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今江克隆のルアーニュースクラブR 第941回「シャッド&ミノー復活の春!?」の巻

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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関西はバストーナメントが開幕

関西圏でも、3月に入って久々に同様の傾向が出始めている。

3月3日に2019年の先陣を切ってJBⅡ旧吉野川開幕戦が開催されたが、ここ数年デスリバーの名に相応しい厳しさで知られる旧吉野川だけに、今年のトーナメントの傾向を占う一戦として自分的にもその結果に非常に注目していたトーナメントである。

今年も関西の先陣を切って開幕したJBⅡ四国シリーズ。デスリバーの名に相応しく、39艇エントリーでウェイインは16艇。3尾のリミットメイクはわずかに4名…

結果的には事前の釣れない予想の通り、39艇78人出場のうち1尾でもウェイインできたのは半数にも満たないわずか16艇、3尾のリミットを釣ったのもわずか4名だけと言う厳しい開幕戦だった。

しかしながら、1位、2位は下流域・牛矢島大橋周辺橋脚周辺や大神大橋橋脚周辺でのジグヘッドリグのミドストやジグヘッドワッキーでの3尾2600gちょいでの優勝、準優勝だったが、3位と4位に僅差でイマカツの渡辺健司と、同じくイマカツスタッフの亀井晴紀プロが中流~今切川下流でのIkスピンジャークで入賞していた。

2019年の先陣を切って開幕したJBⅡ旧吉野川の第1戦。イマカツの渡辺(健司)とカメハル(亀井晴紀)プロがIKスピンジャークで3位、4位に入賞。

渡辺はIKスピンジャークで全てをキャッチし3位入賞。

亀井プロも2本ながら4位入賞。

関東で「ゲキアサシャッド」、関西で「IKスピンジャーク」がハマっている理由

この結果は偶然にも関東の「ゲキアサシャッド」、関西の「IKスピンジャーク」と、ベースコンセプトを同じ所に絞って開発されたシャッドとミノーの共通点が生きた結果でもあった。

具体的には両者とも「小さくても風に負けない、クラス最長不倒で真っ直ぐな飛行姿勢」そして、「バスの上目線、喰い上げを意識した潜らないルアー」である点である。言い換えればバスの目線より下に不用意にラインを入れないことを意識して使うルアーだ。

近年のバスはルアーの存在以上に驚くほどラインの存在に敏感になっている。ラインがバスの目線より上にあるか下にあるかで、見切られる率が大きく変わってくる。もしくは逆にラインの存在を意識させないほどの存在感がルアーにあるかだ。

ゲキアサシャッドにしても、IKスピンジャークにしても、メジャーなシャッドプラグに比べ劇的に潜行深度を浅くしたのが特徴である。釣れない時ほど釣り人人情的に潜らせたくなるのだが、そういった時こそ、こちらからルアーをバスに近づけるのではなく、バスから近づいて来てもらうことを強く意識したシャッドがゲキアサシャッドとIKスピンジャークのコンセプトでもある。

共に弱々しいながらも明確な波動と色調変化をもつビビッドタイトロールアクションで、その存在を目線上で気付かせ、バスに下から追尾させることを狙った「ゲキアサレンジ」仕様である。

霞ヶ浦のロコからのヒアリングでも、1m以浅の場所でもボトムを掻けば掻くほど太ったコンディションのバスは釣れないと言い、「着水からボトムに付くまでで勝負」と言う話をよく聞くことがあった。

また、ベイトを追っているバスほど、水面へ追い込むために上ばかり見ていて、ルアーが潜ると喰わないとも言われている。故に1mの水深でもバスの上目線を平行レンジをキープし巻けるシャッドと新しいシャッドコンセプトが誕生したのである。

ちなみにゲキアサシャッドは霞ヶ浦発信だけに50cmレンジで調整したシャッドであり、同じコンセプトでよりプレッシャーに強く、より繊細、フィネスにし、関西のトーナメント水域を意識して1〜1.5mまで任意のレンジコントロールをしやすい設定にしたのがIkスピンジャークである。

往年の名作シャッドと比較しても「ちっさ!」、「ほそっ!」と言われてしまうかもしれない「IK-SPINJERK(IKスピンジャーク)」。何でもよいから、ただひたすら釣ることのみを研ぎ澄ました遊び心一切ナシの喰い上げ狙いの漁具シャッドだ。

分かりやすく言えばゲキアサシャッドはオカッパリ100%目線で開発されたシャロー喰い上げ巻きシャッドであり、アクションは自分が昔から最も好きなラパラのシャッドラップSSRのビビッドロールを強く意識している。

そして自分の名を冠したIkスピンジャークは、IKジャーク(130mm)のパワーのあるボディーロールと、移動距離を最小限に留めて一点で粘れるスピンダートを活かし、ひたすら「なんでもよいから釣れること最優先」のトーナメント専用に仕上げてみたスーパーフィネスシャッドと言う位置づけである。

IKスピンジャークに関しては、今の流行は完無視して、ただひたすら確実に釣れることのみを純粋に形に、遊び心一切ナシで仕上げたものである。結果的に今回、やはりトーナメントではこう言った漁具的ルアーは試合では強いことを再認識させてくれることになった。

たぶん実物を見たら「ちっさ!!」とか「ほそっ!!」とか言われそうだが、このスピンジャークには極めて掛かりの鋭いPTFEコートのセミリマリック「SAMURAI HOOK」を標準装備した「漁具的シャッド」だと思ってください。

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