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【JBマスターズシリーズ参戦記】第4戦の舞台は「野尻湖」。気難しいスモールをどう攻める?/伊藤康晴

寄稿:伊藤 康晴
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冬のバス釣り入門

皆さんこんにちは!サンラインバステスターの伊藤康晴です。

今回は、JBマスターズシリーズ参戦記の最終回として9月27日~28日に長野県野尻湖で行われた第4戦の様子をお伝えしたいと思います。

本戦に向けてどのような事を考えて、どんな練習を行ったのか。また、練習を踏まえてどんなタックルを用意し、試合本番でどうやってバスをキャッチしたのか、など詳細にお伝えできたらと思います。

伊藤 康晴(Ito Yasuharu) プロフィール

ライトリグを得意としながらも、いろいろな釣りに造詣が深いオールラウンダーな一面も持つJBマスターズ参戦中のトーナメンター。 弱冠18歳でプロ登録、数々の上位入賞、A.O.Y.に輝く実力者。

野尻湖×スモールマウスバス

野尻湖といえばスモールマウスバス。JBマスターズのトレイルで唯一の“スモールマウスバス”がメインターゲットとなる湖です。JBマスターズシリーズの最終戦が野尻湖で開催されるようになってから既に10年以上経っており、最終戦の定番となっています。

野尻湖はバスのコンディション、ロケーションなどは言うまでも無く、レンタルボートの充実している素晴らしいフィールドですが、秋の野尻湖はなかなかクセが強く一筋縄ではいきません。クセの強いスモールマウスバスに如何に合わせるかが最終戦を上位フィニッシュするための重要ポイントになってきます。

最低目標はクラシック出場権

今回は最終戦という事で、年間ランキングを考える上でも絶対に外せない大会。年間ランキング6位で最終戦を迎え、1位とのポイント差を考えると逆転は難しいものの、ジャパンスーパーバスクラシックの出場権が15位までとなっている為、最低目標はクラシック出場権獲得です。

スモールマウスバスの聖地野尻湖

設定したプリプラクティスは5日間

今回は試合の2週間前から1週間前の期間に5日間の練習日を設定しました。

練習期間はまだ気温、水温共に高く、秋というよりはまだまだ夏を引きずっている印象。バスの状態としては湖全体に魚はいるものの、大崎のフラットエリアに溜まっている個体がずば抜けて多いことと、沖でベイトを捕食している個体が一定数存在し、時には100匹以上の群れでボイル連発…なんて状況も。特にローライトな状況では顕著で、200匹くらい群れているのでは?と思えるような日もありました。

連日沖でスーパーボイルが発生すること、そして沖の魚をライブシューティングで狙って行くことで1200gクラスまでは狙える印象でプリプラクティスを終えました。

プラクティスでキャッチしたナイスサイズ

いよいよ試合へ!

苦戦の初日

さぁ、そしていよいよ試合です!

初日はプラクティスからボイルが連発していた水中島付近へ直行!魚探映像を見てすぐ、「ヤバイ、バスがかなり減っている」と気付きます。しばらく粘るもボイルは全く起こらず、新しい魚もほとんど入ってこない状況で開始2時間ほどノーバイト…。

さすがにゼロはまずい為、バスの魚影が最も濃い大崎のフラットエリアへ移動するも、ここでも全くバイトを得られず苦しい展開が続きます。展開を変えるためにブレイクのきついバンクへ移動しダウンショットで何とか950gを1本キャッチ。この時点で41位と大苦戦…。

試合後によくよく考えると、本来はこの1本をヒントに他に考えられる場所を回るべきでしたが、柔軟に動き回ることができず、初日は1本のみのウェイン。そうは言っても、ポイント制のマスターズでゼロと1では雲泥の差。厳しいながら何とか1本キャッチできた事で、2日目次第ではジャンプアップも可能な為、全ては2日目次第という流れに。

開き直って自分の釣りを展開した2日目

いよいよシリーズ最終日となる2日目。悩んだ末、朝から自身が得意とするフラットエリアでのライトキャロの釣りを展開する事に。

プラでそれほどやり込んでおらず、ほぼバイトは得られていませんが…バスは沢山いると。なので「今を釣る」をテーマに入ると。朝からコンスタントにバイトが得られ、4本キャッチして入れ替えまで成功!その後は初日のバンクでの1本をヒントに、秋に向けて良くなりそうなブレイクのきついバンクを回って3本キャッチ。1本入れ替えを行い帰着となりました。2日目は3本2864gで単日11位、総合19位で最終戦を終えました。

ライトライン使用だからこそ、求められる強度

今回はディープでのライトリグがメインとなるスモールマウス戦。

ライトラインの扱いやすさと強度の両方が求められるシビアなタックルセッティングがキモになります。選択したラインは発売後、テスター間や市場でも高い評価を得られているオーバーテックスの2.5ポンド。

実は表記こそ2.5ポンドなのですが、ラインの直径は従来の2ポンドラインと同等であり、操作性と強度を両立。そう、まさに最高傑作のラインで、極限状態で挑むトーナメントシーンでもしっかり頼れる信頼のラインです。

細いのに強いオーバーテックス、とにかくその性能の高さは確実に実感できるレベルですので、皆さんも是非使ってみてください。プラズマライズによる初期性能を維持する能力は、ラインの巻き替え頻度を減らせたり、メリットは多数あります。

自身のタックルはこちらになります。

ライトキャロタックル

ロッド:エンゲージナイヴスEKS68UL-F
リール:スピニング2500番
ライン:オーバーテックス2.5ポンド+リーダートルネードVハード0.6号
フック:べスティー#8
ルアー:RVバグ(ラバーチューン)

ダウンショットタックル

ロッド:エンゲージナイヴスEKS62XUL-F/ST
リール:スピニング2500番
ライン:オーバーテックス2.5ポンド
フック:マスバリ#14
ルアー:マイクロ系ストレートワーム

最終戦の野尻湖を制したのは…

昨年の最終戦野尻湖、2025年の開幕戦津風呂湖に続き、またしても冨澤真樹選手が優勝!

今回も自身が最も得意とする沖のライブシューティングにて、初日は3438g。2日目は3154gをウェインしての優勝でした。沖の釣りが優勝パターンとなりましたが、スペシャリストの彼を持ってしても紙一重の展開だったそうで、とにかく簡単ではなかったとのこと。

近年は周知のようにライブスコープを使用した沖の釣りがトーナメントシーンでは無双状態です。でも、「これからは自分の得意な釣りを極めた者がトーナメントの勝者になると思う」というコメントが非常に印象的でした。

来シーズンに向けて

最終戦を終え、私自身の年間ポイントランキングは4位でフィニッシュ。近年、年間ランキングでの表彰台からは遠ざかっていたため、まずまずの成績といった所でしょうか。

死守したいと思っていたクラシックへの出場権も無事に獲得しシリーズ戦を終えレギュラーシーズンはこれにて終了。オフシーズンに来年の準備をしっかり進め、2010年以来のAOY獲得に向けて来シーズンも挑戦を続けて行きます!

サンライン(SUNLINE)

1977年設立、山口県岩国市を拠点とするラインメーカー。 独自技術の開発力が高いだけでなく、大手材料メーカーや大学研究機関との連携・共同研究 により、最新テクノロジーを駆使したライン開発も進めている。また各分野に約400人強のフィールドテスターがおり、現場からのフィードバックも豊富。 最新テクノロジーが導入されたあらゆるジャンル(バス、ソルト、トラウト、鮎、へらぶな、渓流など)のラインを続々と輩出中!
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