【帽子だけにハッとする豆知識】コットン製ハットの正しい扱い方
皆さん、こんにちは。
僕も長らくコットンハットを愛用していて。近年ではボンバダハットや、今年はインクスからリリースしたバケットハット「放浪漫 RÚDO(ルード)」など、ほぼ毎日のように日差しから守るためにかぶっています。
釣り場に立つと、夏の光線は本当に強烈ですからね。特に今年は酷い^^;

レオン 加来 匠(Kaku Takumi) プロフィール
ハットかぶってる?
そしてちょうど8月に入った頃、あるユーザーさんが「買ってすぐに色褪せてしまった」とポストされていました。中には「変色した」とクレームを伝えてこられた方もおられます。
僕とて一人のユーザーです。しかもかなりのヘッドギアフリークで、本革カーボーイハットやストローハット、おしゃれなフェルトハットなど様々なものを所有しています。ちなみにドイツ製の5万円もするストローハットをかぶって釣りに出てスコールに見舞われ、初日にしてダメにした経験も…。なので、ボンバダハットや放浪漫 RÚDOなど、それなりの値段がするコットンハット買って一ヶ月足らずで変色したら、そりゃあ文句の一つも言いたくなります。
そこで、念のためハット工場に「染色剤の種類や製造に不備があったのでは?」と確認を取ってみたのです。
すると返ってきた答えはこうでした。
「汗をあまりかかない人もいれば、大汗をかく人もいます。また汗に含まれる成分の量やバランスは一人ひとり違う。だから汗を吸った部分は、濃い色なら白っぽく、明るい色なら逆に濃く変化する。そのため、どうしても個人差が出てしまうのです」「また使った後のメンテナンス方法も関連します」と。
なるほど、と腑に落ちました。つまり同じ製品であっても、ある人には長持ちし、ある人にはすぐ色変わりしてしまう。コットンという素材の特性と、人それぞれの体質や使い方の違いなどが掛け合わさっているのですね。だからこそ、合わないと感じる方には、化繊のハットをお勧めする場合もある…工場側はそう説明してくれました。
僕はこの返答をとても誠実なものだと感じました。なぜなら「不良ではない」と突っぱねるのではなく、素材の性質と人間の体質の関わりにまで踏み込んで説明してくれたからです。
これを聞いて改めて思ったのは「やはり、弱点を理解したうえでコットンを選び、正しく扱う」ことの大切さです。化繊には得られない心地よさや風合いがある。それを楽しむなら、避けられない弱点も一緒に受け入れて付き合う。これこそが、大人の道具との付き合い方ではないでしょうか。
ちなみに、幸いと言って良いのか言葉を選びますが、僕は長年使っているコットンハットやキャップで、紫外線劣化はともかく汗染みなどで変色してしまった経験がないのです…。管理(あるいは使用法)が悪くてダメにした物は多数ありますが^^;
ということで、僕自身の経験や、プロからのアドバイスを踏まえて対策方法をまとめて見ましたので、ぜひご参考ください。
まず一番大きな敵は、紫外線です。「いやいや、日差しを避けるためにハットをかぶっているのに?」と思われるかもしれませんが、紫外線は布地の染料を分解してしまいます。特に天然繊維のコットンは、時間の経過とともにどうしても色が褪せやすい。車のダッシュボードに置きっぱなしにしたハットが数週間で白っぽくなった…そんな経験、ありませんか?
■プロのヒント
直射日光を避けて保管する。それだけで寿命はぐんと延びます。釣り場から帰ったら「陰干し」、これを習慣にしましょう。
次に、汗です。真夏の磯や堤防に立てば、汗が滴るのは避けられません。その中に含まれる酸や塩分は、布地に残ると染料を劣化させ、黄ばみや色落ちを加速させます。
■プロのヒント
汗止めのバンドやインナーライナーを使う。複数のハットをローテーションして、使った後は「必ず軽く水ですすぐ」──これだけで随分違います。
「汚れたから洗濯機へ」──これは一番やってはいけないことです。熱いお湯や強い脱水、そして洗剤の刺激で繊維は傷み、色が抜け、型も崩れてしまいます。
■プロのヒント
冷たい水で、中性洗剤を使って優しく手洗い。乾かすときは自然乾燥。釣具と同じで、“手間をかけてやるほど応えてくれる”のがコットンなんです。
漂白剤や強アルカリの多目的洗剤。「汚れが落ちるなら良いじゃないか」と思われるかもしれませんが、それは同時に染料まで壊してしまうのです。
■プロのヒント
必ず色落ちしにくい中性タイプを。使う前に、目立たない部分でテストするのも忘れずに。
そして意外と見落とされがちなのが「摩擦」です。汚れを落とそうとゴシゴシこすると、繊維が削れ、染料が落ち、結果としてムラができてしまうのです。
■プロのヒント
柔らかい布やスポンジで“根気よく、優しく”。釣りのリーダーを結ぶとき、焦って締め込みすぎるとラインが傷むのと同じ理屈です。
ハットを直すたびに手の油分や汚れが少しずつ移ります。特につばの部分が黒ずんでくるのは、このせいです。
■プロのヒント
こまめに手を洗う、防汚スプレーを使う──ほんの小さな意識で驚くほど長持ちします。
まとめ
さて、ここまで聞いていただいていかがでしょうか。
コットンハットは、化繊にはない心地よさと風合いを与えてくれますし「経年劣化(エイジング)」すらも楽しめる存在です。ただし、その良さを長く味わうためには「弱点を知ること」が欠かせません。
紫外線、汗、洗濯、洗剤、摩擦、油分…こうした要因に気をつけるだけで、お気に入りのハットやキャップを美しく保つことができるのです。
僕自身、毎日のようにコットンハットをかぶるからこそ強く感じます。釣り人にとっての相棒を、ただの消耗品にするのか、味わい深いギアに育てていくのか。その分かれ道は、あなたのお手入れ次第です。
放浪漫 RÚDOも来年はベージュとブラックを生産する予定です。ブラックは当然色落ちが予想されますので、工場にはいつもよりウォッシング工程を強くしてもらうようにお願いもしております。まだまだ残暑厳しい季節、釣果や道具のメンテと同じくらい…ぜひコットンハットの色合いも大切にしてやってくださいませ。