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ラグゼのNEWロッド「宵姫爽」を手に、藤原真一郎がアジング

アジング特集

藤原の手には、もうすぐ公開になる3本のNEWロッド「宵姫爽」を携えている。6フィート前後のFLとUL。そして8フィート弱のⅯ。それ以外にも機種はあるのだが、3本に絞り込んだ。

「FLに0.8gジグヘッド、ULに1.5gジグヘッド、Mにフロートリグ。この3種類があれば、アジングシーンはほぼカバーできます」

藤原 真一郎 (Shinichiro Fujiwara ) プロフィール

激戦区大阪湾をホームにするアジングのスペシャリストとして認知されているが、もちろん、冬はメバルを主体に釣行する。ジグヘッド単体を主軸に、フロートやプラグを駆使するスタイルで、激戦区といえど時に三桁の釣果をあげることも。大阪在住。ラグゼプロスタッフ

宵姫爽

宵姫シリーズといえば、宵姫天や華を思い浮かべる。

ラグゼが誇るフラッグシップモデルであり、熱狂的なアジマニアに神格化される伝説級のロッドである。それらを超える異次元のロッドが宵姫爽なのだろうか?

「どちらかというとコストパフォーマンスの極限を追求したロッド。僕も開発者もとことんまでやりこみましたが、いわゆるハイエンドモデルではないです。むしろ、宵姫天や華が気になっていたけれども、手が出なかった人に見てほしいモデル」

ジグヘッドにはAJカスタムというラグゼ宵姫シリーズの新型ジグヘッドをセット。攻撃的なオープンゲイプ形状が目を引く。

「オープンゲイプ風なんですが、ラインを結ぶアイの位置が高いでしょう。実は、ハイポイント&ワイドギャップでアユバリと同様に貫通しやすくバレにくい形状なんです。だから同形状に見える他のジグヘッドよりも、アワセが決まりやすいです」

アユバリをカスタマイズしたフックで驚きの刺さりを実現する宵姫AJカスタム

 

それよりもダート性能がすごい、と藤原は強調する。これは宵姫ラウンドというジグヘッドでは出せなかったアクション。

「ダートといっても、ダートすればいいというわけじゃないんです。左右へのダートはしなければならない。けれどもダートの飛距離は抑えなければならない。アジにワイドダートだとハマるかどうかの当たり外れが多くなります。デイゲーム・ナイトゲームの両方のアジが、年中、もっとも興味を持ち、活性を上げ、かつ、追い切れて、見切られない絶妙なダートの距離とフォール姿勢、そしてフォールスピードを徹底的に現場で追求しましたからね。これはもうジグヘッドの究極」

 

それらをすべてのグラム数で詳細に詰めた。それゆえ、最近は極端にこのAJカスタムの出番が増えているという。

3種のワーム

ラグゼのワームにはトレモロ2インチ、ノレソレ1.8インチ、アーミーシャッド1.8インチ、そしてトレモロの新サイズ2.6インチがある。どうやって使い分けるのだろう?

「アジはトレモロの2と2.6インチ。あとはノレソレをよく使う。アーミーシャッドはメバルの時に出番が多いワーム」

カラーはすべて使いこなすのだろうか?

「色について語れといわれればどこまででも語ることはできるし、逆に1色だけ選んでそれで釣れといわれれば、1色だけで成立させることもできる。実際に、あえて1色だけでどこまでできるか試したこともあります」

年間釣行回数が桁違いの藤原である。

ただ釣るだけではなく、なにかしらのテーマをもって釣りをしている。そのテーマの中には、1色でどこまでカバーできるか、あえて違うカラーを使うとどうなるか、といった実験要素がふんだんに盛り込まれている。

「入門者向けのQ&Aになりますが、1色だけといわれれば僕はライムグローですね。このカラーがあれば、幅広くカバーできます」

ラインセッティング

FL(フェザーライト)にはエステル0.35号とフロロカーボンリーダー3ポンド60cm。UL(ウルトラライト)にはエステル0.5号とフロロカーボンリーダー4ポンド60cmをセット。いや、セットしてあるリーダーの長さは30cmほどだ。

「こすれたり、結びなおして30cmくらいになったら新しいリーダーに変えます。だから、最初の長さは60cm」

0.5号のタックルなら40cmのアジでも取り込むことができる。ジグヘッドとリーダーの接続には宵姫スリットスナップをセットすることもある。

宵姫スリットスナップ。ウエイトを細かく変える時には時短となり重宝する

「一長一短ですが、頻繁にジグヘッドのウエイトを変えたいようなときには便利ですね」

フロートリグはPE0.5号、フロロカーボンリーダー2.5号10ポンド1.2m。フロートはサーフというシャローでの使用を想定して10.5gで海水に浮くタイプ。

ジグヘッドはAJカスタム0.4g。この3セットがあれば、ほとんどのアジングのシチュエーションをカバーすることができる。

とある日の実釣

夕マヅメ。砂浜に突き出た堤防に立った藤原。タチウオファンや昨今の釣りブームで増えつつあるサビキアングラーの間に入る。大阪湾のデイゲームはどうなのだろう?

