかけていたプライ数を増やしたサンプルは必要ないように感じました。

しかし、実際に魚をかけてみない事には分からないので和歌山の太郎丸さんで試しました。

 

「太郎丸」のボートアジングはテスト釣行にピッタリ

今まで沢山のテストで軽量ジグヘッドを使ってきましたので、使い勝手や潮の変化などのテストは済んでいます。

で、今回はバットパワーによる重量ジグヘッドの使い心地と、重量ジグヘッドを投げた後のブレについてのテストなので、ボートアジングを選択しました。

通常ボートアジングのジグ単は20m前後の深さで行いますが、太郎丸さんが行くポイントは40m前後なので、水深40mのボトムでアタリを感知する必要があります。

水圧がかかる中、3gのジグヘッドでリフトができ、尺越えのアジも抜き上げることに成功すればジグ単のロッドとしては、僕の基準を軽くクリアするロッドということになります。

という理由で今回は、太郎丸さんを選びました。

ロッドの強度もついでに見たかったので、ラインは「ピンキー」(0.4号)にしてドラグはほぼフルロックに設定。ロッドを魚の引きで限界まで曲げてどこまで耐えられるかを見てから引き抜いてみることにしました。

サーティフォー公式「ピンキー」詳細ページはこちら

 

毎回ロッドテストの最後は、ヨンマルクラスを抜き上げていますが、プロトロッドのテストだからこそできることで、製品版でやるのとは違うのでそこは勘違いしないでくださいね。

 

アジの産卵が絡む渋い中での実釣テスト

さて実釣ですが、今の和歌山は丁度アジの産卵と重なっており非常に渋い状況。果たしてジグ単で釣れるのだろうか? 少し不安がありましたが、やるしかないので坊主覚悟で始めました。

水深40mを3gのジグヘッドだとカウント200ぐらいでボトムに着くのですが、とにかく反応がボトム付近にあるのでボトムを取るしかなく、アップに投げてひたすらカウントを数えます。

着底したらそこから少しずつレンジを上げて探っていくとボトムから5mくらい浮かせたところでジグヘッドの重さが竿先からフッと抜けました。

通常船は波のピッチに同調して動き、ロッドもそれにつれて動くのでロッドをその動きに合わせて動かします。

PEだと3gのジグヘッドでは軽過ぎてフッと抜けるようなアタリが分からないことが多いのですが、エステルラインの「ピンキー」だとそれが分かりました。

その瞬間にアワセるとしっかりした重量感がロッドに伝わりました。ドラグはほとんどフルロックですので、スプールが逆転することもなくロッドは満月状態になって魚を浮かせてきます。

 

ピンキー」0.4号であれば、40cmクラスのアジでもラインを出さずに取り込みはできますが、水深があるので水圧が結構掛かって重さが倍化して結構ロッドには負担が掛かるのですが、それでも十分なリフト力!

浮かせたのは30cmのアジ、このクラスは簡単に引き抜けました。直ぐにアップに投げ直して再びひたすらカウントする^^;

着底した後は同様にレンジを少しずつ上げて行きますが、アタリがないので10mくらい上げた所から今度はテンションフォールではなく、ジグヘッドの重さを維持しながら張らず緩めずで落としていくと2セット目でコンッとアタりました。

 

流れの中に長い間ジグヘッドを定位できる「脈釣り」

張らず緩めずの状態で落とすと、テンションを掛けた状態よりアタリは小さくなりますが、それでもハッキリと手に感じることができました。

この張らず緩めずに落とす方法は陸っぱりでも良くしますが、僕はこの釣り方を脈釣りと呼んでいます。

主に流れの中やディープでアジがいるレンジが分かり難い時によく用いる方法です。

どういうことかと説明しますと、潮上に投入した時にテンションをフルに掛けると流れを横切って手前にきます。

しかし、テンションを段々抜いてあげることで流れの中にいる時間が長くなります。

アジは流れに付くので、アジが多いとフルテンションを掛けても釣れますが、アジが薄い場合はできるだけその流れの中に長い間ジグヘッドを入れておきたいわけです。

かといってテンションを抜いて完全フリーにしてしまうと、アタリが伝わらないので張らず緩めずの状態で落とすわけです。

この時にカウントを数えながら5カウントで1セットとして軽くトゥイッチを入れてまた落とすので、何セット目でアタリがあったかでレンジを見つけていきます。

 

これをボートでは大体10mくらいの間をエレベータのように上下に探る訳です。アジはステイかフォールで反応するので、大概食い気のあるアジがいればどちらかでアタリがでてくれます。

こいつは結構引いたので、ロッドをかなり曲げてくれテストにはいい感じでした。

バットパワーも申し分なく一切ラインを出さずにゴリマキで浮かせたのですが、アジの大きさは35cmもあり、しかも結構肥えているので重量感は半端なく少し抜くのに躊躇しましたがロッドテストですので有無を言わさずに一気に抜いて船に引き上げました。

その後も何匹か追加したのですが、アタリもボケることなくリフトパワーも問題なかったし、逆にプライ数を増やした物よりブレもなかったのでこのサンプルでOKが出せるところまできました。

やっと出来た!

 

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