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【礒村雅俊×アベンジプロップ】バスを強く呼ぶ、しかしスレさせない。〝明らかに違う〟トップウォーター

寄稿:礒村 雅俊
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夏のバス釣り特集2020

夏の王道といえばトップウォーター。

「おもしろいトップウォーターが出たんですよ。これ、独特な波動が出るんです」

ラグゼ・プロスタッフ礒村雅俊がアベンジプロップ80を語る。

礒村雅俊(Masatoshi Isomura) プロフィール

礒村雅俊(いそむら まさとし)…ラグゼプロスタッフ。琵琶湖におけるバスフィッシングのプロガイド。釣れるテクニックをわかりやすく解説し、スキルアップできるうえに高確率でデカバスに会えるとして人気。繊細なワームの釣りはもちろん、トップ、ビッグベイト、クランクベイトなど、ダイナミックなゲームも得意。南湖をメインにフルタイムガイドとして活躍し、その季節とタイミングに合った釣りを心がけている。同じく琵琶湖プロガイドである関根健太とルアーメーカー「KID」も立ち上げている。1985年生まれ。趣味はサッカー観戦。

明らかに〝違う〟アベンジプロップ80

アベンジプロップ80

キャスト時に羽が折りたたまれ、リトリーブすると羽が開き、ペラと一緒にボディ後端部が回転する。新しい構造のシングルスウィッシャーである。

キャスト時はペラが閉じ抵抗を受けにくいので飛距離に影響しない

ペラが柔らかいプラスチックでできていて、サイズとしては大きめの部類にはいる。礒村はどこに魅力を感じているのだろう。

「スウィッシャーというルアーは、本来、波動が弱いんです。ポッパーと比べた場合のインパクトが小さい。ペンシルベイトよりは強いですけど。ところが、アベンジプロップは、回転する際にペラと一緒にボディが回転するので、ボディ自体が振動する。この振動が結構大きいんです。深場の魚を浮かせる強さがあります。一般的な構造のスウィッシャーとは明らかに波動が違う」

それでいて軟質で大きいペラがソフトに水面をかき回すので、ボディ自体が出す波動は強いが、ペラが出す波動は控え気味。

「なんというか、魚を呼ぶ力が強いのに魚がスレない。スレないといったら語弊がありますが、1ケ所で何匹も連続で出せるのは強みですね。ほかのスウィッシャーで、同じことができるルアーは、ちょっと記憶にないです」

琵琶湖でのアベンジプロップ80

琵琶湖とため池で礒村は使い方を変える。

「まず、琵琶湖。琵琶湖の場合、流れがなく湖面が穏やかであることはほとんどありません。だから、アクションは強めのジャークを止めずに連続でいれることが多いですね。ジャッ、ジャッ、ジャッと一定のリズムで操作します」

コカナダモとエビモがミックスして生い茂っているところがポイント。エビモは水面まで出ていて、コカナダモは水面下50cmまで繁殖している。これらウィードにインレットが絡むポイントを探す。

「インレットは大きくても小さくてもいい。大河川はもちろんですが、用水路くらいの規模でも十分です。8月に向けてどんどん水温が急上昇しますから、こういったインレットの有無でバスの活性やベイトの寄りが左右されます」

その場所にギルやハスがいることも、もうひとつの条件。

「あとは琵琶湖の南郷洗堰が開いている場合は、琵琶湖にもかなりの流れが起きますので、この流れがあたるウィード面や、流れが抜けるウィード面がポイントになる。流れが絡む場合はハスがベイトになりやすいです」

ポッパー、ペンシル、スウィッシャー、ウェイク系、バズベイトといったトップウォーターがある。これらは気分で選んでいいのだろうか。

「状況にマッチしたルアーで効率よく釣ろうと思ったら、僕のなかでの使い分けはあります。まず、ペンシルベイトはベイトフィッシュそのものに近しい存在。これはオープンウォーターでバスがベイトを追い回しているような状況で出番。すでにスイッチが入っているバスに対しエサそのものを演じるのがペンシル。一方で、ポッパーは捕食音を演じることで遠くのバスを寄せつつ活性を上げ、威嚇行動で口を使わせるルアー。短い距離で魚に気づかせ浮かせる強さがある。ペンシルとポッパーは対局というか両極というか、全く性格の違うルアーです。スウィッシャーはその中間で、弱い捕食音と弱い威嚇音が出る」

スウィッシャーはただ巻きで使えるルアーでもある。

「夏の琵琶湖で、コカナダモまわりで使う場合は、ただ巻きだとフックがウィードを拾っちゃうんですよ。だから、連続ジャークでフックに掛かったゴミを切りながらアクションさせる。そういう意味では、アベンジプロップだからできる使い方」

藻が水面まで伸び切ってからがベスト

本来、トップウォーターのハイシーズンといえば6月が思い浮かぶが、アベンジプロップは7月以降がいい。

「ようは藻の茂り具合です。水面まで伸びてきてからがアベンジプロップのベストシーズン。6月や7月の初旬は産卵が終わって回復しつつあるシーズン。ポッパーがいいです。エビモをつたって水面まで出てきます。ボコン、ボコンとストップを入れながらスローに誘う。アベンジプロップをポッパーのようにジャーク&ストップで使ってもいい」

ため池のアベンジプロップ80

一方、ため池では使い方が異なる。

「ため池のベイトといえば、ギルと虫。虫を意識するなら小技をきかせてねちっこく誘いたい」

波があり、流れがあり、水深があり、なによりもだだっ広い琵琶湖では、魚に気づかせることが大事。

穏やかな水面で、浅く、ポイントが限られていて、ベイトが小さいため池ではプレッシャーをかけない事に注意する必要がある。

「ストップを長めに入れたり、ソフトな音を出したりする。まず、キャストをして着水したら10秒ポーズ。ジュボッとアクションをいれて、10秒ポーズといったスローなテンポで攻める」

【アベンジプロップ80公式製品ページは→コチラ】

ロッドセレクト

琵琶湖ではイフリートB64MHR

礒村がジャークベイトのジャーキングや、ノーシンカーのジャーキング、ポッパーをキャストする際にセレクトするロッド。

プラグ用のロッドとしてはやや強めで、全体的に張りがあり、ジャーキングのように強いアクションを入れる場合に出番のロッド。絶妙なテンションを忠実にルアーへと伝えるため、アングラーの意図したアクションを出しやすい。

「連続したジャークで誘う場合は水になじませて音を絡ませたいのでフロロカーボンの16ポンド。ステイ時間を長くとりたい場合にはラインを浮かせておきたいのでナイロンの20ポンド。ゆっくり巻くやさしいリズムにはナイロンがいい」

イフリート

【イフリート公式製品ページは→コチラ

ため池では、スローに攻めるのでナイロンの16ポンド。ロッドはイフリートでもいいが、アベンジ63MHをセレクトする。

イフリートに比べマイルドで、スローさやソフトさが欲しい時にはアベンジが活躍する。ファーストムービングルアーにはアベンジ66Mがマッチするのだが、アベンジプロップはボリュームがあり自重も18gとやや重め。強めのジャークをいれることもあり、アベンジ66Mではなくアベンジ63MHがベストマッチ。

アベンジ

 

【アベンジ公式製品ページは→コチラ

がまかつ(がまかつ)

1955年創業。大阪府大阪市に本社を置き、シンガポールに本店を置く。釣り竿、釣り針、ウェアなどをメインに製品を開発・製造・販売を行っており、ルアー部門では「ラグゼ シリーズ」が有名である。