「デイゲームが成立する条件はいろいろありますが、大阪湾に関してはデイゲームはそんなによくはない。大阪湾に関しては夜がいいですね。もちろん、マヅメはチャンスです。逆にデイゲームじゃないと釣れないという地方もあります。夜が全く釣れなかったり。ベイトや潮色、干満などが影響していると考えます」

小さなウルメイワシがサビキに乱舞し、それを追うサバの姿も見られる。あるいは、このサバを狙おうとしているのだろうか。

「その下にアジがいると思います。ただ、数は少ないかもしれない。明るい時間帯は、やや激しくキレが出るようにシャクるといい」

そうはいっても、藤原のシャクる動作はけして大きくはない。ティップが少し力強く揺れている程度だ。では、ナイトゲームではどうなのだろう?

「ナイトゲームは、流れに乗せてスローにスローに。シャクる場合もティップがピピピッと震えるくらいでいい」

だんだんと日が沈み、辺りは暗くなりつつあった。

「来ました。たぶん、サバ」

先行者であるサビキアングラーに釣れるアジの姿が確認できない。それゆえアジの数は少ないだろうと判断し、それでもサバを避けつつ、アジを狙う。しかし、よけきれないサバが食ってしまった。

「あっ、バレた」

もしも、アジが多く、サバがいないのなら朝・夕マヅメはアジが表層に浮く。サバの方が泳ぐスピードが速いのか、それとも獰猛なのか。もしもサバがいると、アジは活性が高くてもサバに水面下を譲り、サバよりも少し下の表層に沈む。

「お、食いましたね。これはアジ……でしょう」

ジジジジーーッッと引き出されるドラグ。ロッドは力強く引き込まれる。海中の障害物を避け、他の人の仕掛けに絡まないようにいなす。せいぜいマメアジが釣れるくらいだろうと思っていた周囲の予想を大きく上回る良型のアジが宙を舞った。

「いいアジ」

極論、ラインテンション

日が沈み、辺りが暗くなるまでのスペシャルタイム。イワシと思われるボイルがいっそう騒がしくなり、その周囲でアジらしきボイルもちらほらみられる。ロッドシェイクという派手な動作に目が行きがちだが、むしろ藤原が神経質になってるのはアタリを待つ間のラインテンション。

「極論、アジ釣りは、このラインテンションコントロールがすべて」

もっともラインテンションが強となるのは、ただ巻き。リトリーブしてる最中は常にラインが張られている。そのためジグヘッドは水中で水平方向ないし、斜め上へと移動する。

「これで釣れるなら一番、わかりやすい」

次に強いテンションが、リトリーブを止めてロッドを左右のどちらかにスローにさびく動作。

「さびくスピードを調整することで水中でのスピード、姿勢をコントロールします」

リトリーブを止め、ロッドを立てたまま動かさないのが3番目にラインテンションが張った状態。

「リトリーブしたり、さびいたりしていたときとは違って、カーブフォールします」

そして、立てたロッドを徐々に倒しこむ。

「これはフリーフォールに近くなる。いま、わかりやすく4段階のテンションの違いを説明しましたが、実際には、さびくスピードや止めたロッドに掛かるラインテンション、ラインのたるみを細かく微調整するので20段階とか、それくらいの細かさで調整しています」

潮の流れに対するリグのなじみを感覚的に感じ取って、それらを判断する。

「あるいは立てているロッドを倒したり、左に寝せたりする微妙なラインテンションやジグヘッドのわずかな方向の変化だけで口を使ったりする。ほら、食った」

ロッド下げて左へと倒したところでバイト。サイズは小ぶりになったが2匹目。さらにマメアジを追加したところで真っ暗になり時合い終了となった。

より釣れる要素を積み重ねる

「この時期はタチウオ釣りの人が堤防に増えますので、釣り場がにぎわいます。週末だと入る場所がないこともある。そういう場合は、フロートタックルを持って行ってサーフに立つといいですね。スーパーや街灯が照らすサーフがいいです」

