ルアーフィッシングのトピックをこまめにお届けする釣りの総合ニュースサイト

LureNews.TV YouTube Channel

今江克隆のルアーニュースクラブR 第958回「大惨敗の旧吉野川戦と進撃の三原」の巻

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
  • X
  • Facebook
  • Line
  • はてなブックマーク

若手プロ達の柔軟な発想に脱帽

今試合、エリアやスポット的には全選手のインタビューを聞いても、全域何処をとっても「ここがアツかった」と言った場所がなかったのも予想通りだった。

バスの個体数の激減から、川ゆえの反転流のヨレや逆ワンドなど過去の経験から絶対バスが付くであろう場所を全域ランガンし、最低1日1本をウェイインすれば賞金圏内入賞(15位)は可能と読んでいた。

事実、釣れれば平均サイズがキロ前後の旧吉野川で、この読みは的中しており、3日間1日1本さえ確実に釣っていれば15位以内の結果となった。

しかし、世界最高峰レベルの電子機器を搭載し尽くした50名の日本屈指のトーンナメント馬鹿達をして、1尾を毎日確実に釣ることの難しさを、これほど思い知らされた試合はなかっただろう。

自分にとって表彰台常連だった頃の「得意の旧吉野川」はもはや「得意だった旧吉野川」に変貌していた。

表彰台のメンバーを見ても全員がニューフェイス。

TOP50開幕戦を優勝。2戦目3位に続く3戦目の準優勝。そしてバサーオールスタークラシックのワイルドカード七色ダム戦も優勝。 AOYレース独走の三原直之。 もはや三原は100年に一人の逸材・馬淵を越えたと言っても誰も文句はないだろう

結果から見ると川と言うフィールドの絶対定番的大場所を、極めてオーソドックスに時間を掛けて丁寧に、地道に信じて釣り続けたプロが1尾を確実に手にできていたことが分かった。

スポットを拾うのではなく、薄い魚影を考慮し、バスが1日に確実に何度か入ってくる反転流絡みのストレッチやワンドを丁寧に釣る。

ウィードが激減したら、それに順ずる存在である水生植物を狙うのも鍵だったようだ。

増減水に左右される灌水ブッシュやオーバーハングより、減水すれば逆にエビやカエルが出てきて食いやすくなる縦ストカバーに近い「アシやガマ+α」のスポットを狙ったカバー撃ちが正解だった。

今回、優勝した藤田京弥プロや三原直之プロは、経験値の少ない旧吉野川で、実にこの基本に忠実に少しでも確実にバスの濃いスポットを選び出し、当たり前の定番場所で濁りの入り切る直前のタイミングや、減水しきったタイミングを計って狙い、バスを手にしていたことが非常に印象的だった。

初日ノーマークに近かった今切川下流の広大なアシの2ストレッチで濁りが入る前に攻め、圧巻の5kg越えで事実上初日で試合を決めてしまった藤田プロと言い、決勝、最大減水のタイミングで大型バスボートが進入できなくなった坂東谷川最奥に勝負を賭けて3kg越えのトップウェイトを出した三原直之プロと言い、選手生活36年目にして、むしろ過去の経験は現状を把握する邪魔にしかならないのではないか…と思わせられるほど、現代の若手プロ達の柔軟な発想に脱帽させられる試合となった。

三原直之プロが準優勝を決めたルアーを紹介

三原の準優勝を決めたルアー達。 14位からな大マクり決勝TOPウェイトは「フラットヘッドゴビー」のノーシンカーと「フィネスフロッグ・ラバーチューン」、「三原虫」が大活躍。 自分の「フィネスフロッグミニ」の改造はまだ内緒だ

4 / 5
前へ 次へ