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今江克隆のルアーニュースクラブR「まさに”一人LIMIT ONE GAME”で6位入賞!〜TOP50小野湖戦レポート〜」 第1243回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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TOP50第2戦山口県小野湖が閉幕した。

万全を期して挑んだはずの開幕戦を46位という最悪の結果で終えた自分にとって、この2戦目は41年のトーナメントプロ人生において特別な試合になると思うところがあった。

小野湖はTOP50史上日本最大のエレキ戦レイクであり、全域オーバーハングと無限シャローカバー、そして多魚種が混在する超大型野池のようなステインレイクだ。

TOP50第2戦小野湖。2年前に鬼門となった一番苦手意識があった湖。オーバーハング&カバーだらけなのにライブサイト最強の湖であり、やはり今試合もライブの達人・佐々プロがライブサイトオンリーで勝利した

さらに2年前、同時期開催された時はライブサイトを得意とするプロが驚異的スコアで上位を席巻したライブ最強レイクでもある。

小野湖での惨敗と青木唯プロの衝撃的優勝を目の当たりにして、そして話を聞いて、ライブサイトの絶対的技術差に絶望的な焦りを感じた試合でもあった

2年前、若手ライバー達に手も足も出ず40位以下の惨敗を喫した相性最悪のこの湖で再び予選落ちすれば、今季の年間成績に早くも赤信号が点灯する。

2年前の小野湖戦では若手ライバー達に圧倒的差を付けられ、44位予選落ちの惨敗。リザーバーなのにリザーバーらしくない相性最悪の湖だと思った

それが何を意味するか、今年61歳を迎える自分が一番分かっているつもりだ。

開幕戦の借金をチャラにするためには、最低でも入賞圏である15位以内(今期53名中)に入ることが最低条件。

そのためにオフシーズンに減量と体幹を鍛え直してきた。

それでも通用しなかった開幕戦で足りなかった理由が何かを考えた時、それは今の自分が仕事の合間にトーナメントのプリプラと取材の釣りしかしなくなって久しいという現実だった。

決してプリプラの日数を減らしたことはない。

だが、TOP50のほとんどの若手選手が「職業=釣りプロ」として毎日のようにフルタイムで湖に出ているのが当たり前になった今の時代、試合の練習やプロモーションのための取材の釣りのみでは、「釣り感」という点において勝てるはずがないのは明白なのかもしれない。

釣り感

思い起こせば、琵琶湖をホームレイクとして試合や取材関係なく毎週末、全休日を自分の釣りのために琵琶湖に通っていた頃に比べ、「釣り感」が「プリプラ時の釣果」のみに縛られてしまい状況に応じた対応力が著しく落ちていたように思う。

ホームレイクを失ったことは同時に、ライブの練習も取材やプリプラ時に片手間にやるだけで釣果無視の徹底した自主練をすることがほぼなくなってしまった。

それが自分の「釣り感」を衰えさせていたことは間違いない事実だ。

正直、そんなことは遥か昔から分かっていたことだが、会社経営やルアーの開発、取材やプロモーションという仕事の多さから軸足を「釣りのプロ」ではなく、年齢に伴う体力の衰えや、経営者としての社会的責任の重さからも徐々に仕事優先になってしまっていた。

だが、それは決して間違っていることではなく、人生設計という観点から見ても常識的選択でもあり、逆に両方を高度に一般社会的定年まで継続することの方が、はるかに異常なことなのかもしれない。

その葛藤に対する答えを自分なりに出すために、開幕戦で予選落ちした翌週からすぐに「最低でも3日に1度は湖に一人で浮く」という、この十数年出来なかった挑戦を小野湖戦まで続けることにした。

体力的に仕事と自主練の両立は超ハードであり、逆に体を壊す可能性もあったが、もう一度ホームレイクを持つために兵庫県青野ダムを選んだことは、すでにここで書いてきたとおりだ。

幸い、冬季に10kg近い減量をし、体幹トレーニングを積んだおかげか、それが意外にできるようになったことが、自分でも少し驚きではあった。

バスを身近に感じることでの釣り感の向上、徹底したライブサイトの特訓、これで自分が第2戦小野湖攻略のためにやれるべきことは全てやった。

第2戦小野湖に向けてできること全てをやり切ったと思えるからこそ、トーナメントの神様がどんな結果で自分が進むべき道を示そうとも、それを受け入れられる覚悟はできていた。

「クジャラ」のモリケンリグに覚醒したこともライブサイトの技術とビッグフィッシュ率を劇的に向上させた。「クジャラ」はカットしたフラット面の水押しを活かしたセッティングこそが、間違いなく最大のキモである

プリプラクティス

今回、小野湖にはプリプラ7日間、公式プラ2日間の合計9日間を練習に費やした。

その結果、明確に分かったことは、2年前に比べ小野湖のバスがなぜか激減しているという事実だった。

プリプラは5月なのにネストすらほぼ全くなく、試合では霞ヶ浦を上回る初日19名ものノーフィッシュが出たことからも、思い過ごしではないと思う。

カバーをやろうがライブをやろうが、ビッグベイトでもライトリグでもサイズを問わずあまりにも釣れない現実だった。

そんな中で何とかバスに触れたのが、メインリバーの厚東川の上流部岩盤帯でのライブサイトだった。

青野ダムからライブの練習で最もやりこんだ「ジャバロンスーパーリアル110」と「クジャラ」でなんとか雨の日だけはバスに触れたが、なぜか95%以上の確率で1kg以上のビッグバスで、キーパーは、どんなにライトリグで頑張っても自分にはビッグバスより釣れなかった。