同じサーフでも、建物の陰になっていて真っ暗な場所では釣れないということから、何かしらの明かりがあった方がいいという。

「サーフは浅いので、フロートは浮くタイプ。リトリーブはデッドスロー。それも0.4gのジグヘッドを巻くつもりで1秒1回転よりはるかに遅い速度で巻くといいです」

ジグヘッド単体による接近戦の釣りも奥深くおもしろいのは間違いないが、一方で、ポイント争いに絡まず海岸線の多くをポイントにできるフロートリグには無限の可能性があるという。

「足場のいい砂浜やゴロタ浜で、実はジグ単なみにスローで繊細な釣りができ、サイズがいい場合も珍しくない。シャローという引き出しを持つことで出会えるアジは確実に増えます」

仮に明かりがなくても、〇〇岬と呼ばれる潮通しのよいエリアにあるサーフやベイトのたまりやすいワンドなどもポイントになるというから、激化するポイント争いから脱するならフロートリグを検討してみるのもいいかもしれない。

夕食をはさんで、近くの漁港へ移動。湾内の明かりの下を通すが反応がない。2投ほどで移動。堤防の突端からキャスト。

「来た来た。来ましたよ。これはちっちゃい」

マメアジとはいえ、ポイントを移動してすぐの釣果。しかし、アジの魚影が濃いわけではない。むしろ薄いくらいだ。なぜ、光量の強い最初の立ち位置をすぐに見切り、立ち位置を変えた先ですぐにアタリが出たのか。

「一番、明るい場所を通して釣れることもある。浅場やかけあがりを意識していることもある。けれども、今日はその2か所で反応がなかった。次に、光と影の境目の暗がりまで届く場所で当たりが出た。ただ、小さいですね。群れも薄い」

すぐに移動。湾内ではなく外向きに足場を移した。まずは、堤防の付け根であるシャローに明暗が絡む場所。ここでは反応がなかった。次は、暗闇に陣取る藤原。ここで1匹、小型ながらアジを追加した。

見切りも早いが、1匹の答えにたどり着くまでの時間が早い。明るい場所がダメだったから暗い場所に移った。あるいは、浅い場所でダメだったから暗い場所に移った。そういう認識でいいのだろうか?

「そういう要素もなくはないですが、港湾部でアジを寄せる要素としては常夜灯の光があります。そういった不自然な人造物が作り出すポイントのほかに、堤防の角のような流れに変化が出やすい、ヨレやすいポイントがあります」

常夜灯の光に寄る、あるいは流れに着く、その時々でより優先する要因がある

光によってくるのもアジなら、流れの変化に集まるのもアジ。群れが薄い中でそれぞれの要素の1級ポイントを効率よく絞って攻めた。だから1匹にたどり着くまでの時間が早い。

「とはいえ、小さいですね。ゴロタ浜でフロートリグを試してみて、いい結果が出なければ移動しましょう」

こういった見切りの早さ、組み立ての早さが藤原のアジングを支える技術にほかならない。だが、ここで風が正面から吹き始めた。フロートリグなのでキャストこそ可能だが、0.4gのジグヘッドを操るような繊細なリトリーブは難しい。数投を試みた藤原だったが、イメージする釣りができなかったのだろう。

「移動しましょう」

風の影響が少ない港に移動した。ジグヘッドは宵姫AJカスタム0.8g、ワームはノレソレ1.8。正面に向かって1投、左への流れが確認できた。流れは速い。2投目は上流へ、小さいシェイクをまじえながら潮になじませ流し気味に、スローに探る。

「触ったけど、食いこまない」

さらに上流へのアップキャスト。斜め45度かそれよりもさらに上流へキャストし、ほとんど巻きを加えずに流す。グンッと乗ったアジは20cmクラス。

「う……ん。どうかな」

アタリの出かたとペースが安定すれば、この日のパターンとなりうるのだが、アタリの出かたが不自然だった。

「いや、その日のパターンというのは目まぐるしく変わるんですが、このタイミングのパターンというものはある」

数投後、着水からの巻きはじめにバイトが出る。

「浮いているものにも反応する感じですね。今いるアジは回遊性が強い」

イワシなどのベイトフィッシュを追っているアジで、並んでいる常夜灯の端から端までを広く回遊しているだろう、と藤原は話す。それも沖を意識している個体が多いようだ、と。まだ、釣り場に入って15分もたっていない。

上流へのキャストから、ほとんどアクションを加えずにロッドを立てて流す。ラインがわずかに張る程度にリトリーブする。というよりは、糸ふけをときおり回収している程度にリールを巻く。ここで3匹目。