これはライブにはデカいバスほど明確(大きく)に映りやすいゆえ、探して狙うバスが自ずと大きくなるというライブサイトの特性もあるのだろう。

ただ、カギは「雨の日=流れが出る=バスの居場所が絞れる」と感じたので、晴れても常に流れが少しでもある厚東川の上流部~中流チョークベンド部、ライブサイトがやりやすくアフターも集まりやすい垂直岩盤や大岩フラットに狙いを定めた。

ルアーはギルや小魚が非常に多い場所にもかかわらず、なぜか魚系より「クジャラ」が圧倒的に強く、もしかして「稚魚喰い」もしくは「蟹喰い?」かと思った。

小野湖のプリプラで最も釣れたのは「クジャラ」のライブサイトだった。オフリミット中も中山川ダムや青野ダムで「クジャラ」のライブサイト練習に時間を費やした

公式プラクティス

そして公式プラでは、キーパー場を探して全域を回ったが結局「クジャラ」で1尾グッドサイズをバラしたのみで、やはり自分にはキーパーよりビッグフィッシュの方が圧倒的に確率が高かった。

ただ、たまたま岸際をサイトで流している折に、フラフラと岸際を泳いでいる見えバスに初めて遭遇。

何に反応するか追いかけながら試していたところ、まず使うことはないが試しに「マイクロライブサイト」用にリグッていた藤川温大プロがリクエストした「ジャバロンONEスーパーリアル(プロト)」を投げてみたところ。まさかの迷いなく即喰い…。

「デルジェスUL」に東レ(プロト)の0.3号PE・5lbリーダーでややこしいカバー際だったので超焦りまくったが、余裕の2kgオーバーを仕留めたことで、このタックルを1軍スタートに入れることに決めた。

まさか、これが予選2日目、同じような場面での値千金の1尾に繋がるとは思いもしなかったが…。

公式プラ初日、初めて岸沿いを回遊している巨大な見えバスを発見。難易度MAXのバスだったが、「ジャバロンONEスーパーリアル」のショートダウンショットで完璧に狙った通りに仕留められたことが大きな自信になった

予選初日

そして本戦予選初日、スタートは34番だったが厚東川上流部に向かったのは数名で、なんなく1番乗りで目的の岩盤に到着。

ライブを直角に当てるといきなりデカいバスが岩盤の沖に浮いているのが映り、すぐさまシューティング。

狙い通りに1投目で1,600gオーバーのビッグバスを「クジャラ」で仕留めた。

予選初日は朝一に垂直岩盤の表層付近に浮いたアフター回復バスをライブで見つけ「クジャラ」で直撃。青野ダムでのライブ特訓が一番効いた瞬間だった

予選初日、朝一番に「クジャラ」のライブサイトで一投で仕留めた1,624gのビッグフィッシュ。ライブサイトは間違いなくビッグフィッシュだけを狙って釣れる最強の方法だと確信しはじめている

さらに30分後、また岩盤に浮いている同クラスのバスを見つけロングレンジシューティングで完璧に喰わせた。

だが「これで予選通過や!」と脳裏に邪念がよぎった瞬間、遠方でいきなりジャンプされバラシてしまった。

自分の甘さがトーナメントの神様の勘に触ったと反省した。

結果的に初日はその後何事もなく終了。

1日中、吉川永遠プロとワンオンワンだったが、ともに1,600g1尾ずつの引き分けに終わった。

予選2日目

そして予選2日、この日も厚東川の上流部は人が少なく事実上、永遠プロとのワンオンワン状態。

朝一に永遠プロに2度絶叫されかなり凹んだが、気晴らしに岸際ブッシュに近づいた時にチラッとバスが泳いでいる姿が見えた。

瞬時に「ジャバロンONEスーパーリアル」を進行方向のレイダウンに吊るしてシェイクすると、これまた一発で喰ってきた。

ランディングは心臓が止まりそうなくらいヒヤヒヤものだったが、PE0.3号は切れることなくキャッチ成功。

予選2日目はライブサイトではなく、リアルサイトで見つけたバスを「ジャバロンONEスーパーリアル」で一撃で落とした。公式プラでビッグフィッシュを仕留めた自信が効いた1匹だった

実質3cmほどしかない「ジャバロンONEスーパーリアル」。オフセットフックでサイズが合うものが見当たらず、大昔に「バークレーインチホッグ」用に作った「インチフック」がまさかの役に立った

この日もこの1尾1,220gで予選は12位通過、

重量順位15位で決勝に進んだ。

予選2日目もリアルサイトで仕留めた1,220gのバス1本のみ。予選は2日間で2本のみだったが、15位で予選を通過した

決勝進出!そして

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