漂う系のアプローチか、動きのあるアプローチか、さらにはフォールスピード、使用ウエイトなど、無限とも思われる組み合わせからバイトを導く正解を探る

「これはこれで釣れるけれど、ペースが上がらないですね。いまは0.8gにノレソレという沈みにくいセットを無理やり表層より下のレンジ、だいたい2.5mくらいかな? その層に入れるために上流にキャストしてゆっくり沈めているところです。ノレソレをトレモロ2インチに変えるだけで沈みの速度が変わるので、それを試してみてもいいですが……」

おもむろにもう一本のタックルに手を伸ばす。セットされているのはAJカスタム1.5gにワームはトレモロ2インチ。思い切って狙いのレンジに素早く沈むセッティングを試みる。

「深いレンジに速い動き。このセットへの反応をみます」

5匹、6匹、7匹。タックルを変えて明らかにテンポがよくなった。群れの回遊もあるのだろうが、5投に1匹ペースで数を伸ばす。

「小さいアタリが混じっているな。クリア系ではない。パールベイトフィッシュというパール系のカラーを試すか」

これが正解だったに違いない。アワセの空振りが減り、ペースが安定した。

「深いバイトが出るようになりましたね。釣れるには釣れているんですが、バイトの出るレンジが安定していない。深いレンジにもたしかにアジはいるんですが、それよりも、着水直後から立ち上がりの瞬間、あるいは、表層を意識したリトリーブに反応がいいですね」

0.8gに戻し、トレモロ2.6インチをセット。ジグヘッドが表層付近をスローに漂うさまがこの日のベイトにマッチしたのだろう。さらにペースが上がり、完全にパターンにはまった。

「いや。カラーがズレているでしょう、これは」

カッあるいはツンという乗り切らないアタリをなくすことができるはずだ、とカラーをチェンジする藤原。

クリア系のひな祭りからライムグローにチェンジ。立ち位置が常夜灯から離れているため釣っている場所の光量が乏しいに違いない。水質はクリアだがアジがワームを見つけにくいという判断。

クリア系からソリッドカラーへの変更など、さらに奥深くアジャストするための要素は多岐に渡る

「見つけにくい、目立たないというのは確かに正しいですが、イワシなどのベイトフィッシュを捕食している場合はこういったしっかりしたカラーへの反応がいい。それこそ釜揚げホワイト銀鱗というソリッド系の白でもいいでしょう」

誰の目にも完璧にパターンにはまったのがわかった。あとはもうマシーンのようにひたすらアジを釣っては放し、釣っては放しを繰り返す。潮が緩むまでその光景が続いた。とうに数は30匹を超えている。

「表層にはサバが群れていて、その少し下の層にアジがいます。活性は高くて回遊していますね。常夜灯の光と影の境目かそれよりも暗がり側を意識して回遊しているので、もし、着水後に当たらなければ、中層にある常夜灯の光と暗がりの境目のレンジまで落としてやるといいですね」

沖にある薄明るい光の部分と同じ光量が半球状に水中にも広がっている。薄明るい光のエッジを沿うよう、斜め下方向にレンジを下げながらドリフトさせるとアジのアタリを維持できる。

それゆえ藤原はキャスト直後のアタリをとり、遠くで掛けることもあれば、かなり流したところで掛けることもあった。縦横無尽、手あたりしだいに釣れているように見受けられたのだが、周囲とは明らかにペースが違う。

他のアングラーは、例えば、キャスト直後の表層のアジだけを攻略し、あるいは中層のアジだけを攻略している。藤原は着水直後からアジのバイトゾーンを足元までキープしているので、他の人よりもアジとワームがコンタクトする時間がずっと長くなる。

「30cmあるなしの、もう少しサイズのいいアジを混ぜたかったですね」

これだけ見事にパターンを探り出してもまだ満足していない藤原。20cmをちょっと超えるサイズがそろったが、もうひと回り大きいサイズを狙っていたようだ。ここで潮が緩み、明らかに流れが遅くなった。

「活性が低くなった魚が光に集まって、レンジが深くなりましたね。沖に浮いていた魚が手前の深場に沈んだとイメージしています」

そのペースは穏やかなものになったものの、50匹を超えた。こうして藤原はこの日の釣りを終えた。

がまかつ(がまかつ)

1955年創業。大阪府大阪市に本社を置き、シンガポールに本店を置く。釣り竿、釣り針、ウェアなどをメインに製品を開発・製造・販売を行っており、ルアー部門では「ラグゼ シリーズ」が有名である。